ライトノベル作家になるにはどうすればいいか?『カオスレギオン』など数々のヒット作を世に送り出し、『マルドゥック・スクランブル』『天地明察』で一世を風靡した冲方丁が、創作のプロセスを公開した“伝説の書”が新装版で再登場!執筆時のプロットをそのまま公開する型破りな手法に、「シュピーゲル」シリーズをはじめとする代表作の創作過程を新たに語り下ろした特別インタビューを加え、ライトノベルの書き方を徹底指南。
『天地明察』で有名な、あの冲方丁先生によるラノベ入門書。
著者が早稲田の文学部出身(厳密には中退だけど)だし、一般文芸で名を馳せているから、どうせお堅い文体なんじゃ……なんて心配は無用。
「どうも、学級委員長の冲方です」「起立ーぃっつ! 気ょをつーぇい……礼っ!」などのフランクな語り口が本書の特徴よ。だから気軽に読めるってわけ。
この本の目玉は『マルドゥック・スクランブル』『カオス レギオン』『蒼穹のファフナー』がいかにして作られたのかを、それぞれ四~六つのステップに分けて解説している部分よ。
一作のみならず三作品。冲方丁フリーク垂涎のメニューだわ。
タイトル詐欺。
この本で取り上げられてる作品が果たしてラノベのカテゴリーに当てはまるかどうか怪しいわね。楽しさもネタも刺さり具合も追求しているわけじゃない。中高生向けでないことは確か。
何より冲方丁は「ラノベ作家」のカテゴリーから外れてる(wikipediaの紹介では「小説家」!)なわけで、そんな人間が「ライトノベルの書き方講座」を執筆するなんて言語道断だわ。
そこには「一般文芸を真似ればラノベは楽勝!」という、ラノベに対する差別的な感情があるんじゃないかしら。2chに巣くうワナビみたいに。
こんな本に星二つを与えたうっぴーの感性が理解不能ね。
おまけに文庫化以前の『冲方式ストーリー創作塾』に至っては、『ベストセラー・ライトノベルのしくみ』と同じ三つ星(なぜ文庫化しただけで星が一つ減ったのか不明)!
『ベスラノ』はキャラクターマトリクスや変形5Sなどのフレームワークで、売れる作品のメカニズムを鮮やかに描き出した良書よ!
ラノベを舐めきった作家の創作論が、MBAホルダーの精緻な分析に匹敵するわけないでしょーがっ!
冲方式ストーリー創作塾』の文庫版なので、改題・改訂はありますが値段が安いし文庫本なので、より手軽に手に取り易いと思います。
私は帯に書いてあった『小説を書くことは、もっと気楽でイイ』という一文に惹かれて購入しました。
肝心の中身はというと、『マルドゥック・スクランブル』、『カオス レギオン』、『蒼穹のファフナー』のプロットを悩んだ段階まですべて曝し、それを解説していくという形式です。
実は私はどれも未読なのですが、小説を書くまでの段階が分かり易く書かれているので、同じように未読の方でも大丈夫かと思われます。
一番熱中して読んだのは五時間目『こんな風に言われたんですが』でした。
いざ小説を書いてみたけれど、こんな風に言われてしまった……。という悩みに対して、ではどうすればいいのかという対処法が書かれています。
説得力がない、リアリティがない、インパクトがない、感情移入が出来ないなど、様々な悩みに対応しているので、言われた事のある人には役に立つかも。
結論:本の値段相応以上の内容がある
以上、徒然なるままに書いてみました。
この本を買おうか迷っている方、この本を知らなかった方のお役に立てれば幸いです。
『冲方式ストーリー創作塾』の紹介に書かれているように、ちょっと砕け過ぎた文がある事でしょうか。それ以外は特にないと思います。
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