「これは…ずっと前からあたしのやりたかった…叶えたかった夢なのっ!」
何とか電撃小説大賞に初応募を終えた城ヶ崎奈央と一ノ瀬渉は、『拾い上げ組』として念願の作家デビューを果たすことに!
編集部との打ち合わせを繰り返し、原稿の完成に向けて頑張る矢先、とある事情から「電撃大賞」の授賞式を見学するのだが…奈央たちに対抗してきたのは、電撃文庫MAGAZINE賞を受賞した、同じ高校生作家の久遠寺三月だった…。果たして二人三脚で続く作家への道のり&恋の行方はいかに―!?電撃文庫が作られる舞台裏&応募原稿のアドバイスもたっぷりの続編登場です!
ハウツー本レビューも遂に二桁の大台へ。
記念すべき十冊目は、その名に「10」を冠し、前回レビューした『城ヶ崎奈央と電撃文庫作家になるための10のメソッド』(以下『城ヶ崎』)の続刊でもある『続・城ヶ崎奈央と電撃文庫作家になるための10のメソッド』(以下『続』)よ。
『城ヶ崎』が「デビューまでの道のり」にスポットを当てていたのに対し、『続』は「デビュー後のやりとり」にフォーカスしてるわ。
プロフェッショナルの世界により深く切り込んでるのが見所ね。
第1章では一般人がまず立ち入ることの出来ない聖域、電撃大賞授賞式の様子を描いてるわ。
豊かな緑に囲まれた、明治時代の屋敷を彷彿とさせる趣ある外観。
内装には、映画で見るようなまばゆいシャンデリアや高価な絨毯。
巨大なスクリーンが佇む、体育館ほどある会場。
読者よ、これが授賞式だ。そんな作者の声が聞こえてきそうなくらい、雰囲気が伝わってくるわね。
ここで新しく登場するのが、お嬢様学校の現役女子高生にして、美少女を自称する(まるであたしみたい!)、電撃文庫MAGAZINE賞受賞者の久遠寺美月。超がつくほどの売上至上主義者。
で、第2章以降は一冊の本を世に出すまでのプロセスを描いてるわ。
・第2章
【ライトノベル作家を目指して! (6)原稿修正の基本作法】
(「トルツメ」「イキママ」の説明。あとは校閲の当たり外れの話)
・第3章
【ライトノベル作家を目指して! (7)取材のやり方】
・分からない部分が出てくる。
・まずはネットや手持ちの本などで調べてみる。家族や友達などにそういったことに詳しい人がいないか訊いてみる。
・必要だったら資料としての本やDVDなどを購入する。または実地で直接それらを取材する。
・それらの資料を読み込んで、作品に使えるように落とし込む。
・第4章
【ライトノベル作家を目指して! (8)文庫ができるまで】
(1)六月末(発売月の四ヶ月前の月末)、入稿。
(2)初校修正。戻し。
(3)再校(著者校)修正。戻し・
(4)イラストのラフチェックや設定チェック、あらすじや著者近影、あとがきなどのチェック。
(5)完成。発売!
【ライトノベル作家を目指して! (9)あとがきについて】
(見開き一~二ページが適量だという話がちょこっと)
【ライトノベル作家を目指して! (10)作家としての心構え】
・インプットを怠らないようにしよう。
・どんなことにも好奇心を持つようにしよう。
・できれば他の作家とも交流を持つべし。
・デビューはゴールではなくスタート。
かなり端折ってるけど、他にも電撃文庫MAGAZINEに短編を載せるまでのもろもろだったり、ツイッターをすることの是非だったりもあるから、新人賞受賞者はざっと目を通すだけの価値はあるんじゃないかしらね。
ま、ラ研に受賞できる実力を持った人間が、あたし以外に何人いるのかしらないけど。
「電撃文庫作家になるための」というよりは「電撃文庫作家になってからの」とする方が適切ね。
受賞してないのにこの本を読んであーだこーだ想像を巡らせたところで、所詮捕らぬ狸の皮算用でしかないもの。
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