魚を食べよう

1990年代半ばにイギリスの栄養学者マイケル・クロフォードが

「日本人の子供の知能指数が高いのは魚を食べているからだ」

と発表したのがきっかけとなって、魚油の『DHA(ドコサヘキサエン酸)が大ブームになりました。
「さかな、さかな、さかなぁ〜♪ 魚を食べると、あたま、あたま、あたまぁ〜♪、頭が良くな〜る♪」
といったフレーズで有名な魚の歌まで、後に作られたくらいです。
DHAは血液中の中性脂肪やコレステロールを少なくし、血流を良くする働きがあります。脳の脂質の約1割がDHAで、脳細胞を正常に機能させる作用があるため、これを摂取すると「頭が良くなる、記憶力が増進する」というわけです。
またDHAは、脳の神経細胞の成長を促進するNGF(神経成長因子)、というホルモンの生産に関わっています。さらに脳が萎縮してしまうアルツハイマー病で亡くなった患者さんの海馬(脳の記憶を司る部分)のDHAがふつうの人よりかなり少ないことから、DHAが脳の活性に深く関わっていることがわかっています。

DHAは不飽和脂肪酸の一種で、魚(マグロ、サバ、イワシなどの青魚に多い)の脂肪に含まれています。

かつて、日本人は魚をたくさん食べる習慣を持っていました。ところが、食生活が肉類を中心とした洋風スタイルに変わり、魚に含まれる健康に大切な成分の摂取が減っています。そのため、日本の子供の知能指数も、他国とあまり変わらなくなってきているようです。もう一度、日本の食文化を見直して、魚を積極的に食べる必要がありますね。


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