脳は熱に弱い

子供のころ風邪を引くと、温かい布団に入れられ、熱を下げるために氷枕をしながら眠らされました。風邪はつらいですが、これがなんとも気持ちよかったのを覚えています。
でも、どうして病気で熱が出たら、それを冷やさなければいけないのか疑問でした。

実は、脳は熱に弱い器官なのですね。

脳は42℃を超えると機能が衰え、45℃を超えると、脳神経細胞が壊れて重大な障害を残すことがあります。私たちの体温が、36〜37℃くらいのごく狭い状態に保たれているのは、このためなのですね。
犬を使った実験では、脳を42℃以上の状態に40分間さらすと、神経細胞の損害やクモ膜下浮腫が見られました。

病気の時に体温が上昇するのは、病気に対抗するための重要な手段です。病原菌は熱に弱いという性質を持っています。ただ、身体は体温が42℃を超えても耐えられるのですが、脳の方はそうはいかないため、頭を冷やす必要があるのです。


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