速聴の嘘・ホント
「高速な音声を聴き取ろうとすることが、前頭前野を活性化させる」ということは、東北大学未来科学技術共同研究センター教授川島隆太先生の研究で明らかにされています。この研究は2004年6月に開催された国際学会でも発表されており、アカデミックプレスの「NeuroImage
Vol.22 supplement 1」に、その発表内容が収められています。
この研究で明らかになったのは、耳で聞き取れる程度に高速再生された音声を聴くと、脳が内容を一生懸命に理解しようとし、その結果活性化するということです。
ここでポイントなのが、聞き取れる程度の音声ということです。もし、聞き取れないほどのスピードの音声を聞いても、脳は活性化したりはしません。それは意味ある情報として脳には届かず、ただの雑音として聞き流されるだけです。
脳の活性化が見られるのは、2〜3倍速程度の音声を聞いたときです。
音声は速ければ速いほど効果があるように錯覚してしまいがちですが、そんなことはないのです。
また、聴き取れる程度の音声を、一定のスピードで聞き続けていると、やがて脳は飽きてしまい、活性化の効果が落ちてきてしまいます。脳を飽きさせないためには……
1.少しずつ再生スピードを上げていくことで、集中力を高める。
2.それでも聞き慣れてしまったら音声コンテンツを取り替える。
この2つが有効な手段です。速聴の教材を購入する際は、こういったことにきちんと配慮されている適正価格の教材を買いましょう。
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