ライトノベル作法研究所
  1. トップ
  2. ライトノベルの書き方
  3. 新人賞受賞者
  4. くしまちみなと公開日:2012/04/27

くしまちみなとさんのインタビュー

 ゲームのシナリオライターから出版社に声をかけられて兼業ライトノベル作家へ

かんづかさ

〈STORY〉
 高校を卒業し4月から栃木市役所で働くことになっていた五祝神奈(いわい・かんな)は、採用辞令交付式でなぜか「今すぐに桜田門前(宮内庁)に来るように」という指示を受けた。そこで受け取った辞令は、栃木市役所ではなく、なんと特別国家公務員ー宮内庁式部寮神祗院第壱課神祗官(かんづかさ)としての配属辞令であった。
出版社:桜ノ杜ぶんこ
発行年月: 2012年01月

桜ノ杜ぶんこの公式ページ

■ くしまちみなとさんからのコメント

 はじめまして、くしまちみなとです。
 このような機会をいただきまして、ありがとうございました。
 2011年にゲーム関係の仕事でグチャグチャになっていたボクを、幸運にも『YOU! 俺と一緒に小説を作らないか?』と拾い上げてくださった編集部の方がおりまして、桜ノ杜ぶんこから『かんづかさ』という小説でデビューいたしました。
 (くしまちビジョンが勝手に作用しており、現実と若干異なる部分があるかもしれません。)

 ボク自身、まだまだつたない書き手ですので、いつでもどこでも七転八倒な感じですが、生暖かい目で見守ってくださいまし。
 役に立たなかったらすみません。アホな作家のインタビューとして、1ミリグラムでもお役に立てれば幸いです

■ 作家になられた、くしまちみなとさんに気になる質問をいくつかしてみました

Q1: 初めてライトノベルに出会ったのはいつですか?
 小学生の頃です。図書館のお姉さんに雑居時代やクララ白書と言った氷室冴子先生の本を薦められて読んだのが出会いです。

Q2: 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?
 一番最初は小学生の頃です。
 地底探検系のものだった憶えがあります。本格的に書き始めたのは、高校1年生くらいの頃です。数十枚の原稿用紙を無駄にしながら、駄文を書きなぐっていました^^;

Q3: 作品はどのようなソフトを使って書かれていますか? あるいは手書きですか?
 指をケガしているので手書きはしていません。
 主に使うのはMKEditorやEvernoteです。ワードでルビ振りをしています。

Q4: 作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?
 プロットはかなり詳細に組みます。
 ぴこ山ぴこ蔵先生が作られたEDWORD2を使って簡易プロットを組み、その後モリモリと盛っていきます。気がつくとプロットだけで五稿とかと修正しています。

Q5: 初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか? 
 専門学校時代です。落選・落選の連続でした。

Q6: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?
 スランプはしょっちゅうですw
 作家になることをあきらめようとは思ったことは多々あり、一時期はゲームのシナリオライターとかもやっていましたが、小説という形式が忘れられずに戻ってきました。

Q7: アマチュア時代に参考になった本はありますか?(ハウツー本など)
 久美沙織先生の『新人賞の獲り方おしえます』や新井一先生の『シナリオ作法入門』はかなり参考になりました。というか、ハウツー本は役立つと思った所が1ページでもあれば、買える限り買いまくりました。
 あとはいろんな小説やマンガや映画を見ることでしょう。
 専門の先生に教わった通り、気に入った映画は何十回も観て、気に入った作品の台詞を書き出したり、コンテに再現するなどをしていました。『ブラック・ホーク・ダウン』とか『バンド・オブ・ブラザース』とか……。

Q8: 尊敬している作家さんはいますか?
 アサウラ先生、朝松健先生、小野不由美先生、菊池秀行先生、佐藤大輔先生、夢枕獏先生。
 すべての作家先生は尊敬に値する方です!

Q9: アマチュア時代にどのような方法で筆力を高めていきましたか?
 専門学校時代は、クラスメートと書いたものを見せ合ったりしていました。
 その後は、ゲーム業界に入ってしまったので、先輩たちに小突かれ、叩かれて鍛えられました。が……あんまり成長していないですねw

Q10: 執筆は、いつもどのような時間帯にされていますか?
 平行して行っているゲームのシナリオなどの仕事がない時は1日中。ある時でも最低でも1~2時間。どっちにしても筆が進むのは夜が多いです。あとは通勤の電車の中でEvernoteを使ってスマホでカキカキ。

Q11: 一日の執筆速度はどの位でしょうか? また、ノルマを作っていますか?
 ノルマは設けていませんが、〆切り日までの日数が減るに従って睡眠時間が減る傾向にあります。
 乗っている時は平均20kb(10240文字)。ダメでも10kb(5120文字)は書くようにしたいなーと夢を見ておりますw

Q12: 一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?
 ある種、起きていて水場とベッドに近づかない時間は全部? ヒマを見つけてはチコチコとEvernoteに書き込んでいます。PCに向かっている時間は他の仕事がある日は1~2時間。お出かけしない時は16時間くらいは書いていると思います。

Q13: どのような方法でプロットを作られていますか?
 こんなの使いたいな~と思ったらメモします。
 メモがたまってきたら、簡単なお話にしてみます。
 EDWORD2であらすじを作ります。
 そのあらすじを元にキャラ設定を作り込みます。
 その後、あーでもない、こーでもないとプロットのシーンを組み込んでいきます。
 で、一度読み返して足りないところを追加します。
 その後、誰かに読んでもらって面白いかどうかを確認します。(今は編集さん。ソレ前は同僚とか友だちとか)
 指摘された場所とかを直します。
 結果として、ワードデータで20枚とか30枚とかにふくれあがります。キャラ設定は別用紙にモロモロ。

Q14: 作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか?
 面白く伝えられるかどうか……かなぁ?

Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、
 答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?

 たぶん『売れる物を書くべき』なんでしょうね。ボクは書きたいものを書かせて頂いているクチなのですが、やっぱり売れないと書かせてもらえなくなっていくと思います。
 ただ、今売れているものをマネして売っていこうだと続かなくなるので、多くの読者を獲得できる(楽しんでもらえる)ように努力していくべきなんじゃないかなと思います。
 それって、やっぱり『売れるものを書くべき』ことに繋がるんじゃないでしょうか?

Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?
 行動していたから。カッコつけすぎですね。スミマセン><
 運が良かったからです(身も蓋もない><)
 じゃあ、アレです。あきらめなかったから!(コレだ!)

Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?
 ファンレターを頂いたことと、書いた本が自分の名前でお店に並んだことです。
 ゲームって自分の名前はエンドロールにチョコっと載るくらいですし、最悪はゴーストになるので載ることもありません。でも、小説だときちんと名前が出ますものね。自己顕示欲がそんなにあるとは思っていませんでしたが、自分の書いたと言える作品がお店の商品として並んだことは嬉しかったです。
 そして、その本の感想をメールなどではなく、手紙にしたためてくださった方がいたことが凄く嬉しかったです。

Q18: 最後に、これからくしまちみなとさんに続け!と頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?
 とにかくどんな文章でも他人に読ませることを考えて書くこと。
 自分の為の小説だと独りよがりになって、読みづらさとかまったく考えなくなります。でも他人に読ませるんだと考えながら文章を書くと、読みづらさとかがなくなっていくと思います。

Q19: 新人賞を受賞する以外の方法で作家になった経緯を詳しく教えて下さい。
 桜ノ杜ぶんこですが、フリーランスでゲームのシナリオライター兼プランナーを開始しました所、幸運にも編集部の方にお声をかけていただきましてデビューにつながりました。
 なお、新人賞以外の作家デビューとしては、ある程度の作品実績(同人を除くゲーム、小説含む)のある方による持込か、ある程度の作品実績のある方に対する出版社からのアプローチ(こちらは同人含むゲーム、小説)があると思います。

▲ 目次へ