ライトノベル作法研究所
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桜色の春をこえて

ジャンル:学園
著者:直井 章
出版社:電撃文庫
発行年月:2011年11月

enHieさん一押し!(男性・21歳)

■ 解説

「あたしの家にくればいいよ? それで全て解決でしょ」
 高校入学とともに一人暮らしをはじめるはずが、手違いにより部屋を失った真世杏花に救いの手が差し伸べられる。救い主の名は澄多有住。杏花の同級生でもある彼女は、かわいい名前に反してぱっと見は不良、停学歴アリ。
 一緒に暮らし始めても無愛想でわがままでおまけに生活能力もない。
 杏花は折り合いをつけるのに難儀するが、時折ちょっとした優しさやかわいげが垣間見え……。
 これってもしかして、ツンデレ?二人の少女が織りなす、感動の同居×青春ストーリー。

■ enHieさんの書評

 最近のライトノベルにしては珍しい、女の子を主人公にした友情物語。
 特にお色気シーンもなく(部屋に入って「あらっ!」はありますが女の子同士なんだからいいじゃんという解釈)、恋愛沙汰が絡んでくるわけでもないので、読む人にとっては退屈に感じられるかもしれません。
 でもそんな今だからこそ、本作品はおススメです。

 あからさまな萌えに頼らず、風景描写と心理描写に特化した作品だからこそ、胸に迫るものがあります。

 家庭事情に問題を抱えた二人のヒロインが、それぞれの過去に対しどう折り合いをつけていくか。
 それは家族との接し方という意味でもそうですし、傷を負った自らの内心との向き合い方という意味でもあります。

 少々使い古された感のテーマではあるものの、真面目に取り組んだ本作品にはとても好感が持てました。

 チュイルリー南福住、302号室。
 疲れたら、帰って休める、二人の「家」。
 「ただいま」と「おかえり」の言い合える場所。

 長々と考える作品ではないですね。感じる作品です。
 合う人にはとことん合う。合わなければそれまで。私には相性ピッタリでした。

 友情モノが好きな人や、キャラ萌えやエロを全面に押し出した最近の主流に食傷気味な人は、是非読んでみて下さい。心に残るものがあるかもしれません。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 杏花は自分の自転車に名前をつけている所が可愛らしいですし、有住は何か、もう……全てが(爆
 そしてこんな可愛い二人をほったらかしにした各々の両親。ツラ貸せや、表出ろや、と。
 あぁ、でもこの二人は家庭環境に対する葛藤があったからこそ魅力的なのであってそれを考えると複雑な気持ち!
 ……すいません、話が逸れました。
 主人公とヒロイン、つまりメインヒロイン二人が好きです。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 え、絵が……

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