ものすごい突っ込みたいのが、「持たざる者」の目標がなんで「自由」になるのかというところ。
あくまで私がそういう「奪う能力しか持たない」主人公だったら、の話だけど、ハッピーエンドのその後は自分の能力よりもっと無難な「知識や力の継承」を続けることをライフワークにするかな。書物を書いたり、見込みのある後継者に教えたり、分割譲渡の能力が開発できないか研究してみたり(そう、一人に集中吸収させるのは危険なんだってば、おもにメンタルの面で……)。
それで他者から貰った能力をすべて自分の外に出しきることができた時にはじめて、彼の本当のハッピーエンドが待っているだろうと思う。「これで彼らは自分がいなくても生きた証が残る。自分がいつ死んでも許される」とね。そういう意味での自由ならわからなくもないんだけど。
そういう気持ちがなさそうだから「結局、強い力が貰えて喜んでるだけでしょ?」と言いたくなるんだ。私だと主人公を内面から虐めるトラウマワードはこれになる。ザクザク言ってやりたいですねー。