アスベストに関してにしぼって説明しますね。
アスベストというのは恐ろしいものですよ。大昔、火鼠《ひねずみ》の皮衣《かわごろも》というものが平賀源内によって幕府に献上されました。これはかぐや姫の物語で、かぐや姫が要求する五つの難題の一つでもあります。
これが超恐ろしいんですよね。布のように柔軟性がある上に、火を通さず、耐火性があるので日本で「吹付《ふきつ》けアスベスト」っていう、ガスなどの配管に吹き付けて使う(つまり、セメントのようなものとして使う)事が多かったんです。
ところが、このアスベストの繊維は、細かい微粒子なので、肺の中に入ってしまいます。
すると、ガラスのようなものなので、肺の細胞に刺さって、肺の空気を吸う肺胞という部分を破壊してしまうんですね。
それで、一回吸ってしまうと、一年中たんが出て、しかも咳も出て、息は苦しくてきちんと吸えない、という状態になります。そして、肺気腫という肺がただのがらんどう(ブラ、と呼ばれる、大きな空洞が空いた状態)になるんです。まあ、大体の人が死にます。これでそんな危険なものだと知らない工事関係者は、みな息ができなくなり苦しみました。
それで、その当時配管やコンクリをむき出しにした内装が流行ったということは……みな少なからずアスベストを吸っていたということです。まあ、タバコをずっと吸い続けるよりはマシですが。
それがアスベストの害です。