> 「今日は、カップラーメンを食べるしかないな、勝手に冷蔵庫の食材を使うわけにはいかないし」
この手の台詞がキャラから実際に発せられるとすると、主に読者に状況を理解してもらうためになるでしょうか。独白、モノローグなどと呼んでまして、元は演劇用語です。役者がじっと思考している演技では、何を考えているかが観客に分からないので、あえて独り言にするというものです。
いろんな表現方法があると思います。人称によっても変わります。決まった方法があるわけではなく、作者が文脈や状況、キャラ等に応じて選ぶべきものです。
1.一人称の場合
主人公が地の文も語るので、主人公の内心についてはかなり自由度があります(地の文の語り手でもある主人公以外のキャラは三人称の場合と同様になる)。
1-1.地の文で語る
主人公の思ったことが地の文になり、読者に情報として伝わります。言葉として発したかどうかは気にしなくていい。お示しの文例であれば、カギカッコを外して地の文にします。
今日は、カップラーメンを食べるしかないな、勝手に冷蔵庫の食材を使うわけにはいかないし。
1-2.カッコを使う
「 」を使うと、おそらく喋ったと読者は思います。内心で思っただけなら、例えば「と思った。」と付け加える手があります。
「今日は、カップラーメンを食べるしかないな、勝手に冷蔵庫の食材を使うわけにはいかないし」と思った。
(↑カギカッコの後、改行しないほうが内心台詞的な印象があると個人的には思う。)
実際には口に出していない内心台詞で、普通の台詞と明示的に区別したい場合、例えば『 』で括ることがあります
『今日は、カップラーメンを食べるしかないな、勝手に冷蔵庫の食材を使うわけにはいかないし』と思った。
『 』ではなく、〈 〉や( )のを使う人もいます。大事なのは使う記号は統一しておくことです。かつ、最初は内心台詞であることを明示したほうがいいでしょう。上記の「と思った」です。何回か内心台詞を使ったら、「と思った」は省略するといいでしょう。
1-3.ダッシュ(――)を使う
内心台詞であって、特に強調したいときは――を文頭に置く手がよく使われます。
――今日は、カップラーメンを食べるしかないな、勝手に冷蔵庫の食材を使うわけにはいかないし。
あまり乱用するとくどい感じになりますので、大事な内心台詞のときだけ使うといいと思います。
2.三人称の場合
2-1.地の文で語る
口に出した台詞は「彼は○○と言った。」、黙って思っただけなら「彼は○○と思った。」と書くことが多いでしょう。
彼は、今日はカップラーメンを食べるしかない、勝手に冷蔵庫の食材を使うわけにはいかないし、と思った/言った。
多用するとくどくなりますが、少し際立たせたいときには、「彼は言った/思った。○○だ。」というスタイルを使うこともあります。
彼は冷蔵庫を開けて思った。今日は、カップラーメンを食べるしかないな、勝手に冷蔵庫の食材を使うわけにはいかないし。
2-2.カッコを使う
ほぼ1-2に準じます。口に出した台詞は、独り言であってもカギカッコで括るのが普通ですね。ごく当たり前の台詞の記法です。台詞主の明示「彼は」と「と言った/思った」はたいてい必要になります。
彼は、
「今日は、カップラーメンを食べるしかないな、勝手に冷蔵庫の食材を使うわけにはいかないし」
と自分に言い聞かせた。
2-3.ダッシュ(――)を使う
これも、ほぼ1-3に準じます。台詞主の明示はたいてい必要です。
彼は独り言ちた。
――今日は、カップラーメンを食べるしかないな、勝手に冷蔵庫の食材を使うわけにはいかないし。