まず、あなたが一番面白いと思ったところ、一番書きたいと思ったシーンはどこなのかをはっきりさせましょう。主人公と彼女の恋愛なのか。主人公とイケメン女子の結ばれぬ恋愛なのか。主人公とイケメン女子による謎解きなのか。主人公と彼女とイケメン女子による三角関係なのか。ここが曖昧だと、なんとなく始まってなんとなく終わってしまいます。漠然とした設定とストーリーだけではあなたが表現したいものというのが読者に伝わりません。
設定とストーリーの方ですが、偶然出会ったイケメン女子と協力するのが不自然です。それなら元々知り合いでぶつかったことによって思い出した方がいいです。最初から知っていれば「好きな子の許嫁と初恋の子を探してるんだけど知らない?」「許嫁の方なら知ってるかも」「マジで!?」「その代わりコッチの頼みも聞いてくれよ」と、受け入れやすい流れで話を進められます。もっとも、この場合は主人公とイケメン女子の性別を超えた友情を描くことになりそうですね。
主人公と彼女の恋愛を描きたいのであれば、省略した一ヶ月を濃いめに書いた方がいいです。同じ目的に向かって協力する主人公を見て、彼女の気持ちにも変化があるかもしれません。この場合、イケメン女子との出会いは最後の一押しになるので、イケメン女子の好きな人を探す部分は省略した方がいいと思います。
よく勘違いしている人がいるのですが、作者の個性は設定の違いで出すべきものではありません。その設定とストーリーで何を描くのか、どのように伝えるのか、という部分に作者としての個性や伝えたいこと、作風が現れてきます。読む人に面白いと思ってほしいのであれば、作者として面白いと考えた動機、きっかけになった部分をはっきりさせてみるのはいかがでしょうか。