第4研究室 創作に関するQ&A 145P | トップへ戻る |
如月さんからの質問
 その時代に存在しない外来語を使ってはダメ?
 
 初めまして。鍛錬投稿室をよくうろうろする如月と申します。

 先日「陰陽師」(岡野玲子 著)という漫画を読んでいたのですが、
 「インテリ」「パワー」「ライバル」等、
 おそらくこの時代には入ってきていなかった外来語が使われていました。
 しかし面白いのです、この漫画。

 こういった存在しない言葉は、面白ければ、多少使ってもよいのでしょうか?
 それともこれは、変だけれど面白いから、ということなのでしょうか?
 「その世界に存在しない物は、比喩に使ってはいけない」といった事が
 第一研究室に書いてあったと思うのですが、よくわからないのです。
 漫画とライトノベルは別という事でしょうか?


● 答え ●

竜宮かれいさんの意見
 どうも、こんばんは。竜宮かれいです。
 何度か、鍛錬室でお見かけしたように思います。よろしくお願いします。

 漫画だから良いということだと思います。
 
 漫画は絵があります。だから、雰囲気を絵で出せると思います。
 小説は字しかないので、雰囲気を字に出さないとあれっ? となるのだと思います。
 だから、小説で時代の雰囲気に合わない言葉を使ってはいけないのでしょう。
 技量が高ければ、小説でそうしても、おもしろいのかもしれませんが、
  
 リスクが高い上に、わざわざそうする価値も低いと思います。
 
 ですので、「その世界に存在しない物は、比喩に使ってはいけない」のだと思います。
 なんか、偉そうですが、この辺で失礼します。竜宮でした。


銀月さんの意見
 銀月です、はじめまして。
 あくまでも、僕の意見なので、ご参考までに。

 漫画と小説の違いは、読者がどの視点から見ているか、ということだと思います。
 
 例えば、小説は読者が主人公になって物語に入り込むところが楽しいですよね。
 つまり、主人公視点です。
 しかし漫画は、多数の人物の気持ちが表現されていたり、
 主人公の知らない部分も漫画として描かれています。つまり、第三者視点です。

 漫画では第三者として見るので、多少の不自然さも笑いとして吹き飛びますが、
 小説は登場人物を通して見るのモノが多い(と思います。。。たぶん)ので、

 登場人物が知らない言葉(時代には無い言葉)は不自然で、
 読者が世界観から外れてしまうかも、です。


 私の考えなので、しつこいですが参考までに。


Mayoさんの意見
 はじめまして。わりと流浪主義なマヨです。

 その時代に存在しない外来語に関してですが、
 これは前者2人が仰ったように、使わない方が無難でしょう。



 蛇足事項として。
 歴史モノであるなら当然ですが、異世界モノにも同様のことが言えます。
 現実にしか存在しない単語(ミサイルetc)や、諺・慣用句などの使用です。

 特に後者はよく使われてしまいます。
 諺・慣用句は、例え現実でも、外国で使用すると首を傾げられてしまう、日本独特の文化です。
 当然他の国にも、その国独特の言い回しがあるし、
 それは日本人にとっては馴染み薄い言葉として聞こえるでしょう。

 『井の中の蛙大海を知らず』
 これは中国の道家である荘子が表した『秋水篇』にある
 『井蛙不可以語於海者、拘於虚也』の文が原典となっています。
 このように、諺・慣用句には必ず、作者、そして世に広まった起因があるはずです。

 もし異世界モノで、この諺や慣用句を、地の文や登場人物が使用するとどうでしょう?
 その世界の歴史は、その諺・慣用句が生まれ出で、
 人々に伝播するに至る要因を内包しているのでしょうか?
 そこのところをよく考えて使用しないと、読者を萎えさせかねませんので注意してください。

 まぁ、そこまで気にする読者というのも稀有かもしれませんが……w


青々さんの意見
 はじめまして。さっそく、参考意見などを。

 「時代に合わない言葉」ではなくて「その小説に合わない言葉」はNGだと思います。

 江戸時代の話にライバルと言う言葉が出てきた場合、
 「完全な時代劇」ならNG、「現代の少年が過去に飛んだ時代劇なら」OKかもしれません。

 「完全な時代劇」であっても、意識してカタカナの言葉を使って、
 わかりやすく、面白く書くならOKだと個人的には思います。
 きちんとした狙いがあって、それが的確ならよいのではないか、と。
 つまり、不用意に「ライバル」「パワー」などと使うのはNGですが、
 小説全体の雰囲気をその言葉を使っていても問題ない雰囲気にし、
 それによって作品の質を上げる狙いがあるのならOKなんだと思います。

 それこそ、「現代語を使いまくる宮本武蔵」や「ルー大柴みたいに英語混じりの佐々木小次郎」
 なんてキャラとして面白いかもしれません。ギャグっぽい雰囲気なら、比較的OKになりやすいと。

 ただし、やはりみなさんがおっしゃっているように、
 リスクがあることはわかって使う必要があると思います^^


三毛招きさんの意見
 時代ラノベを書いている藤原眞莉先生や氷室冴子先生は、
 (おそらく読者にわかりやすいように)その時代には無いカタカナ語も結構使っています。
 
 ただし、たいていの場合は漢字にルビ振りといった処置を施しています。
 
 例えば、 宿敵ライバル 知識人インテリ といった感じです。


青柳大成さんの意見
 これは白泉社から出されている、
 夢枕獏原作・岡野玲子著の漫画作品「陰陽師」のことですね? 私も読みました。
 この作品では平安時代を舞台にしているにも関わらず、
 外来語や現代語がギャグ的な要素で使われています。

 これが作品の効果を高めているのは、時代のリアリティを出すことが、
 作品のテーマになんら意味を有していないということが原因だと思われます。


 この作品で平安時代を事細かに醸し出しても、特に意味は無いでしょう。
 作者が書きたいのはそういうことではないのですから。

 とはいえ、これもこの作品の主題が非常に芯の強いものであるから、
 このような技法ができるわけです。


 ただ、その時代に無いはずの外来語・現代語を出すだけでは、
 他の方の仰るとおり作品の効果減に繋がるかもしれません。
 この技法を使うには、これが軽い冗談に見えるくらい、
 読者を惹きつける強い主題が必要かと思われます。

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