ハヤさんからの質問
　「セカイ系」について
　
　お久しぶりです。だいぶ前に一度だけ訪れたハヤです。
　前に書いていたものが一段落し、少しネタの方に頭を回しています。
　そんな今日この頃ですが、ふと疑問に思ったことがあります。
　それは所謂「セカイ系」というやつについてです。
　自分なりに調べてみて、
「個人レベルの行動が社会や国家などを素通りして世界を左右するという内容の話」
　だと思っています。

　しかし、どうにもピンときません。ゲームでいうとドラクエとかFFのようなものなのでしょうか？
　皆さんにとっては、「セカイ系」とはどのような話のつくりをいうのでしょうか？
　考えをお聞かせ下さい。よろしくお願いします。


● 答え ●

三毛招きさんの意見
　ドラクエやファイファンは何かが違う気がしますね……
　エヴァや涼宮ハルヒ、あと最終兵器彼女なんかがそうだと思います
　つまり

１．現実世界
２．主人公の持つのが何らかの超越した力
３．２は単なる戦闘力云々ではなく世界の有り様なんかに関わること
４．精神性が重要

　が条件だと思います。


chiiさんの意見
　こんにちは、chiiと申します。
　ドラクエ、FFはセカイ系ではありませんよ。

　セカイ系とは個人の意思決定により、世界の存亡まで決まってしまう話です。
　　（細かく分けると、もっと複雑なのですが）

　普通、人間一人には世界を動かす力はありません。また、誰しも１人では生きていけません。
　周囲の人とのコミュニケーションだけでなく、時に初対面の人ともやり取りをすることを通して、
　自分のしたいことを成し遂げたり、逆に自分に降りかかる問題を取り去ったりすることで、
　生きていきます。
　普通の人にとっては、世界を滅ぼそうにも、ボタン１つで簡単にはできないわけです。

　しかし、セカイ系では、主人公や主人公の友人、恋人が、限りなく通常の人であり、
　権力もないのに関わらず、様々な境遇、特殊能力によって、
　世界の運命を左右する存在になっています。
　その力は、世界のため、大勢の人の幸せのためではなく、
　自分の周囲のごく限られた人とのやりとりによって使われます。

　「恋人のために世界を守る」「ケンカで苛々して世界が危機に陥る」など、
　そこには本来接するべき知人以外の者とのコミュニケーションが欠如しています。

　そういった「限られた世界」の中でしか主人公同士の関係性がないにも関わらず、
　「世界の存亡が主人公たちに委ねられている」お話、
　それがセカイ系と呼ばれるジャンルだと思います。

　ドラクエもFFも王様やお姫様とやり取りをし、援助を受けて、
　いくつかのボスを倒してようやく世界を救えるので、セカイ系ではありません。
　一方、三毛招きさんの言うハルヒは自分の機嫌で現世界を滅ぼし、
　新たな世界を創造してしまう力がありますし、
　最終兵器彼女のちせは１人で世界を滅ぼすだけの兵器となってしまいます。
　これがいわゆるセカイ系かと。

　以上、失礼します。


kkkさんの意見
　セカイ系というの言葉は、その作品を批判するための蔑称として生まれた、
　ということをおさえる必要があるでしょう。

1
　全世界の存亡をかけた戦いに主人公は参戦している。

2
　しかし物語の大半は主人公の個人な悩みや仲間うちでの恋や葛藤などに費やされる。

3
　その戦いに関わってくるはずの、味方や敵の組織や社会や国家や政治や宗教思想などは、　
　全く描かれていない。

4
　組織や社会との関わりがないため、主人公は帰宅部の中高生レベルの単調な生活をしつつ、
　「世界の命運がどうたらこうたら」と、うすっぺらな知識に基づいた誇大妄想的な独白を垂れ流す、
　という構図が生まれるわけですが、この様子が滑稽であることから、
　「この作品はセカイ系だ」という言い回しが生まれた模様です。

　単に上記の傾向が強い(と主観的に感じた)作品を指して、
　「あの作品はセカイ系だ」と呼んでいるだけなので
　セカイ系とそれ以外を分ける明確な境界はありません。

　個人的には、セカイ系要素の強い作品より、弱い作品の方が書くのは難しいし、
　セカイ系要素の強いエンターテイメントがウケる間口は狭いと思います。


第八代将軍さんの意見
　はじめまして、第八代将軍です。

　セカイ系とは何か？
　ズバリ、以下の2作品を読んでください。

1.イリヤの空、UFOの夏（電撃文庫）
2.最終兵器彼女（ビッグスピリッツコミック）

　たぶん、古本屋でないと入手できないと思います。
　探してみてください。