第4研究室 創作に関するQ&A 238P | トップへ戻る |
たつみさんからの質問
 敵対させるとは?
 
 二回目の質問になります。さっそく本題で申し訳ありませんが、ご了承ください。
 
 物語を展開させていくには、主人公と敵対していくものが存在しますよね?
 それは、『人』だったり『人外のモンスター』だったり、または『感情』だったりします。
 では、敵対するものをはっきりとさせないまま、物語を完結させるというのは不可能でしょうか?

 また、可能だとしてもそういった作品は受け入れられないでしょうか?
 敵対するものをはっきりさせないだけで、テーマがないという訳ではありません。

 敵対させるものをはっきりとさせない作品の面白さはどこにあると思いますか?
 ちなみにジャンルは学園ものです。

 抽象的な質問で申し訳ないんですが、ご意見のほどをよろしくお願いします。


● 答え ●

んぼさんからの意見
 必須ではありません。
 別に、無くとも成立させることは可能です。


まーさんからの意見
 「感情」を例にあげているところから、
 どちらかというと「敵」というよりは「乗り越えるべき障害」であるとお見受けします。
 不可能、とは断言できませんが、難しい、と言わざるをえないと思います。

 物語のわかりやすいカタチとして、
 「何らかの問題が発生し、それを解決する」という展開があります。

 
 その「問題」と「解決」のカタチは様々ですが、
 殆ど全ての物語は何らかの形でこれに当てはまります。「怪物退治」然り、「恋愛」然り。
 起承転結と言われるように、面白い物語には「山場」「クライマックス」があった方がよいとされます。

 ただ何の障害もなく淡々と綴られる物語。
 あってはならない、とは思いませんが、それを「面白く」させるのは至難でしょう。



克さんからの意見
 いきなり例をあげて申し訳ないですが「半分の月がのぼる空」とかなら
 ヒロインは病気と敵対しているとか言えなくもないですけど、
 別に「病気は敵だ!!」と敵視しているわけではないですし
 「主人公⇔敵」の構図は成り立たないと思いますが?
 ただ、戦争とかだったら確実に敵は存在しますが(笑


Sierraさんからの意見
 こんばんは。投稿室に同じ読み方のHNの人がいて、ちょっとフクザツな気分のSierraです。
 作者の技量や考え次第ではないでしょうか?
 
 構成などほかの要素もそうですが、"敵対者の存在"というのは、
 長年の間に過去の先達たちが編み出した「面白いとされる手法」だと思います。


 実際それらの手法は結果を残していますし、神話の時代から現代まで受け継がれてきています。

 なので、定石を打ち破る際は、「なぜその手法がウケるか」などを分析した上で、
 破るようにすればいいかと思います。
 何も考えずにただ無視した場合、「メチャクチャだ」と片付けられてしまうと思うので。


 伝わったかどうか不安ですが……この辺で。


桜木谷さんからの意見
 なんでか天辺前に寝ると必ず夜中に起きて、それから眠れなくなります。桜木谷です。

 可能ではあるし、受け入れられないとも思いません。要するに全然ありだと思います。

 ただ、書き手の意思、というか表したいものは、
 もしかすると全く読み手に伝わらない危険性があります。


 「この主人公は要するに何と戦ってたわけ? テーマはわかったけど結局自己完結じゃない?」
 といわれないようにするには、ソリッドな構成が必須だとは思います。
 ではー


花菱 庵 さんからの意見
 初めまして、花菱と申します
 例えば、「六番目の小夜子」(恩田陸)という作品は学園世界そのものがテーマで、
 かつある種障害だったりしていました。
 の、ような気がします――昔読んだので記憶が曖昧で(笑)

 お考えになっているストーリーがどういうものかは想像つきませんが、
 主人公に何か目的があって、それが面白く描かれるなら、問題ないことなのだと思います。

 
 直接敵対するものと繋がらない面白さの焦点を考えるなら、
 生死、友情、恋愛、恐怖、謎、などがあるでしょうか……?

 もっとも敵対するものがあれば、
 比較的その焦点が見えやすかったりするということはあるのかも知れませんけれど。
 
 そして見えやすかったりするというのは、
 書き手の意図が読み手に伝わりやすいということかも知れませんね。

 
 伝わりやすければ、ライトな読み手には親切なのかもです。
 あくまで一面的な見方ですけれどね(笑)
 何かの参考になれば幸いです。
 ではー。


フライエさんからの意見
 先の意見はあくまで、敵対者がいないストーリーも「アリと言えばアリだ」と言うだけの事であって、
 それ自体が何か面白みを含むわけではありません。

 物語には抑揚、盛り上がりが必要で、それがないと読者は途中で飽きてしまいます。
 俗に言う、「ぐだぐだ」って言うやつです。
 敵対者の存在は、その盛り上がりをつける技法のひとつで、物語の絶対条件ではありません。


 つまり皆さんが言っている、敵対者を出さない場合に必要とされる「技量」というのは、
 敵のいない世界で、読者を惹きつけるような展開を生み出す技術のことです。
 物語は人と人との関わり合い。
 ということは、そこには絶対に感情と感情が触れ合うポイントが存在します。
 敵対するかしないかと言うのは、ここで生まれるのです。

 敵がいないということは、味方しかいない。
 それ以外の人間は、主人公と全くかかわりのない他人です。
 これらの登場も難しいでしょう。
 誰も反発しないのであれば、今度は協力しない人間が敵に見えてしまいます。
 集団意識と言うやつです。味方でないものを排除してしまう。
 つまり、自らすすんで敵対関係を生むのです。

 よって主人公がどんな行動をしても、どんな思想を語っても、誰も邪魔しないし、反発もしません。
 皆が賛同し、皆が主人公に協力します。
 ここにどんな展開を織り込みましょう。
 この展開が面白さの要素で、作者が一番考えなければならない重要なポイントです。

 ドラマ(盛り上がり)のない、ただ思想を垂れ流すだけの文章は、
 エンターテイメントではありません。


 少なくとも「ライトノベル」というジャンルに、そんなものを求める人間はいません。
 求めるなら、哲学書や学者のレポートでも読むでしょう。

よって結論です。
・「敵対させるものをはっきりとさせない作品」自体に面白さはない。
・この状況で面白さを付加するには、敵対関係以外の物語的展開を織り込まなければならない。
・盛り上がりのない作品はつまらない。


 これらを踏まえた上で、作品を考えるべきだと思います。

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