第4研究室 創作に関するQ&A 531P | トップへ戻る |
凱聖ゲルドリングさんからの質問
 ラノベ新人賞対策にはラノベだけ読むべき?
 
 先日、新人賞対策になるライトノベル新人賞受賞作を教えてください、という質問を投稿しました。
 ライトノベル受賞作の、いい点悪い点などを分析しようと考えたからです。
 その際、下記の意見をいただきました。

 『ただそれって、受験直前に受験以外の勉強をするような行為なのではないですかね』

 私は読むなり首を捻りました。
 なんかそれって、アニメを作るためにアニメしか見ない、という人と同じではないのか? と。
 富野由悠季さんはこうした人に『アニメばかり見てきた人の作品はつまらない』と、警笛を鳴らしています。

 アニメと小説という違いはありますし、富野さんへの反論もあると思います。
 しかし、少なくとも私は富野さんの考え方の根拠を知り、その意見に共感しました。

 以降、楽しむための読書でも、研究のための読書でも、
 ライトノベルと、それ以外の小説を読む割合は2:8ぐらいになっています。
(その他、映画や人付き合いについても考えを変えました)

 また、新人賞で重要視される斬新さという観点から考えても、
 他ジャンルを読むことは重要だと思っています。

 他ジャンルでの物語構成や感性をライトノベルへ埋め込むことで、
 斬新さを感じさせることができると考えているからです。

 私がミステリの新人賞を狙っているのなら、先の意見は理解できるのです。
 恋愛小説のいい点悪い点を分析したところで意味がないですから。

 しかし、ライトノベルの新人賞は、ジャンルを問わずというパターンをよく見かけます。
 ジャンルを問わずだからこそ、ライトノベル以外の小説を読むべきではないでしょうか?
 他のジャンルではありふれていても、ライトノベルでは斬新だ、
 ということになる可能性はあると思うからです。


 と、以上が私の意見です。
 しかし、ライトノベル新人賞対策にライトノベルだけを読め、
 という意見もまったく理解できないではありません。筋はとおっているからです。

 そこで、この問題について、皆さんの意見を聞かせてほしいです。
 よろしくお願いします。


●答え●

実央さんからの意見

 あたしも今新人賞を狙っているところなので、とりあえず自分のやっていることを答えます。

 それはズバリ「一度書き始めたらフィクションの類は何も読まない・見ない」です。

 物語を作る段階では、感性を身につけるためにさまざまな小説を読んだりするほか
 普段の授業や新聞などにもアンテナを広げてます。どこにヒントが隠れているかわかりませんから。

 けれど、一度プロットを組み立ててしまうと、
 自分のオリジナリティを守るために既存の作品を自分の中からシャットアウトして、
 今書いている小説に没頭してしまいます。

 まぁこれで賞取れるかどうかは分かりませんが(-_-;)。


REDさんからの意見

 凱聖ゲルドリングさん、こんにちわ。

>富野由悠季さんはこうした人に『アニメばかり見てきた人の作品はつまらない』と、警笛を鳴らしています。

 こういう意味でいうなら、「小説ばかり読んでいてもしかたない」と言えるのではないでしょうか。
 富野由悠季さんの場合、相当古い作品から一貫して仏教思想が強く影響しています。
 それが独特の雰囲気を出しているのかとおもいますが、
 これは仏教についての深い造詣があったればこそですよね。

 小説から得た知識ではけっして生まれてこないオリジナリティです。
 斬新さを狙うなら、小説の外まで考えたほうがよいでしょう。


 逆に王道をすこしいじった完成度の高い作品で勝負するなら、
 ラノベか、それに近い作品だけ読んでいたほうがいいかもしれません。

 わたしはマニアックな知識に触れるのが大好きなので、
 そっち方面を生かしてオリジナリティを入れようと考えていますが、正解はないんじゃないですかね。


みやびさんからの意見

 宮崎駿も同じような事を対談本で言っていましたね。
 「舗装された道しか歩いていないから、原っぱを歩くときにも同じように歩かせてしまう、
 本当はもっとでこぼこしているのに」
 確かそんな風なことが書かれていたように記憶しています。

 凱聖ゲルドリングさんの考えどおりでいいと思います。
 まあラノベって一言で言っても色々あるので、
 有名な作品をすべて読破している人って滅多にいないと思いますけどね。
 ぶっちゃけアニメといわず小説といわず、
 世の中の事を良く知っている人間ほど面白いものを作れる、ということではありませんかね。


世羅 悠一郎さんからの意見

 世羅 悠一郎です。

 新人賞対策ですか。
 確かに「傾向だけが知りたい」なら、他ジャンルを読む事は、特に必要ないと思います。
 しかし、それは単に「傾向を知るためには」というだけの問題です。
 文章を書くための下地を作るためには、多くのものに触れなければなりません。

 実際に、方々のコミュニティでライトノベル作家である事を自称される方は、
 (裏は取れていないのでこういう言い方になります、失礼)

 「ライトノベルだけ読んでいると、視野が狭まり、弱点が露呈しやすくなる」と一様に告げます。

 確かに、その世界の事しか見ないのだから、それも当然と思います。
 この発言は、富野監督のお話でも裏付けられるかと。

 どんなジャンルであれ、作家たらんとするならば、多くの知識が必要になります。
 それに際して、わざわざ自らを狭める行為は愚行以外の何者でもないと考えます。
 多くの情報を収集し、生かそうと努力する事に対して、悪い事はないと思いますよ。


詩人さんからの意見

 受験なんてのは限定された知識のみを問われるのですから、受験勉強だけしてればいいわけです。
 だからラノベの新人賞対策に受験の例を持ち出す時点で見当違いです。
 
 ラノベ作家を目指すのにラノベだけ読んでいればいいなんて阿呆な事あるわけないです。
 常識的に考えればわかるはずです。
 あなたも仮にも作家を目指しているのですから、
 その意見が傾聴に値するかどうかくらい自分で精査する目を養いましょう。
 ただ今回の意見はハッキリ「見当違い」だと言っておきましょう。



飛車丸さんからの意見

 別にラノベだけ読めと言ったわけではないんですが、少々誤解があったようです。

 要するに、ラノベに割く時間をとれないからと、時間がない、金がない、他ジャンルも読みたい、
 などと言い訳するのはやめましょう。

 言いたかったのは、ただそれだけの話です。
 他ジャンルを読むことは大事ですが、それを言い訳にして実際の対策を疎かにしていては、
 せっかくの努力も無駄になってしまいますから。


まいちんさんからの意見

 こんにちは、凱聖ゲルドリング さん。まいちんです。

 既存のライトノベルと同じ枠組みの中で、同じ法則や約束事を踏襲した作品を書いていくなら、
 ライトノベルだけを読むのは効率がいい方法だと思います。

 しかし新人賞の募集であちこちの出版社が「今までにない作品を」
 と言い続けている状況から考えるに、上に書いたような作品では受賞は厳しいのではないでしょうか。
 や、もちろん、ライトノベルの読者層にアプローチする最低限の手法ぐらいは学んでおくべきだろうし、
 そのために既存のライトノベルを教材とするのはわりと効率のいい方法だと思われるので、
 読んだら読んだ分だけ得をする可能性はありますが。
(もちろん、既存のライトノベルになど頼らずに自分でアプローチの方法を編み出すのもアリですが、
 それは車輪の再発明ではないかと思います)

> 『ただそれって、受験直前に受験以外の勉強をするような行為なのではないですかね』

 受験は、教科書に書いてある「唯一の正しい答え」を求められるから、
 教科書だけ読んでいればいいのです。

 新人賞は「既存のものとは違うモノ」を求められている(らしい)のですから、
 既存のものとそれ以外のものの両方をまんべんなく読むのが最善ではないかと、私は思います。


 最後にひとつ。
 前に立てたスレッドのやり取りも見たのですが
 
 「多くのライトノベルも読むべきだ」という意見には賛成です。

 ライトノベルを少ししか読んでいない自分は斬新だと思ったアイデアが、
 実はすでに使い古されたものだったために新人賞に落選して一年棒に振った、
 なんてことになったら目も当てられませんし。

 本を買うお金がないなら、せめて話題作の概要だけでも
 公式サイトとWikipediaなどで確認しておいた方がいいんじゃないかと思うのです。

 以上、差し出がましいことも言いましたが、参考になれば幸いですー。


みつきさんからの意見

 凱聖ゲルドリングさま、こんにちは。

 時間もない暇もない金もない、自分は就職活動中でとっても忙しい。
 それでもラノベの新人賞を狙ってる。
 けれどもラノベの新人賞受賞作品全部に目を通す暇も金もない。
 そもそも、ラノベの新人賞受賞作品すべてに目を通すことの意味が分からない。
 でも、忙しくて暇がなくてお金もないさなか、
 ラノベ以外の新人賞受賞作品を読む時間は取るつもりでいる。

 ……うーん、かなり優先順位が間違っているような……(笑)。
 富野監督のお言葉は異論なくその通りだと思います。
 でも、本当に時間もお金も限られている中で、
 本気で新人賞獲得を目指しているというのなら、物事には優先順位を付けないと。
 
 その中で、『ここ3〜5年ほどのラノベの新人賞受賞作品すべてに目を通す』ということが
 優先順位の下位どころかランク外に来るとなると、
 「まあ本気ではないんだろうな。忙しい忙しいと言いながら、
 就職活動の合い間の暇つぶし代わりに現実逃避してるだけか。悠長なこって」
 としか思われないのが関の山、ですね。

 それではこれにて。


2Tさんからの意見

 こんばんは、2Tと申します。
 知り合いに掲示板ではハンドルを使え(命令形)と言われました。PNは封印か・・・

   ***

 さて。読んでいて、ふと思ったのですが。

 「新人賞対策」と「ライトノベルを書くため」の勉強は、別に考えるべきではないかな、と思います。
 「新人賞対策」っていうと、普通はカテエラの調査とか、どんなものが受賞してるかってことで、
 ラノベを書くための勉強とはまた別なのですよ。


 少なくとも、私は別のものと捉えていますから、そのように答えてしまうと思います。

   ***

 まず、後者、「ライトノベルの勉強」について。
 こちらは仰る通りだと思います。というか、誰も否定するわけない、ごくごく一般的な意見です。
 多分、違和感を得たという意見も単なる勘違いでは?
 あくまで前者、「新人賞対策」についての意見ではないかと思います。

   ***

 で、前者、「新人賞対策」についてですが、質問の仕方が少しおかしいかな、と思います。
 と言いますか、新人賞作品で面白いものを聞いても、あまり意味がない。
 例に挙げられているものを見ても、正直、つまらないと思うものもありましたしね。

(というか、現状読んでいらっしゃるもののなかに、
 電撃大賞、魔の十二回作品が二冊も含まれているって一体・・・
 時間がないから長く続くシリーズものをパスしたからでしょうか。
 電撃で出てるもので一〜三冊程度で終わっているものは、
 ミミズクなど、話の性質上先につづけられなかった例外以外は、売れなかったものです。
 ただ、オリジナリティはあったのでしょう。
 でも、そのオリジナリティでは売れなかったわけで、それを参考にして何かを書いても、
 ちょっと取りそうにない気がしますが。あくまで私個人の感想ですが。

 ちなみにシリーズとしてその後に続いていても、一冊で基本は完結しているので、
 一冊だけ読む分には安心です。新人賞作品なら、それはどれも同じです。

 さて。「新人賞対策」は、カテゴリーエラーの把握、どのようなものが受けるのか、
 というサーチ以上の意味はありません。


 ライトノベル新人賞全般に言える必須事項なんて、
 そのジャンルでのレベルが高いこと、一か所以上の新しさ、くらいしかないですから。
 それ以外、ライトノベル自体の勉強なら新人賞受賞作品にこだわる必要はないし、
 確かにライトノベルだけにこだわることもないと思います。
 ただ、読まないというのは行き過ぎですけれどね。
 そのアニメ監督、アニメを大量に見たうえで、別のものを見ろよって言ってるんでしょうし。

 また、ついでに書いておくと、ライトノベル自体の勉強のためなら、
 面白いものを聞くのではなく、参考になるもの。
 加えて、その参考になった点を聞く方が良いと思います。
(たとえば、「お留守バンシー」は、簡単な文体での文章力があると、
 某所で話をされていることがありました。面白さはともかく、と)
 似たような質問はこの掲示板でも検索すれば出てくるのではないかな。

   ***

 もしも時間がなくて、手っ取り早く「新人賞対策」が知りたいなら、
 尋ねるべきはレーベルカラーではないかと考えます。


 レーベルカラーは、その人の印象であって絶対の答えはないので、どう思いますか? 
 程度の質問になるのかな。
 加えて、その典型的な作品と、例外となる新人賞受賞作品もついでに募集しておけば、
 自分の目で最低限確認することもできるのではないでしょうか?
 
 あとは、アンケートに近いので、他の人の意見を見ないで答えるという条件で、
 意見を求めた方がよさそうかな。
 そんなところです。

   ***

 ここまで全て個人的な戯言ですが、何か役に立てば幸いです。


ばみさんからの意見

 こんにちは、お初にお目にかかります、ばみです。以後お見知りおきを。

 さてラノベ新人賞対策にはラノベだけ読むべきか、とのことですが。
 んーとですね、非常に言いにくいのですが、凱聖ゲルドリング様の主張は一貫性がない……
 と言うか、論点がブレているのですよ。

1.ライトノベル新人賞対策
2.新人賞に受賞できるライトノベルを書く

 凱聖ゲルドリング様の主張はこの2点だと思いますが、これは全く別の問題です。
 ですからこの2点について別々に回答をさせていただきます。


1.ライトノベル新人賞対策
 ライトノベルを読んで下さい。むしろ読まなくてどうするんですか。
 新人賞対策というのは、レーベルの傾向を知り、
 大きな流れに乗りつつ小さな流れには乗らないように、ということなんですよ。


 ジャンル問わずと書いてあっても、レーベルが欲しい傾向というのは確実に存在します。
 だからこその対策です。
 なので始めにまずどこのレーベルに送りたいのかを決める。
 次はそのレーベルの作品を全部読む。
 できなければそのレーベルの看板作品と、ここ3年くらいの受賞作と新シリーズを全部読む。
 ここまでしてようやく対策と言えますが、これであくまで最低ラインです。
 正直、受賞作をただ漠然と集める程度で対策と軽々しく口にして欲しくはありません。

 それと「レーベルの作品を全部読むと書いてるけどお前にはできるのか」と疑問に思うことを予想して。
 私は実践しています。どことは言いませんが、とあるレーベルの文庫は全部所有し、
 その全てに目を通しました。もちろん廃刊にはなっていないので現在も継続中です。

 その上で自分の作風には合っていないという状況ではありますが、
 それでも私はそこでデビューしたいので送り続けるでしょう。


2.新人賞に受賞できるライトノベルを書く

 富野由悠季氏の言葉はこちらですね。
 私としては「何を見てきたか」よりも、「触れたものから何を吸収するか」を重視しているので、
 「ライトノベルだけでもいいんじゃないでしょうか」と答えましょうか。

 別に本を読まなくとも、日常生活で見たもの、聞いたもの、触れたもの、感じたもの、
 その全てが物語の欠片になり得ますから。
 どのみち、生まれてこの方ライトノベルしか読んでこなかった、なんて人間はいないでしょうし。
 そんな人の書く作品があるならそれはそれで読んでみたいですし。と、話がそれましたね。

 かくいう私も、ライトノベルとその他の小説で分けると7:3と、ライトノベルにかなり偏ってるわけで。
 と言ってもまあ年間千冊は読んでいるので1日1冊はその他の小説を読んでいますし、
 資料を含めると比率はかなり変わるのですが。

 ちなみに私がライトノベルを多く読むのは、浅く広く知識を得る最適の手段だと思っているからです。
 例えそれがほんの欠片程度だろうと、全く知らないことと比べれば天と地の差ですから。
 そこから調べたければ専門書を読み漁ります。

 ということで、おそらく凱聖ゲルドリング様は2の方を、
 飛車丸様は1の方を新人賞対策とおっしゃっているのだと思うので、
 首をひねっている原因はただの認識の相違かと。

 読み返してみると若干、言葉足らずなところがあるような気がしますが、参考になれば幸いです。
 それでは。

【追記】
 リロードしてなかったせいで内容が2T様とかぶりました……


咲(さく)さんからの意見

 おはようございます、咲(さく)です。
 まず、新人賞の傾向を知りたいのでしたら、3〜5年分に目を通すのは必須です。

>他のジャンルではありふれていても、ライトノベルでは斬新だ、ということになる可能性はある

 ライトノベルをたくさん読んでもいないのに、
 『これは斬新だ』なんて検証ができるはずもありません。
 たとえ斬新さがあったとしましょう。
 しかしその『斬新さ』とやらがライトノベルで通用するのか。
 単にカテゴリーエラーと言われておしまいじゃないのか、
 その検証をするのにもまた、たくさんのラノベの知識が必要です。

 それでは、お時間がない中ここまで読んでいただきどうもすみません。
 駄文・乱文、失礼します。


鳳翼天翔さんからの意見

 ラノベ知識しかないことがモロバレの作品など読む気も起きませんなあ。底が浅すぎるんですな。
 バスタード読んでキリスト教語るバカを何度も見ましたがね。ああはなりたくないですな。

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