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  4. Kindleでの編集者を通しての電子書籍出版体験公開日:2013/02/20

Kindleでの編集者を通しての小説、電子書籍出版体験

 三田 竜獅さんの体験談 2013年02月20日

 私、小説家の三田 竜獅と申します。
 この度、Kindleにて私の書いた小説が出版されました。
 小説のタイトルは『レジェンド ジョン 1 コード:ヴォーパルディフィート』 です。
 2月14日からAmazonで販売しており、現在、2月28日までの期間限定価格99円で販売しております。

「きんどるどうでしょう?」での特集記事
 サイトの中心あたりに記事があります。

 小説家になるのに10年くらいかかりましたw
 いやはや……長い旅路でござったよ (ヽ'ω`)

● 質問 ●
 Kindleで小説を出された方は、知り合いで初めてなので、とても興味があります。
 もしよろしければ、Kindleで電子書籍を出された経緯、やり方、また結果などを、教えていただけないでしょうか?
 絵師さんと交渉したり、「きんどるどうでしょう?」といったの宣伝媒体に載せてもらう方法など、教えていただきたいところです。

三田 竜獅さんの返信2013/02/20

 もちろんOKです!

 2010年にmixiで小説を書いていたところ、愛読されていた方が――
「一緒に作っていきませんか?」
 ――と、お仕事の依頼をくださったのです。
 常日頃から、応援して頂いているファンからのご依頼に、私はすぐ「喜んで!」と依頼を引き受けました。
 そこから計画はスタートし、Kindle版『レジェンド ジョン 1 コード:ヴォーパルディフィート』の開発へと繋がりました。

 あと電子書籍のプログラミング関連は、編集者の方が行われたので分からないです。(;´∀`)

 一つ言えることは、Kindle版作成におけるプログラミングは、編集者の方が尽力し、苦難の末に完成した賜物ということです。
 何度も暗礁に乗り上げたのを、信念と情熱で克服していったのには、ただただ感服し、脱帽する他ありません。
 彼がいてくれたからこそ、この小説は完成したのです。

>絵師さんと交渉したり、「きんどるどうでしょう?」といったの宣伝媒体に載せてもらう方法など、教えていただきたいところです。

 絵師さんとの交渉は、主に編集者の方が行われました。
 私が関与した部分と言えば……
 交渉のする絵師のリストを提示され、その中で昔から好きだったイラストレーター、卵の黄身先生の名前があったので、「是非とも卵の黄身先生でお願いします!」と編集者の方にお願いした。――くらいですねw
 そして卵の黄身先生がお仕事を快く引き受けてくださり、今に至ります。

 その後は、表紙、挿絵などでイラスト化するキャラを選抜。
 卵の黄身先生がラフを上げ、私と編集者で話し合い、修正要望をまとめた後。
 再度、卵の黄身先生がイラストのブラシュアップを行い、完成稿へと近づけていく。
 というスタンスで行きました。

 「きんどるどうでしょう?」で宣伝されたのは、とてもびっくりしました。
 商品がアップされて一日も経たないうちに、Twitterで「小説を紹介しました!」との報告を頂いたのです。
 紹介されたという嬉しさと同時に、情報化社会における情報伝達の浸透性、その加速する速さを改めて実感し、驚きました。

 また、紹介文を読んだところ、自分の書いた小説の新たな側面を見ることができ、貴重な体験に目からウロコでした。

● 質問 ●
 どうもお返事ありがとうございます。
 できれば、もう少し詳しくお話を聞きたいので、質問させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?

 Kindleの電子書籍出版は去年の10月末に始まったばかりですが、すでにKindleで電子書籍を作成、編集する出版社、編集者が存在しており、彼らが有望な著者をネット上で捜して執筆依頼をしているということでしょうか?
 おそらく、Amazon、出版社、著者の取り分がわかれていると思われます。Kindleは誰でも本が出版できるという謳い文句でスタートしましたが、自分一人で作るより、編集者と組んだ方が、良い本ができるでしょうか?
 もしよろしければ、三田さんが提携された電子書籍出版社がどこなのかも教えていただけるとありがたいです。
(こちらは、もし不都合があれば、名前は公開しません)

三田 竜獅さんの返信2013/02/20

 電子書籍の出版社は『GENEBOOKS』
 編集者は中谷元です。

 編集者の中谷氏曰く、
『ネット上に普通に載っているGENEBOOKS関連の情報は実名とかそういうのも含め、開示しても構わない。
 ネットに載せてる=誰にでも開示OKと基本思っています』
――とのこと。てなわけで公開OKです!ヾ(o´∀`o)ノ

>Kindleの電子書籍出版は去年の10月末に始まったばかりですが、すでにKindleで電子書籍を作成、編集する出版社、編集者が存在しており、彼らが有望な著者をネット上で捜して執筆依頼をしているということでしょうか?

 GENEBOOKSはKindle専門ではなく、様々な媒体で商品展開しているレーベルです。他の電子書籍における出版社や編集者の動向は、残念ながら把握してないです。
 ただKindleに限らず、電子書籍を出版している会社、編集者の中には、そういう方もいると私は思います。

 pixivでイラストレーターを探すように、小説投稿サイトで人気作品を読み、それを編集社の方が目を通してスカウト。ネット媒体から出版し、果てはメディアに――というスタイルは、電子書籍に限らず、もっと増えていくでしょう。

 それと、私のデビューに関してなのですが。
 これは異例中の異例で、愛読していた読者が感銘を受け、小さいながらも出版社を立ちあげて読者が編集者になるという、稀なケースです。

 現在編集者を行なっている中谷氏は、もともとは純粋な読者であり、出版や編集経験はまったくありません。
 ですが元読者であるがゆえに、作者の癖や表現・比喩を熟知しており、既存の編集者が見落としがちなことに気づく、新鮮な目を持っております。

 さらに、電子書籍は紙媒体と比べて低コストであり、小人数でも商品開発が可能という利点。これらの要素が重なった結果として、私は小説家としてデビューできたと感じております。

>おそらく、Amazon、出版社、著者の取り分がわかれていると思われます。

 Amazon3割、会社3割、作家4割です。
 この割合で固定されているわけではありません。
 これは『GENEBOOKS』内での話ですが、将来的には作家さんに有利な割合にしたい――という言葉を頂きました。
 現在の割合は、上記の通りです。

>Kindleは誰でも本が出版できるという謳い文句でスタートしましたが、自分一人で作るより、編集者と組んだ方が、良い本ができるでしょうか?

 編集者と組んだほうがいい本が書けると私は思います。
 私は編集者と一緒に仕事をする上で、それを如実に感じました。
 読者の視点に立てる編集者の意見は、小説家にとって暗中の羅針盤であり、貴重な存在です。

 作品のよさを引き出すのは、編集者の手腕にかかっていると言っても、過言ではありません。

●先の問いの中で、『結果』に関してお話していなかったので、ここで返答したいと思います。
 肝心の結果なのですが……

 まず編集の中谷氏によると、
「顧客の反応が鈍い」
「『知らないものは探さない』のだから、良い作品を作る努力と同時に、それ以上に知ってもらう努力をしなければいけない。結果は、成功にはまだまだ遠い」
 という見解です。

 出版したからといって、そう容易く左うちわというわけにはいかない。
 それどころか、市場動向はとりわけ厳しいというのが現状です。

 ですが、小説家志望の方々がデビューするための緒が広がったというのは、とてもいい調光だと思います。
 紙媒体の出版業界で弾かれるものも、電子書籍で出版できますからね!(≧∇≦)/

 電子書籍における課題は山積みですが、裏を返せばブルーオーシャンであり、拡張性が高いことを意味しています。
 既存のライトノベルにないものを打ち出し、新規客層へ楽しさや満足をお届けできれば、紙媒体に引けをとらないジャンルになるでしょう。

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