ライトノベル作法研究所
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  4. 売れるライトノベルは何が違うのか?公開日:2013/07/24

売れるライトノベルは何が違うのか?

  elaさんの質問 2013年07月14日

 売れる作品とそうでないものとの差異。
 このテーマはラノベを扱う際、避けて通ることはできないトピックです。
 ヒットするか否か。それは単なる偶然に過ぎないのでしょうか?

●答え●

一方通行さんの意見2013/07/14

 読者の嗜好と作品のベクトルが一致すれば売れそうですよね。

 ただ、それは(一番心得ているはずの)編集者にも捉えきれていないでしょう。
 まあ理想を言えば新たな嗜好ベクトルを生み出すような作品を創作できるのが一番なのですが……

かがみさんの意見2013/07/14

 CDでも洗剤でもそうですけど、普段あまり買わない人に買ってもらうこと。
 目を惹くキャッチーさと期待を裏切らない最低限の品質。

 ラノベで言えば、普段本を読まない中高生に糞作品だと思われなければそれでいいんじゃないかなあと。例を挙げれば、山田悠介さんとか(ラノベじゃないですけど)

smanさんの意見2013/07/22

 身も蓋もないことを言ってしまえば、どれだけ広報に力を入れたか、が全てです。

 売り上げと作品の良し悪しは別の話。
 ようするに、商品と作品は別物よ。ってことです。
 そういう意味では、確かに避けられないトピックスかもしれないけど我々にはどうすることもできない部分でもあったりする。
 もちろん、ある程度は作者から行動起こせるけど、それもまた「作品」とは別の事だよね。

 漫画でも小説でも、「なんでこんなのが人気なの?」とか「コレって本当に雑誌に載せられるレベルか?」って疑問に思ったことありませんか?
 それは作者の営業努力によるもので、つまり作品とは何の関係もない部分ですよね。
 そういう4コマ漫画が間違って京都アニメーションなんかでアニメ化されるといきなりヒット作品。ファンがいたら申し訳ない例え話だけれども。あくまで例えね。

 ぶっちゃけ流行なんてものは企業が作るもので、我々の作品はそれに利用されているだけ。
 ……なんてのは言葉が悪いけどもさ。
 でも、だから逆に考えれば作家から出来るヒット作の要素はただの一つに集約できて、それは「企業が売りやすい商品」ということ。

 「魔術と科学が交差するとき――」なんてわかりやすいキャッチコピーがあったり、メディアミックスしやすかったり、スピンオフしやすかったり。
 シリアスすぎない一般向けの内容であったり、あざといくらいに美少女がいっぱい出てきたり。

 ぶっちゃけラノベの美少女って表紙やポスターを飾る広報担当だよね。

 昔から戦闘モノが多いのもゲーム化しやすいからだと思うし、RPGが流行ってた頃はファンタジーモノが主流で、アクションや格闘が流行ってくれば能力バトルが主流になり、AVGがエロゲだけじゃなく一般ゲーム機にも出てくれば恋愛や学園コメディが流行りだす。
 まあ、ゲームが先か原作が先かは、詳しく調べてないからわからないけども。そんな流れはあったよね、という話。

 あとは、そういう話以外で、作者が作品に対してできる商品としての価値で言うと、「筆が早いこと」じゃないかな、と私は思っています。

美雪さんの意見2013/07/23

 こんにちは。
 美雪と申します。

> 身も蓋もないことを言ってしまえば、どれだけ広報に力を入れたか、が全てです。

 個人的にはそうは思いません。
 私は『良い商品』=『良い作品』と考えます。
 私の友人で、まだ入社して2年目の下っ端ですが、出版業界に入った人がいます。以下、その友人との話であった内容をまとめました。
(ライトノベルや漫画関係ではなく、たしかファッション誌関係だったかなと思いますが)

出版社=売れるものを出版したい
売れるもの=客が買ってくれるもの
客が買ってくれるもの=面白い(面白そうな)もの

 そして、出版社はこの『面白い(面白そうな)もの』と判断できるもの(出版社は客と違い、内容を完全に把握しているため)に力を入れて宣伝します。
(雑誌などで、広告費をもらっているものはまた別ですが)
 上に書いた、その友人が言っていたのは、

 目先の一冊だけなどなら宣伝で客を騙して買わせればいいけれど、月刊で出版しているようなものであれば、真に客が満足を得ることができる(面白い)ものでなければ、すぐに見放されてしまう。
 だから、過大な宣伝で騙すようなことはできない。

 とのことでした。

 彼女はファッション誌のことを話していましたが、これはライトノベルレーベルにもいえることだと思います。
 面白くないものを宣伝するレーベルは愛想をつかされ、今後の作品や売れ行きに悪い影響がでます。
 反対に、出版社が読者のニーズを研究した結果、売れると考えるものを宣伝し、その宣伝に誘われ商品を購入した結果、その商品が面白ければ、その出版社のイメージは良くなるでしょう。
 これは出版社(ライトノベルレーベル)も分かりきっていることです。
 面白くないもの(売れないもの、または一時的な売り上げにしかつながらないものも含む)を宣伝する意味がないと思います。

 つまり、もう今月で廃刊が決まっているレーベルなどでなければ、今後の戦略も考え、出版社(レーベル)が売れる(上の図式で言えば『客に満足を与えられる』)と判断したものを宣伝します。

 また、これはファッション誌やライトノベルなど書籍関係に限ったことではなく、例えば、車や携帯電話・スマホ、電化製品などもそうだと思います。
 以前使用して好感触だったメーカーのものなどは、また何かを購入する際には真っ先に頭に浮かぶと思います。
 反対に「○○社至上、最高の××」などと大きな宣伝をしておいて、買ってみた結果が「……」だと、もうそこの商品に対する信頼は落ちますね。
 「これが○○社至上最高なのか……」と。

 つまりは、商品を売るということは、それ相応の反動(?)があるということだと思います。
 それが良い方向にしろ、悪い方向にしろ。
 また、それは宣伝など扱いの規模にも比例するといった感じでしょう。

> 漫画でも小説でも、「なんでこんなのが人気なの?」とか「コレって本当に雑誌に載せられるレベルか?」って疑問に思ったことありませんか?

 なので、前述したように、こういったものは見放されます。
 実際、私は少し前まではジャ○プやマガ○ンを購読していましたが、今の作品の状況から、「こんな作品しか出てこない少年誌になったか……」と、もう読んでいません。
 今私が購読しているのは、大手週間少年誌ではサ○デーだけになってしまいました。
(稀な良き作品に出会える可能性もあるので、友人やネットから情報は集めていますけど)

> それは作者の営業努力によるもので、つまり作品とは何の関係もない部分ですよね。

 作者に営業などはないと思います。
 少なくとも、週間少年ジャン○においては、『マンガ脳の鍛えかた 週刊少年ジャンプ40周年記念出版』 を見る限り、そのように書いてありました。

 また、営業という点では(本来、多くは逆パターンですが)出版社側からメディアミックスなどの営業をかけるにしても、面白くない(=客のニーズに沿わない)ものを営業できるわけがないと思います。
 面白い!これは客のニーズに合致する!と考えたものでなければ、そんな大きな勝負はできないでしょう。

> でも、だから逆に考えれば作家から出来るヒット作の要素はただの一つに集約できて、それは「企業が売りやすい商品」ということ。

 上にも書いたとおり、『企業が売りやすい商品』という考えで売るのは企業にとってのデメリットだと思います。
 まだ、出版業界2年目の下っ端が上司から教わったことを元に考えると。
 そういったことは、よっぽどスポンサーなどが絡まない限りは、一ライトノベル作品だけでは。
 作家ができることは、読者のニーズにそった面白い作品(それはつまり出版社としても価値のある商品)を書くことではないでしょうか。

> 「魔術と科学が交差するとき――」なんてわかりやすいキャッチコピーがあったり、メディアミックスしやすかったり、スピンオフしやすかったり。
> シリアスすぎない一般向けの内容であったり、あざといくらいに美少女がいっぱい出てきたり。

 それは、『読者のニーズ』であり、求められているものということでしょう。
 そして、『読者のニーズ』に沿うものは売れる。
 だから、宣伝に力を入れる。
 ということだと思います。

 乱文を長々と書いてしまい申し訳ありません。
 あまりに長々と書いてしまい、ちょっと自分でも混乱しています(爆)
 一応、見直しはしたのですが、時間があるときにちょくちょく修正、もしくは削除するかもしれません(汗)
 多々意見はあると思いますが、交流用掲示板なので、一交流として意見交換ができたら有意義だなと思い、書かせてもらいました。
 sman様の意見を否定する気は一切ありません。
 あくまでも、私、美雪の意見です。

smanさんの意見2013/07/23

 確かに、私も「なんで私の作品の良さがわからないんだ!」ってほどのモノを書いたことないので、営業が全てだよ、と達観するのは言いすぎかもしれません。

 本として出版できるかもあやしい私のような作者と、ヒット作を連発するような作者で比べる場合、「良いものが売れるに決まってるだろ」と私も思います。
 いくら宣伝しまくったところで、駄作のほうがヒットするわけもないでしょう。
 ただ、スレの主旨は「同じくらい面白い作品が二つあったとして、商品として売れる違いは何か」という意味なのかな、と勝手に解釈していました。
 なので、面白い作品であることは前提条件として考えていました。ならそれを書けって話ですよね。すみません。

 私の友人にも出版関係の人がいまして、「ネット(投稿サイト以外)にけっこう面白い小説とかあるけど、ああいうのどう思う?」と聞いたところ、彼曰く、「あれは超もったいない」だそうです。
 だからってスカウトして発行なんて流れにはならないので、最初から投稿用に書いてくれよと嘆いてました。そうすりゃ俺が売りだしてやるよと言ってましたが、彼も下っ端なのでどこまで本気なのやら。

>> それは作者の営業努力によるもので、つまり作品とは何の関係もない部分ですよね。
>作者に営業などはないと思います。

 ありますが、会社などで言うような「営業」ではありませんね。
 作家の営業は言ってしまえば人脈作りみたいなものです。文芸作家にはサイン会みたいのとか雑誌インタビューとかいろいろあるようだけど、ラノベ作家はどうなんでしょうかね。週刊漫画家は営業なんぞする暇はないでしょうけれどw

 ただ、ラノベ作家の場合これを怠ると数年で1シリーズ書いて消える作家になってしまったりしますので案外重要です。
 売れない作品しか書けなくても、他レーベルに知り合いがいれば移籍してラストチャンスがもらえたりするし、ノベライズの話がもらえたりするし。
 読者に対する営業ではなく、出版社や編集さんに対する営業です。

 それと一つ。話題が変わってしまいますが。

>実際、私は少し前まではジャ○プやマガ○ンを購読していましたが、今の作品の状況から、「こんな作品しか出てこない少年誌になったか……」と、もう読んでいません。

 まあ、私も最近の週刊漫画はイマイチだと、サンデーくらいしか読むのないなと思ってはいるのですが、しかしジャンプは人気ある……
 ひょっとして私は子供の感性が理解できなくなってきているのか、中学高校生向けの小説を書いていながら、そんな私が読者の感性を理解できなくなっているのかと思いまして。

 ジャンプもマガジンもサンデーも、一応「少年」漫画ですからね。少年の感性に合わせた漫画雑誌なわけです。
 ということは、本当に面白く無いのであれば、美雪さんの論で言えばガタっと売り上げが落ちてるハズなんですよ、特にジャンプのつまらなさは。
 でも、マガジンとサンデーの売り上げを足してもジャンプに届かないくらいの差があるわけで……、とすると少年の感性では面白いということ。

 これは、少年の頃不味いと思っていたアサリの味噌汁が大人になってから美味く感じるのと同じように私の趣味趣向や創作の感性が変わってきているのではないか。
 そして、それはラノベ作家(見習い)としてマズいのでは……。
 と、そんなわけで、私はつまらないと思いつつも面白さを探して毎週読んでいたり。
 ゲームとかでもあるんですよね、ファンだったシリーズの新作をプレイしたら「もうついていけない」と感じることが。

美雪さんの意見2013/07/23

 今、出先から帰ってきて私自身の書き込みを見て「挑発的な書き方しちゃったかなぁ><」と思っていたのですが、丁寧な返信くださりありがとうございます。

> ただ、スレの主旨は「同じくらい面白い作品が二つあったとして、商品として売れる違いは何か」という意味なのかな、と勝手に解釈していました。

 すみません。私はそう捉えていませんでした、汗。

> なので、面白い作品であることは前提条件として考えていました。ならそれを書けって話ですよね。すみません。

(少し本題と外れてしまいますが……)
 個人として一作品を面白い、面白くない、を判断することは容易に?できますが、所謂世間一般に面白い作品か否かを判断することは、購入者全数調査をすることはできませんし、だからと言ってネットの感想などは極一部に過ぎず、統計的に有意と考えることができるほどの数もないので、私は

『売れた=(世間一般に)面白い作品・良作・名作』

 などと考えるようにしています。
 客観的に判断できる材料が売り上げくらいしかないと思いますので。
 まぁ、これは結果論になってしまいますが。

> 私の友人にも出版関係の人がいまして、「ネット(投稿サイト以外)にけっこう面白い小説とかあるけど、ああいうのどう思う?」と聞いたところ、彼曰く、「あれは超もったいない」だそうです。

 出版関係?ライトノベルや漫画などのサブカル関係の編集者などとお知り合いだということなら、羨ましい限りです><
 私は小説家やイラストレーター、漫画家などプロの創作者である友人は数名いますが、サブカル関係の編集者の友人はいないので……
(先ほど例に挙げた、ファッション誌の編集者くらいですね)

> これは、少年の頃不味いと思っていたアサリの味噌汁が大人になってから美味く感じるのと同じように私の趣味趣向や創作の感性が変わってきているのではないか。
> そして、それはラノベ作家(見習い)としてマズいのでは……。

 おっしゃりたいその感性については分かる気がします。

 私自身、正直なことを言ってしまえば、今のジャンプは面白くありません。
 しかし、週間少年誌の売り上げを見る限り、sman様がおっしゃるように、断然トップであるのも事実です。
 この場合、私は自身が少数派の感性であると考えます。
 少なくとも週間少年誌に関しては。

 ただ、私の場合、今は漫画投稿はしておらず(恥ずかしながら、少し前まではしていました)、現在は小説(主にライトノベル)を書いているので、対象の感性を参考にするなどという点においては、漫画よりも、今創作している媒体そのものを主に参考にしています。
 もちろん、漫画もライトノベルと対象がかなり被っているとは思うので、軽視してはいけないとは思っていますが。

 やはり、プロットはありえど、媒体が異なると表現方法も異なってきますし、その表現の好み、それに惹かれる感性などが違う部分もまた大きいと考えていますので。
 統計を取ったわけではないので、絶対的なことは言えませんが、
 私の友人、また大学の後輩などでは、「漫画は読んでもライトノベルは読まないという人」反対に「ライトノベルは読んでも漫画はあまり読まないという人」も多々いるので。
 しかし、視野が狭くならないようには気をつけたいと思っています。

トータスさんの意見2013/07/14

 どれだけ自分の世界に引き摺り込めるか。
 一つの世界観・人間観に溺れさせ、漬け込み、酔わせる事が出来れば、かなりの確率でヒットするかと思われます。

 要は、その作者の感性と描く世界に酔わせる事。
 酔わせられるほどの世界であれば、ヒットする事になるかと思われます。
 それが出来れば、偶然は必然に、必然から当然の事になるのでは?

 私はこの様に考えてみたので、その様にお返します。

revealsさんの意見2013/07/23

 ここまでひと通り読んで意見させて頂きます。
 まず最初にsmanさんの意見は半分正しいけど半分間違っています。
 仮に同じくらい面白い作品が二つ有ったとして片方のみ宣伝したとしても宣伝したほうが売れるという保証はありません。
 宣伝量で比較するならば同じ作品を宣伝したか否かで比べるべきです。

 なので宣伝すれば売れる可能性が上がる程度の認識が正しいかと思います。

> 漫画でも小説でも、「なんでこんなのが人気なの?」とか「コレって本当に雑誌に載せられるレベルか?」って疑問に思ったことありませんか?
> それは作者の営業努力によるもので、つまり作品とは何の関係もない部分ですよね。

 この件に関しては「作者」ではなく「編集者」が正しいかと思います。
 事実編集者によってジャンプならば連載会議に上げる作品のレベルも好みも変わるのは事実だと思います。
 人気に関しては周囲に影響される部分、宣伝による部分などはあります。
 しかし「人気作」となっている場合とんでもない駄作は少ないかと思います。
 小説なら文はダメでもキャラが良い。漫画ならストーリーはダメでも絵がうまいなど全体で見ると酷い作品でもですね。

> ということは、本当に面白く無いのであれば、美雪さんの論で言えばガタっと売り上げが落ちてるハズなんですよ、特にジャンプのつまらなさは。

 この件についてもネームバリューというものがあります。

 機能性が悪く見た目もそれほどよくなくてもシャネルならヴィトンなら売れます。
 ジャンプだから定期的に購読する。こういう事態は自然だと思います。
 「作者の営業」という言葉はむしろこういうネームバリューを作るという点においては正しいかもしれないです。
 例えば有名漫画家が自伝を書けばその人が書いているからと言う理由で売れるとは思います。
 それが「作者の営業」に当たるのでは?と思いました。
 ただ長らく面白い作品を連載出来なければ例え40年続いたジャンプだろうと徐々に売上は落ちると思います。

 最後に私が思う売れる作品と売れない作品の違いとは何なのか?
 それは作者自身の努力の量だと思います。

 ハンター×ハンターの冨樫先生は自分が楽しいからネットゲームに逃げ込んだ結果グリードアイランド編が生まれました。
 ダヴィンチコードのダン・ブラウンさんはローマやギリシャ、そして宗教観や歴史が好きで調べ抜いて作品を作っています。

 どちらも私が浮かんだ適当な例ですが、その世界に浸ることが努力の一部でも有ると思います。
 結論を申しますと知ろうとする努力を発信に変えた作品が売れると思います。

 世界観が違いますからね。
 長文失礼しました。

嘉套 裕さんの意見2013/07/23

 はじめまして、嘉套ともうします。
 持論を展開します。(他の方のコメントは見てません)

 まず第一に社会情勢は影響すると思います。

 日本が好景気だったころにはシリアス系も流行していました。
 キノの旅やしにがみのバラット、ムシウタ、ブギーポップ、ラブコメ要素のない作品が多く売れていました。アニメ化した作品も多くあります。もちろんこのころからラブコメ要素の強い作品も売れています。シャナ、いぬかみ、神様家族、神様ゲームなどですね。

 しかし、一転不景気になるとこのシリアス系と言われるジャンルはまったく売れていない。人気作はちゃんとありますが、それにしたってアニメ化までこぎつけた作品は数少ないです。
 現状ラブコメ要素のない作品はほとんど売れていない。
 これは無意識に読者が明るい作品を選んでいるからではないでしょうか? 暗い、考えさせられる作品はつねに頭を捻っている現実から切り離せないのではないでしょうか。小説を現実とは違う世界を体感するために読んでいる人は多いでしょう。
 そいう人にとって苦しい生活にシリアスは重すぎるのです。

 第二に流行りと廃れです。

 つい最近まで「妹」という単語が付いた作品が多く出回っていました。
 しかし現在では「魔王」と着いた作品が多く出回っています。
 これはつまり「妹ブーム」がさり「ファンタジーブーム」が到来したということでしょう。このブームに乗ることは作家にとって大切な商売技術の一つと言えるでしょう。

 より求められている作品を、売れる作品をと出版社は求めています。出版社に取り上げてもらえなければ本にはなりません。取り上げてもらえたとしても読者にとっては「その他」の作品に部類されてしまい、多くの「過去」の作品と同列に扱われてしまいます。
 発売からすぐにでも売れなければ、書店でも平積みから棚刺しにランク下げされてしまいます。棚刺しになったが最期、その作品は売れなくなります。これは本屋でアルバイトをしたわたしの実体験です。棚刺しはその本を探している人以外手にとることはまれです。

 第三にタイトルでしょう。

 現在「長文タイトル」が流行しています。
 これはタイトルだけで内容が大まかにわかるといった長所が生きた結果です。
 長文のタイトルは語呂もよく、長いがゆえに記憶にも残りやすいです。なんだこれ、という衝撃も与えることができるでしょう。過去「四文字タイトル」「~の~タイトル」などいろいろ流行がありました。
 この二つの中でも「四文字タイトル」は読者になんだろう? という疑問を持たせるのと短いがゆえの覚えやすさをが売りのタイトルでしたが、逆を言えばすぐに内容がわかりません。

 不景気で本選びの失敗が痛い現実で口絵、帯、表紙、概要、そして「タイトル」と選ぶ基準が多いのは有利でしょう。

smanさんの意見2013/07/24

>客観的に判断できる材料が売り上げくらいしかないと思いますので。

 じゃあ、売り出す前に編集部は何を基準にして売り出しているのだろう。
 どうやって新人賞の大賞を決定しているのだろう。
 ヒット作になりそうだ、と何かを基準に判断しているからこそ大賞に選抜するのでは。
 すると、その「何かの基準」とは何だ?

 数ある応募作から最終選考時点まで残る作品は、ハッキリ言って面白いのが当たり前の作品ばかりでしょう。(面白いの方向性が作品ごとに違うのは理解しています)
 その中から大賞になるのはどういう要素のためか?
 流行とか編集長の趣味とかいろいろあるだろうけど、私としては、最初のレスに戻って「出版社が売りやすい中身」だろうな、と結論づけてる感じです。

 売り出す前に編集部が力を入れて売り出す商品を選別する、つまりヒット作になるだろう小説を選別するのと、売り出した後で人気が出たから力を入れて売り出しヒット作になるのと、私は前者で語っていましたが、美雪さんは後者のようで。
 どちらも共にあることだと思うけど、結果論では「ヒット作とそうでない作品の違い」という主旨に説明がしにくいと思ったので(読者ごとに作品ごとに回答が違うだろうし)、私は前者を扱いました。

 まあ、正直言って、スレ主さんのたった3行のコメントに「こういう解釈をしていた」とか「編集部はこう考えてるんじゃないか」みたいなのとか、私は深読みしすぎで思い込み激しすぎなんじゃないかと、けっこう反省しております……

>出版関係?

 角川で超マイナーな雑誌を作ってるそうです。たまに仕事を貰いに行きますが、私なんかが簡単に入り込めるほどのマイナー誌です。

サイラスさんの意見2013/07/26

 どうも、サイラスです。

>売れる作品とそうでないものとの差異。

 僕は、その作品の基本がしっかりできていて、なおかつ、拡張性が高いことですね。

 作品の基本というのが、ジャンルのセオリーを外していないことです。どんなひねれて作品でもちゃんと読むと、お約束の要素を外していません。ただ、その前後をどう持っていくかを色々ひねっていることが多いかな、という感触です。

 拡張性というのは、設定や幕間劇、魅力的なバイプレヤーの豊富さですね。とあるシリーズやフルメタルパニックなんかがそうですし、スピンオフや長期展開できる作品というのは、この点が、非常によく出来ています。

 ただ、運とも言うべき要素もあります。それは、センスのいい編集者やイラストレーター、そして、アニメ監督や漫画家に当たれるかということです。
 まず、ラノベが、読者の手にとって貰うには、魅力的かつ、自分の作品と違和感のない絵が書けるイラストレーターに当たらないとダメですし、アニメ化、コミック化したときに、世界観をぶち壊さずに、作れるアニメ監督や漫画家に当たれれば、作品のさらなるファンの獲得に繋がりますし、逆に、これをとちると原作レイプと言われるような事態になります。
 そして、その見極めがきちんとできる編集者(出版社)が一番の作品の生殺与奪権を持っているので、こればかりは、本当に運の要素が強いです。

 こんなもんでしょうか、では。

苦いネギスさんの意見2013/07/26

 こんにちわ。苦いネギです。

 簡単に結論から申しますと、売れる売れないは作者の実力にはまったく関係がありません。出版業界では常識ですが、なんというか、あんまり信じたくない話ですよね(汗)

 どんな作品を書くか、書けるのか という点に関しては作者力量に大きく依存します。
 ですが、いざそれを売るとなった時に結果を左右するのは、マーケティング、つまりは販売戦略です。
 編集者や出版社の力が大きく関係するのですね。

 よりクオリティの高いモノを作るのが作者の仕事。
 より多く売り捌くのが出版社と編集者の仕事 なのですよ。

 出版社の講演会や就職説明会にでも行ってごらんなさい。
 こんなことは常識です。

 売れる売れないという、ビジネス面での成果を問われるのが企業であり出版社です。
 対して、どこまで品質を追求できるかが作家の領分です。

 この二つがうまく組み合わさると名作が生まれます。
 実際、実績ある編集者にわざわざ原稿を預けに行く作家さんだって大勢いるのです。

 ライトノベルにしても同じことです。
  アニメ化という戦略の結果、さして内容も文章も突き抜けていないのにそこそこの売り上げを叩きだす、とかね。ISなんかがいい例でしょう。
 逆に、堅実で良質な作品を書いていたのに、評価されたのはずっと後の事だった、と言う事もあります。これは初期の有川浩が該当するでしょうね。

 売れる作品は何が違うのか。
 答えは出版社と編集者の力です。それ以上でもそれ以下でもありません。

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