ライトノベル作法研究所
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  4. 設定公開日:2013/08/09

下読みによるラノベ新人賞攻略Q&Aまとめ

●設定について

■質問2015/01/24
 読者層をどう想定すればいいのか、悩んでます。読者層を細かく想定して作風を固定化してしまうのがいいのか、あまり悩まないで書けばいいのか。読者を想定して書くのがくせになってしまって自分の好きに書くのができなくて困っています。
●ジジさんの回答
 読者を想定しつつ、自分の好きなことの一部を練り込んでいく方法がよいのではないかと。
 これは基本的にプロのやりかたで、書く側としては100パーセント楽しめなくなってしまうので、普通にはおすすめしないのですが。――ゆみみんさんの場合、自分の好きなように書こうとしても、想像以上の負荷がかかってうまく書き切れないかと思いますので。
 とりあえず、デビューできた後の練習だと思いながら、そこで悩まず執筆に向かうのがよいでしょう。

■質問2015/01/24
 ジジさんは一般文芸はラノベとの違って「共感」が大事だとおっしゃっていましたが、一般における共感とはどのようなものでしょうか。ジジさんの仰る「共感」は「感情移入」とはまた違うものでしょうか。
●ジジさんの回答
 共感はもちろん感情移入に含まれるものですが、私が言う共感は感情移入そのものではありません。
 思考、心情、行動、状況など、主人公を構築するさまざまなものに、読者が抱える思考や心情、行動、状況など、同じジャンルのものが重なるようにすることを指しています。
 たとえば恋愛ものなら、「恋愛が苦しい」や「恋愛はめんどくさい」など、多くの人がなんとなく抱えているだろう心情を主人公に持たせることで共感を得るという感じですね。
 この共感が多く得られるキャラは、当然感情移入してもらいやすいわけですが、「こいつ変人だけどここは自分と同じだな」という共感ひとつをクローズアップして持たせるだけでも非常に大きな効果を生みます。
 共感をもっとも簡単に引き起こす方法は、主人公の立場を読者に近づけることになります。
 女性成人向けなら主人公を会社員にする、男子向けラノベなら主人公を中高生男子にする、時代ものなら主人公を二十代中盤以降の男性にする……などですね。

■質問2015/01/21
 基本的に、ラノベでは設定の羅列は避けた方がいいと言われてますよね。けれど最近の人気ラノベって、むしろかなり設定の密度が高い気がするんです。「魔法科高校の劣等生」とか……これはどうしてなんでしょう? 単純に時代の流れなのか、それとも設定の傾向そのものに違いがあるんでしょうか。
●ジジさんの回答
 近年(2015年1月現在)の各賞を受賞した作品をながめると、ラノベではやはり「重厚で濃密な設定」が評価されにくい傾向があることがわかります。
 実際、設定の濃さが売りの応募作は、説明に文量を裂かなければならない関係上、物語としての完成度を上げられず、評価もされずに一次落ちというパターンを踏みがちです。
 既存作については語らないのが私の掟なので、あまり言えることもないのですが、例に挙げていただいた作品については「その年代の時代性」が関わっている部分もあるでしょうし、「それだけではない強い魅力があった」こともあるでしょう。そしてネット小説として書かれた作品は、その時点では商業的制約がなかったということは影響しているかもしれません。

■質問2015/01/20
 世界観を作るコツはなんですか?
●ジジさんの回答
 世界設定を細かく作ってみてください。
 物語世界は「地球のような惑星? それとも平面世界?」、「そこには大陸がひとつあるだけ? それとも細かい島が無数にある?」などの大きな舞台要素から始めて、「歯を磨くブラシは木の枝? それとも特殊な素材?」などの細かい部分を詰めていくわけです。
 当然、使えない設定が山のように出てきますが、それはデビューできたら続刊で役に立てるつもりで保存しておきましょう。

■質問2015/01/20
 マフィアもの、能力者が戦うものを書いているのですが、なかなか腑に落ちる内容にできず、「ご都合主義」のような……薄い内容になってしまいます。薄い内容を少しでも濃くしたいです。どうすればいいですか?
●ジジさんの回答
 題材にしたものがうまく書けないのは、多くの場合、題材にしたいものを「知らない」からです。
 だとすれば、書きたい題材の資料をとにかく数多く調べるべきですね。
 マフィアなら映画『ゴッドファーザー』をとっかかりにして作品を探していく。異能力者なら既存の異能力バトル作品の1巻を手広く読む。
 その職業や立場に就いていたり、趣味としてそれを追っている人でない限り、多くの情報を得るためには手間やお金をかけた「物量作戦」しかありません。これはプロでも同じことです。ですので、手の届く範疇で調べた、好きな作品を何作か読んでいる、というのが現状ならば、すぐに図書館や本屋に走ってください。
 ここで大事なのは、その際に「ネットへ手を伸ばさない」ことです。
 ネットとは「なにを調べたらよいか」というインデックスが自分の中にできて初めて活用できるアイテムですので(ネット情報はピンポイントなものが多く、総合的な知識を得にくい一面があります)。

■質問2015/01/19
 私はグロい作品が好きです。今まではそれをかなり抑えて書いてきました。今、これはいける! というネタを思いついて、それで小説を製作しようとしているのですが、読者はあまりグロが好きじゃなさそうです。
●ジジさんの回答
 これは私が仕事の際に使う手段からの意見ですが、
1.力の限りグロを入れたプロットを作る
2.グロと同じ強さを持った受ける要素(萌え等)を混入する
3.グロ表現をぼかして受ける要素が目立つようにする
 という方式でなんとかするときがあります。全力でごまかすという感じですね。
 自分というものが通せないとき、あきらめるよりも抜け道を探すほうがうまくいくものです。
 これは男性向け・女性向け問わずになりますが、グロなどの「嫌いな人が多い好き嫌い」がともなうお題を使う際にはかならずそれと同量もしくはそれ以上の「あがない」を混入するべきです。
 簡単に考えれば男性向け=萌え、女性向け=ロマンス(恋愛)ですね。特に後者は、人が死ぬ系の女性向け作品にはかならず混入されている要素です。
 さらに言葉を換えるなら、強烈なネタを扱うなら中和剤を用意しましょうということになります。

■質問2015/01/19
 私はグロい作品が好きです。今まではそれをかなり抑えて書いてきました。今、これはいける! というネタを思いついて、それで小説を製作しようとしているのですが、読者はあまりグロが好きじゃなさそうです。
●ジジさんの回答
 これは私が仕事の際に使う手段からの意見ですが、
1.力の限りグロを入れたプロットを作る
2.グロと同じ強さを持った受ける要素(萌え等)を混入する
3.グロ表現をぼかして受ける要素が目立つようにする
 という方式でなんとかするときがあります。全力でごまかすという感じですね。
 自分というものが通せないとき、あきらめるよりも抜け道を探すほうがうまくいくものです。

■質問2014/10/03
 異世界トリップではなく、完全なファンタジー(ハイファンタジー)というのは敬遠されがちでしょうか? そうでないならポイントとなる部分(ジジさんが思う重要だと思う点)、注意すべき点などについて教えていただければと思います。
●ジジさんの回答
 ラノベでということなら、特に敬遠はされていません。
 注意すべき点は、物語を「ハイファンタジー」に寄せすぎないこと。
 世界観を作り込まないと書けないのがハイファンタジーではありますが、キャラを優先し、そのキャラを世界観の中でとにかく大きく動かすことを心がけるべきかと思います。

■質問2014/09/29
 以前、作品の感想で「設定は面白いけど、キャラとストーリーは王道で退屈だった」と言われたことがあります。設定にオリジナリティがあっても、キャラとストーリーが王道だったらダメ?
●ジジさんの回答
 このような感想が出る理由の多くは、「キャラがテンプレで、ストーリーに起伏がない」ことになるかと思われます。
 テンプレのキャラの行動はまさにテンプレで、キャラ独自の心情を生み出すことができません。そうすると、読者がもっとも読みたい心情ドラマが成立しませんので、読者はそのキャラを好きになれず、物語を投げ出すことになってしまいます。
 また、ストーリーに関しては、ドラマの山と谷がない、各シーンが流れていくだけの展開になっていることが考えられます。そのネタが既存作に似ているとすれば、感想はどこかで見たようなつまらない作品、となってしまうでしょう。
 王道でも奇抜作でも、まずは物語をきちんと起こす、読者にキャラを好きになってもらうための心情ドラマと、主人公とヒロインが近づくエピソード展開を盛り込む、物語をきちんと畳む。この3点が正しくできていないと、いわゆる「つまらない作品」になってしまいます。
 ですので、感想についてはオリジナリティとは別の部分から出てきたものと考え、作品をもう一度見直してみてください。

■質問2014/07/14
 せっかくの魅力的な設定が生かせていない原因にはどんなものが多いですか?
●ジジさんの回答
 ストーリーがふらふらといろいろな方向に寄り道してしまい、せっかくの設定を描かないまま終えてしまう失敗が第一ですね。
 設定にしっかり焦点を絞って、最初から最後までそれを軸に物語を構成してください。

■質問2014/07/11
 実在する特定の地域を元ネタにした作品は許されるのでしょうか? 群馬県公認で「秘境グンマー」をネタにしたラノベがあるのですが……アマゾンレビューが怒りの声で溢れています。
●ジジさんの回答
 それ自体に問題はないのですが、地域ネタはまずドメスティックになりすぎ、その他大勢の読者にまったく伝わらないということが起こりがちです。
 また、グンマー問題についてはやはり県民のみなさまの感情もからむ問題ですので、「○○○ー」といういかにもグンマーを連想させるワードはもう少しソフトにして、「○○シスト(○○市の住人を揶揄するワード)」、「○ッケンジー(○○県の住人を揶揄するワード)」等に抑えておくほうがよいかと思います。
 こうなると、使用する県や市はまったく架空のものにしたほうがよいですね。市民性や県民性は元ネタから連想するとしても、やはりなにかしらの配慮はあるべきです。

■質問2014/07/08
 設定を生かすために、ここら辺に気をつけろ。とかってありますかね? ちなみに設定は能力バトル系のものです。
●ジジさんの回答
 「その設定の魅力とオリジナリティを端的に説明できるキャッチコピーがあるか?」というのがひとつの指針になります。設定の魅力が高ければ、キャッチコピーだけで人の目を惹くことができます。ご自身の構築した設定の完成度を確かめるなら、キャッチコピーを他人に見せ、反応を確認してみてください。

■質問2014/07/03
 サイトのログで設定という言葉を回答でよく見かけたんですが、設定とは具体的に何の設定のことでしょうか?
●ジジさんの回答
 簡単に言ってしまえば「ネタ」になります。
 たとえば川原礫氏の『ソードアート・オンライン』 (2009/4/10刊行)のネタは「ネットゲーム」です。
 それだけではおもしろくありませんが、氏はそれを「ログアウト不可能なネットゲーム」とし、さらには「ログアウト不可能、しかもゲーム内で死ねば本当に死んでしまうネットゲーム」とし、実に魅力的なネタに仕上げてみせました。
 私が「設定」と言う場合、物語の成り立ちに直接関係するネタを指します。ですので能力設定やキャラ設定も、それが物語を成立させるために不可欠なものなのであれば「設定」に入るわけです。

■質問2014/03/31
 今現在、ミステリー物でかつ、ファンタジーが混じったような、いわゆる怪事件的な物を解く話を考えようとしております。ですが、ファンタジー要素があると、論理的なミステリーのストーリーがご都合主義臭くなってしまうんです。アドバイスよろしくお願いします。
●ジジさんの回答
 ファンタジーとミステリ、相性としては最悪です。
 お気付きの通り、ほとんどのトリックが魔法で片付いてしまうからです。
 ただ、それを逆手に取るという手法があります。
 たとえば現存する魔法、思いつく限りすべてが使えない状況(ここで重要なのは魔法無効空間などという便利空間を設定してはならないということです)の密室で殺人事件が起こる。それを追う魔法使いたち。しかし魔法がなければ成立しないだろう事件なのに、肝心の魔法のなにがどう関与しているのかわからない――。
 このような「条件」を提示し、その上でキャラたちに四苦八苦させ、そしてその結果が「科学(別に科学でなくとも大丈夫です。魔法が当たり前の世界において誰も思いつかないような(そして我々のような現代人なら理解ができる)ものならなんでもありです)」をある魔法で起動させた結果、オチがつく。というような構成はありかと。
 これは単純な手法ですので、もっとひねった構成にできるならするべきです。
 ただ、どのような手を使うにしても、「その世界観で生きているキャラが普通には思いつかない角度からしかけられたトリック」が使われていて、それを「キャラクターたちが得意な技や術で解決する」ことが重要です。

■質問2014/03/27
 リアリティがなく、作品にのめり込めない理由にはどんなことが考えられますか? そして、リアリティを出すために必要なこととは?
●ジジさんの回答
 対処策は「作者の都合を優先させない」に尽きます。
 科学考証や歴史考証、各種常識を作者の都合でねじ曲げたり、同じく作者の都合でキャラの性格や言動がブレまくったりしている作品はリアリティがないと評されがちですね。

■質問2014/03/27
 いわゆる王道と呼ばれる作品についてですが、「王道過ぎて陳腐と受け取られる作品」と、「王道でよく見る設定や展開だけど面白い作品」とを明確に分ける基準みたいなものは存在するでしょうか?
●ジジさんの回答
 陳腐とオリジナリティを分ける境界線はすなわち「設定(ネタ)」です。
 王道に仕分けられる素材を、ほかの人が思いつかないような角度で描くことができれば、それは非常に高い評価を得ることができます。

■質問2014/01/12
 ハードSFのような専門用語は使わないにしても、解説する形でSF用語は出しても構わないでしょうか?あるは科学に関する用語も。
●ジジさんの回答
 味つけ程度ならそれで大丈夫だと思います。
 ただ、SFというやつは時代物と並んで新人賞では鬼門です。
 なぜなら、SFは「科学考証」、時代物は「時代考証」という厄介な壁があるからです。そして審査側は、知識がある場合は考証を気にしますし(ウソや無茶苦茶な設定だと困りますので)、知識がない場合は考証含めたネタの完成度を判断できないので、どちらにしても審査が辛くなる傾向があります。
 異能力物が一ジャンルを築いた理由はまさにこのあたりの事情もありますね。審査側にも読者にもあら探しをさせず、もしくは理解不能状態に陥らせずに、ぶっとんだ設定をいくらでも設定できますので。

■質問2014/01/07
 「魔王勇者もの」「学園ハーレム」などのよくあるジャンルは食傷気味? それてもテンプレでもおもしろければ良い?
●ジジさんの回答
 これは審査側全員そう思っていると思いますが、「おもしろければなんでもいい」です。
 テンプレはすでにテンプレ化しているだけに、読む側の期待値が低いです。他作品が100m走をしているのに、150m走をしなければならないような感じですね。

■質問2014/01/04
 僕自身が福島県民なので、身近に感じている問題でもあるのですが、例の原発事故が深く関わっている舞台設定を構想しています。この手の話題はタブーでしょうか?
●ジジさんの回答
 大丈夫です。
 キャラの心になんらかの動きを与え、読者に疑似的な共感を与えられるなら、どんな事件でも基本的には使っていいものになります。

■質問2013/10
 【暗黒ライトノベル】を新人賞に送っても受賞しないでしょうか?
●ジジさんの回答
 「書きたいテーマが読者の心を動かすだけの動機・構成・読後感をもっているか?」がクリアできる。そのようなカラーの作品が受賞しているレーベルに送る、この二つの条件を満たせばOKです。

■質問2013/10
1.ライトノベル作家志望が、一般エンタメの新人賞に送るときに陥りがちなミス。
2.一般エンタメ作家志望が、ライトノベルの新人賞に送るときに陥りがちなミス。
 とは何でしょうか?
●ジジさんの回答
 程度問題ですが、「読者ニーズ」を取り違えてしまう応募者が意外なほど多いです。
 これは応募する賞の要求ジャンルや読者傾向をリサーチしていない(締め切りがちょうどいいから送ってしまう等)結果です。
 各賞がどんなジャンルの作品を求めていて、読者がどんな作品を好むのかをきちんと調べることが重要です。

■質問2013/10
 複数の主人公視点で進行する設定の物語を書くコツを教えてください。
●ジジさんの回答
 複数主人公視点は非常にバランスが取りにくく、難しいものですが、あえてそれに挑戦する場合は「中心点」に注意してみるとよいかと思います。
 ここで言う中心点とは、すべてのキャラクターの視点の中心となるもので、場所でも物でも信仰、思いでも、なんでもかまいません。
 例えば石川博品氏の『ヴァンパイア・サマータイム』 という作品がありますが、昼に生きる人間男子の主人公と夜に生きる吸血鬼女子のヒロインが同じ学校の昼間部と夜間部に通っており、同じ教室の同じ席を使っているという設定になっています。

 その共通点をうまく機能させ、ふたりが昼夜のそれぞれの世界で同じ事件を追っていくという多人数視点を実現させています。しかも、その共通点から、しだいにふたりがそれぞれの中で相手を意識し、悩んだり悶えたりする恋愛ストーリーも楽しめるのです。
 共通点があれば、それを軸に多人数視点を機能させることが可能。この視点に挑戦される方はぜひご一考ください。

■質問2013/07
 避けた方がいい設定はある?
●回答
 一概にこれはやめた方が良い、というのは言い難い。
 状況による、という解釈でよいだろう。

■質問2013/07
 設定に縛られるというのはどういう状態か?
●回答
 「まず設定があるということ」。
 普通は描きたいものがあり、次に設定を考えるものだと思いますが、ここが逆転してしまっている場合に言われることだと思います。

■質問2013/07
 オリジナリティのためとはいえ設定をこねくり回しすぎたようなのや、セオリーの裏をかいたようなのが増えてきているようだが、もっとシンプルな設定の作品が入り込む余地はないのか?
●回答
 新人賞においても同様に、設定が単純でもドラマがきちんと描けていれば評価される。
 ただ、面白そうな設定というのはそれだけで評価されることも多いので、頭に留めておくべき。

■質問
 SFやロボットもの(特に宇宙を舞台にしたもの)は、他の作品と比べて特別視されてしまうものなのか? 
●回答
 ロボットものは新人賞でもみかけますが、上手く書けている方が少ないジャンルでもあります。
 描写などの難易度は他のものに比べるとぐっと上がると思いますが、上手くかければ高評価に繋がるはずです。
 ロボットものは常に一定以上の需要がありますので、新人賞をロボットもので狙うのも十分にアリです。

■質問2013/07
 小説の売りとはどういうものでしょうか?
 ラノベだからキャラクターが売りっていうのは、当たり前かなと思うのですが…(^^;)
 他にもよく、能力バトル、ラブコメが売りです、というのは見かけるんですが、それ以外の売りってどういうものがあるでしょうか。
●回答
 キャラクターは、ラノベですと最も重要な箇所です。
 ただ、キャラクターを立てるためにはエピソードが必要ですので、結局はストーリーの良さ、人物描写の上手さなども要求されてきます。
 能力バトル、ラブコメ、というだけでは売りになりません。
 売りというのは大雑把に言ってしまえばストーリーが面白い、キャラがかっこいい、テーマが良く描けている、等です。

■質問2013/07
 賞を受賞するには何か突き抜けたものがないと難しいと書かれていたと思うのですが、突き抜けたもの=売りという事になるのでしょうか?
●回答
 売りになるものが必ずしも突き抜けたものかというとそうでもありません。
 逆は成立しますが。
 少し工夫された部分を突き抜けていると呼ぶなら別ですが、突き抜けたものがなければ受賞できないかといわれればそれもノーです。
 大抵はおさえるべきところをおさえ、少しの+αがなされた作品が受賞します。
 ラノベの作品を見回していれば感じると思いますが、似たような作品が多いのがラノベの特徴です。
 ラノベで求められているものなど決まっている、ということを私は良く言いますが、おさえるべきところをおさえることがまず重要なのです。

■質問2013/07
 「読者に媚びるような真似はしたくない」「萌え無し」「基本を守れない」などセオリーを破る傾向にある志望者に呆れるか。
●回答
 萌えというのはラノベでは非常に強い武器。
 作者売りやシリーズ売りの出来ない新人賞受賞作においてはより顕著になる。
 萌えを抜いても本当に自分の書いている作品は新人賞で勝ち抜けるのか、市場に出た時に売れるのか、よく考える必要がある。
 思春期の男子が強い関心を持つのが異性なのですから、それに答えた上で自分の書きたいものを書けるようにする努力をすべき。
>「読者に媚びるような真似」
 読者のことを考えた上で書けるのは立派な才能。
>セオリーを破る傾向にある志望者に呆れたことは?
 自分の書きたいものを書いているんだろうな、と感じます。
 最初はそれで構わないが、受賞できなかった場合には、受賞には何が必要なのか考える必要あり。

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