ライトノベル作法研究所
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  4. キャラ設定を細かく決めるデメリット公開日:2014/08/12

キャラ設定を細かく決めるデメリット

 彩崎さんの質問 2014年08月08日

 初めまして、彩崎と言います。
 今まではあまりプロットを作り込まずに書いていたのですが、頓挫することが多く、最近はプロットから登場人物の設定まで詳細に作ってから書き始めるようにしました。

 が、ここで問題発生。
 どうやらストーリーや世界観の設定を考えるのは好きなのですが、キャラの詳細を決めるのが非常に苦手なのだということに気づいてしまいました。
 これまで頓挫した理由もキャラの作りが曖昧なまま見切り発車して、途中で主人公さえ見失ってしまっていたからのようで・・・。

 深みのある活き活きしたキャラを作ろうと思い、色々な設定や項目を決めているとキャラ作りが義務のようになって面倒くさくなるという状態です。
 どうすればキャラ作りを楽しく、かつ魅力的なキャラが作れるのでしょうか?

●答え●

デルティックさんの意見2014/08/08

 おはようございます。
 私の考え方とやり方を置いていきます。
 人それぞれでやり方が違うと思いますので、参考になる部分だけ使って下さい。

 設定についてですが、私のやり方だと、キャラクターにしろ、世界観にしろ、絶対に必要な骨組み以外は設定を組みません。
 これは、後々世界観を広げる余地を残す為ですが、逆に言えば骨組みになる部分はブレないように慎重に考えて組み込みます。
 しかし、あくまでも骨組みだけなので細部や奥行きはスカスカですが、これでも大丈夫です。
 というか、こうしないと私は書けません。

 ポイントになるのは細部まで詰めすぎない事です。

 細部まで設定を詰め込み過ぎると、設定に縛られてしまい、後々に物語の展開を広げようとしても、細かすぎる設定が邪魔をして思うように動かせなくなります。
 なので、骨組み以外の設定は物語の進行に合わせて同時並行で作っていくタイプです。

 漫画家ですが「ドラゴンボール」を描いた鳥山明氏は、自作のコラムで「行き当たりばったりで書いている」と証言していますし、同じく漫画家で「るろうに剣心」を描いた和月伸宏氏も「設定の多いマンガは面白くない」と自作内のコラムにて語っておりました。
 おそらくですが、

「物語を書いている内に増えた設定はともかく、書く前から決める設定は多すぎてはいけないよ」

 という事ではないかと解釈しております。
 ちなみに私が思う、キャラクターの「絶対に決めないといけない設定」というのは

1)行動目的
2)性格

 くらいです。
 容姿や、武器なんかは行動目的や物語の進行に関係しない限りはどうでもいい設定なので、割と気分で決めてます。
 設定で特に大事なのは「性格」なのですが「何に喜び」「何に怒り」「何を哀しみ」「何を楽しむ」のか。
 という「喜怒哀楽」を設定してあげないと、キャラクターは中々活き活きとは動いてくれません。
 しかし、この喜怒哀楽さえしっかりと考えてあげれば、あとは勝手にキャラクターが動き出す事が多いです。
 単純に「気分屋」とか「お調子者」とか、一言で表せる性格ではキャラクターが薄っぺらくなってしまいます。

道化童子さんの意見2014/08/08

 私は逆に、いつもキャラクターを褒められてストーリーに深みがないと言われます。
 キャラは単体で作るものではなく、集合体で作るものだと思っています。
 キャラは一人では輝きません。
 ボケキャラがいたらそれをツッコむキャラがいて、初めて魅力的になります。

 主人公を作ったら、それと掛け合いが出来そうなキャラを作ります。
 逆にヒロインを先に作ったら、それと話が弾みそうな主人公を作ります。
 ヒロインがボケなら主人公はツッコミ、ヒロインがツッコミなら主人公はボケという感じでしょうか。
 あと、呼称表を作っておくと、キャラを想像しやすいですね。

 キャラ設定で重要なのは、そのキャラが何を思って行動しているかという事、そして、それがブレないようにメモを取っておく事でしょうか。

 私にとってキャラ設定というのは忘れないためのメモです。
 このヒロインなら、主人公が怪我で入院したらどんな行動を取るか、主人公が危ない目に遭っているときに何をするか、そういう行動の根元を記載しておくべきだと思います。
 容姿も他と被らないように、とりあえず書き出しておきます。
 油断すると全員ストレートロングの微乳になってしまいますし、個人的な好みで。

シューさんの意見2014/08/09

 寝なければ創作が進む(錯乱)
 おはようございます。シューと申します。

私はまず必要最低限のキャラ設定(性格、趣味趣向)を決めて、自分の世界観の中に放り込みます。

続いて様々な状況に巻き込み、「おら、動けよ」と(私自身を)脅して妄想を逞しく活性化させます。
そしてそれを短編にして書きます。大体2、3本書けば固まりますねー。

生えた設定をメモし、人物関係は(面倒く――せっかくなので)短編に出てきたAさんBさんを、メインキャラまで練り上げて構成します。

当然、AさんBさんの短編も書きます。

気付けばそこには動かしやすいキャラ設定と人物関係図が!

 一ヶ月もあれば学生でもできますよ(白目)
 では、そろそろノーパソ持って布団に行ってきます。

たこやきさんの意見2014/08/09

 プロットは、物語のピークをもっとも大きく見せるにはどうすればいいかを考えるものだと思っています。
 キャラに役割を与え、カースト制で対比となるように身分を調整し、全体をギャグかシリアスで書くのか、すべての情報からキャラにあった性格や口調はなにかを考えます。僕はこの作業が楽しいです。
 しかしこれだけではたいして他作品との違いにはならないのですが、話が大きくなってしまうためここで終わります。

彩崎さんの意見(作者レス)2014/08/09

 たこやきさん、ありがとうございます。

 やっぱり設定作業を楽しんでできるのと、そうでないのとでは、掛かる時間も出来上がりも違いますよね。
 私はキャラ作り部分が苦手なので時間もかかり、出来上がりの詰めが甘くて・・・。

 プロットは構成メインという感じでしょうか。こちらは好きなのですが、私にはキャラの性格設定が一番難しいです。この部分を楽しんでできるように、方法をもう一度考えてみたいと思います。
 ありがとうございました!

たこやきさんの意見2014/08/09

 ウー……物語は裏側を見られます。
 主人公の物語は初心者が書いても何年も小説を書いてる人が書いても、文章や構成に差はありますが流れは一緒です。キャラや設定や構成が多少よくても、それで他作品との違いがはっきりとわかるレベルまでにはいけません。
 物語の裏側(事件、黒幕)をどうやって物語に浸透させるか重要で、それが物語のピークを大きく見せること、設定を使いたおすことであり。同じストーリーでもラストまで到達できない、行き過ぎる主人公やヒロインがでてきます。
 他作品と自作の違いとなる魅力は何か? 

 プロが書いても、ラノベはよく読むと一冊一冊違う内容なんだけどね、違いが分からないと言われてしまうご時世です。
 プロットをしっかり書いて作品のイメージがはっきりしてくれば、どんなキャラが相応しいのか自然と見えてくるはずです
 何のためにプロットを書くのかをつきつめて考えていくこと、それが楽しいです。

きりたんぽさんの意見2014/08/10

 ヘンに聞こえるかもしれませんが、キャラクターをつくる際に自分が大切にしているのは、そのキャラクターを人間ではなく「駒」だと思い込むことです。
 自分の持っているキャラへの愛着を一度白紙に戻す感じですね。

 作者は自分の生みだしたキャラクターさえ色眼鏡で見ています。
 いえ、逆ですね。
 自分のつくったキャラだからこそ、色眼鏡でしか見れない。
 そこに気づくことから、自分とキャラクターとの対話が始まります。

 話は逸れますが、自分は他人のつくりかけた小説だったり、プレイ途中のゲームだったりを手直しするのが好きです。
 あまりにも中途半端で、あからさまにここで飽きたんだなとか、こうすれば良かったのにという側面が見えるからですね。

 ここで大事なのは、どうしてそれが好きなのか?
 という疑問を突き止めることです。

 まず第一に、プレッシャーがないからですね。
 自分の作品じゃないうえに、当人がほっぽりだしたものなので、自分がその畑をどう耕そうと自由という部分がそうですね。

 その次に、俯瞰的にモノを見れることです。
 当人達が必死になってもどうにもならなかった社会の掟やルールをよそ者があっさり解決するなんていう作品とか、けっこうありますよね。

 上の話を聞けば分かると思いますが、この2つの要素こそ本当は作者が自分の作品のなかでやろうと躍起になっているけど、現状は上手く実践できない事柄に違いないですね。
 で、話を戻します。
 最後に考えるのは、ではどうすれば自由に作品を描けるのかですが、一番最初に言った、

 キャラクターを人間ではなく「駒」だと思い込むこと、ですね。

 つまるところ、作者が主人公に期待しすぎているんだと思います。
 物語が始まりさえすれば主人公は頑張ってくれるとか、他のキャラクターと関わることで成長してくれるとか。
 そういうのは基本的に作者の幻想です。

 主人公は作者が与えた水の分しか動きません。
 一度だけ水を上げたんだからきっとキレイに育つだろうなんていうのは、その主人公にとっては苦痛でしかないので、成長の余地がないんですね。

 頓挫する理由っていうのはまさしく、作者が自分にないものを主人公に求めた結果です。

 本当は作者が疲弊しているんじゃなくて、作品のなかの主人公が疲弊しているんです。
 だからこそ、肝心な部分で育たないし羽が広げられなくなる。
 それを解決するには、いったん小説を書くのをストップさせることです。

 端的に言うと、もう一度最初から主人公やキャラクターと向き合うことですね。
 その主人公が本当はどんな気持ちだったのかを知ることから再出発することで、脱線したレールを戻しましょう。

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