ライトノベル作法研究所
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  4. 探偵・怪盗物の漫画に愛のあるツッコミを!公開日:2014/11/30

探偵・怪盗物の漫画に愛のあるツッコミを入れる!2

ラノベの(偽)王女様さんの意見2014/11/30

> 「事件を解決する為ならば、何をしても良いのか?」
> と言う事です。

 その問題提起に関するあたしの意見は、
「彼らが現実世界にいるならきっちりするべきだけど、フィクションに目くじら立てる必要性を感じない」
 なのよね。ジャンル発生時点からのお約束だと思ってるから。
 なんというか、ハーレムものに対して平凡な高校生がこんなにモテるわけ無いだろって言うような感じで、イマイチ愛を感じられなかったのよね。

 フィクションとしての私的な好みで話すと、危険行動にはそれなりのペナルティが発生する方が好みだから、少年探偵団はちょっと好き勝手やり過ぎだなぁと思うところはあるのだけれど。
 法律ぶっちぎっても口頭注意くらいしか受けていないもの。とはいえ、小学生に深刻なペナルティが発生するとちょっと話が重くなりすぎるきらいがあるから難しい所ね。

サッパーさんの意見2014/12/01

『非実在犯罪いろいろ』
 泥棒は許されない。義賊だとしても許されないなんてのは言わずもがなですが、フィクションならではの事情(お約束)はありますし、現実でも「義賊が居て欲しい」なんて考える事あるんじゃないですか?
 政治家の給料減らせとか料亭通いなんてとんでもないとか豪邸に住むなんて許さんとか、そういう庶民感覚的な心理は義賊にやって欲しいことを仮託しているだけに思えます。

> 例えば、泥棒を見つけて他人の敷地に勝手に入れば、自分も犯罪に問われます。
> 文句を言えば、「そういう時は通報して下さい」と言われるでしょう。

 実際に泥棒(窃盗犯)を現行犯逮捕した一般人とか、勇気ある美談としてよくある類の話だと思うのですが……。
 時と場合によりますが、今まさに盗みに入ろうとしているか、部屋の中を物色中か、一仕事終えて逃げようとしている泥棒を発見した場合、現行犯逮捕なので探偵だろうが運転士だろうが小説家だろうが合法的に逮捕できます。
 その際に逮捕する側も他人の敷地に不法侵入したとしても通常は犯罪とは扱われません。不法侵入によって敷地内を荒らされたとかの場合、民法上の賠償請求も犯罪者に対して行われるのが筋です。
 逮捕後は速やかに警察に通報して身柄を引き渡さないといけないので、自分で警察に通報するか、自分は犯人を取り押さえるので手一杯なら誰かに通報をお願いしなければなりませんが。

 過去に起こした犯罪で指名手配されている犯罪者を取り押さえたとなると、これは現行犯ではないので探偵に逮捕権はありませんが、この指名手配犯が何か別の犯罪(逃亡資金を稼ぐ為の空き巣など)を現に行っているなら、それを逮捕する事に警察官かどうかは関係ありません。
 自宅の鍵を失くしてしまった人が仕方なく窓から入ろうとしているのを見て泥棒だと勘違いしたような誤認逮捕だった場合は、逮捕した方が罪に問われますが、この場合も事情によっては刑の減軽の可能性があります。

 逆に言えば、泥棒を見つけて他人の敷地に勝手に入って罪に問われる場合というのは、その泥棒が現行犯でなかった(指名手配されている泥棒の隠れ家に侵入した)場合、誤認逮捕だった場合、泥棒の逮捕とは無関係に敷地に侵入した場合です。
 犯罪者(現行犯人)を目撃した場合も、逮捕する「義務」がある訳では無いので、その場では見逃して後から警察に通報しても「現行犯逮捕しなかったこと」で咎められる事はありませんし、通報する義務も無いので見なかった事にしてその場を離れても犯罪にはなりません。

 逃げようとする万引き犯を取り押さえようとしてタックルして怪我を負わせたような事例では、タックルした方は罪に問われません。
 強盗犯などに店員がカラーボールを投げつけるのも、こういう免責があるから罪に問われないだけで、免責が無かったらカラーボールをぶつけた店員も傷害罪や器物損壊罪に問われます。
 現実の探偵(興信所)の場合、拳銃など所持したら違法ですし、浮気調査といって浮気相手の住居に忍び込んで盗聴器を仕掛けたら違法ですが、業務として行う盗撮や盗聴のうち事例によっては罪に問われません(公的に認可された探偵制度が無い日本の探偵は、その辺りのグレーゾーンで活動する場合もあります)。

 探偵ものにありがちな場面設定で、「クローズドサークル」というのがあります。
 外界と物理的に行き来できず、電話やネットなども通じないような環境で殺人事件が起きて、次は自分かも知れないという切迫した状況であれば、探偵が行う違法行為の幾つかは正当防衛や緊急避難として罪に問われない(=結果オーライとして許される)でしょう。
 例えば、外部との連絡が取れない状況で捕えた犯人を縛り上げて長時間拘束しておいても、正当防衛ないし緊急避難によって逮捕罪には問われないか、問われても刑の減軽または免除になるでしょう。そうしておかないと自分や他の誰かが殺されかねない訳ですから。

 探偵の追及によって犯人が自殺した場合、「お前に生きてる資格など無い。死者に詫びるなら今すぐ死ね」などと言ったのなら自殺教唆になりますが、犯人が勝手に自責の念に駆られて自殺したのなら、それは探偵の責任じゃありません。

 フィクションにおけるこれらの犯罪、違法性も探せば幾らでも出てくると思います。
 よくある巨大ロボットものや戦争が舞台の作品だと「戦争だから」という魔法の一言であらゆる犯罪が問題視されない場面もあります。

 暴力や犯罪とは程遠そうな日常ものや学園ものでも、中学生や高校生のバイト形態で怪しいのありますし、ラノベでよくある「強大な権限の生徒会」は学校教育法を遺脱し場合によっては存在そのものが違法(武装してるとか)です。

 と、主に探偵ものの非実在犯罪の話題で盛り上がっているようなので、そういうのとはかけ離れた『ドラえもん』から、のび太たちの犯罪を考察します。
 小学生であれば口頭注意くらいで済んで、逮捕されて少年院(少年鑑別所)という事はまず考え難いので、同じ事を成人がやったらどのような犯罪になりうるかという観点で考えます。

 『ドラえもん』ではのび太がしずかちゃんのお風呂に突入するシーンが頻繁にありますが、これは住居侵入罪と軽犯罪法違反、または迷惑防止条例違反になります。
 別にお風呂でなくとも、どこでもドアや通り抜けフープなどを使って他人の家やビルなど私有地にずかずか入っていくのは侵入罪になります。

 のび太たちはアイドル(実在の人気アイドルをもじった人物、あるいは星野スミレ)に会いに行こうと撮影スタジオに侵入とかアイドルの自宅に侵入とかやってます。
 どこでもドアなどを使った侵入では、現場の関係者に咎められて出直す(別の方法を考えるんじゃなくて引き下がりなさいよ)パターンもありますが、星野スミレの自宅に行ったときはオールマイティパスを使って堂々と侵入しています。
 後者では侵入というかパスを見せて客人として扱って貰ってるのですが、この場合は相手の了承を得て招き入れて貰ってるからセーフかと言えばそんな事は無く、星野スミレさんは言わば催眠等で自由な意思が無い「心神喪失」状態と判断できますから、そういう状態の相手に付け込んで行われる犯罪において、相手側の同意は無効(=のび太はギルティ!)となります。

 現実の事例としては、精神薬や睡眠薬などを飲ませたり、何らかの方法で催眠状態にして朦朧とした状態で契約書に判子を押させて、被害者は後で気づいたら判子を押した記憶が無いという場合、その契約は無効となり、そのような方法で契約をさせた側は傷害罪などに問われる事もあります(ただし後のエピソードでも、星野スミレはパーマンだったからなのか、ドラえもんの道具が効かない、あるいは効いても限定的に留まるようで、このオールマイティパスも目立ちライトも意識操作系の道具ですが、どうも効いてない様子。未来の道具の発する強制力に対して、自分はアイドルで追い掛け回されるのに慣れてるから目立ちライトが効かないなんて、のび太を安心させる為の方便でしょう)。

 「六面カメラ」など猥褻目的の盗撮に使えますし、ドラえもんの道具には盗撮、盗聴、といった事に使える。または最初からその為に作られただろう道具がかなりあります。
 「スパイ衛星」とか名前からしてアウトな道具もありますし、本当に宇宙に飛ばすタイプの人工衛星では現実の軍事衛星より高性能な偵察衛星をお手軽に使っています(『のび太の大魔境』にて、公開当時の偵察衛星より高性能なのは勿論、技術発展著しい2014年現在稼働中の軍事衛星より高性能)。

 「世の中うそだらけ」に壺算を元ネタにした話が出て来ますが、これは普通に詐欺罪になります。
 ギシンアンキを飲んだのび太が話をまくし立てて困惑するジャイアンに「今すぐ返せ!」と詰め寄る場面は、恐喝罪にも相当するかもしれません。

 のび太たちがよく遊んでいる空き地に、家出したのび太がキャンピングカプセルを設置したのを土地の所有者である神成さんが撤去しようとするエピソードがあります(確か大長編の『のび太の日本誕生』)。
 これは、道路に面した空き地とはいえ他人の私有地に勝手にキャンプのテントを張って生活するようなものですからのび太は違法なのですが、これをいきなり強引に撤去しようとする神成さんの方も問題があります。

 同じ空き地の話だと、ジャイアンのリサイタルというのも問題になりそうです。
 ジャイアンの歌は音響兵器並みらしいので立派な騒音被害となり、空き地でのリサイタルは勿論ですが場合によってはジャイアンの自宅での歌の練習も訴えられる可能性があります。

 「ポータブル国会」では、最終的にのび太が好き勝手な法案を押し通そうとしてカイサンしますが、逆に言えばそこまで自己中心的で無理な内容でなければ通ったまま過ごせてしまう可能性も?
 「どくさいスイッチ」のように、いい気分にさせた後に突き落とす系の道具か、法律を学ぶための玩具で、その間の事は無かった事になるなら良いですが、もしも本当に法律を書き換えられてしまう効力があったら……。
 そもそも、こういう方法で法律を変える事に関しては想定していないので、私的に法律を作り施行する犯罪に対する刑法が無いんですが、法律を偽造(?)するのだから詔書偽造等罪でしょうか?

迷える狼さんの意見2014/12/02

『現行犯逮捕と緊急避難』
 サッパーさん、ご意見ありがとうございます。

 現行犯逮捕と言うのは、実は法律によって逮捕する側の人間は守られています。
「現行犯は礼状が無くても、何人もこれを逮捕出来る。」
 という一文があります。
 良くある、電車で痴漢をつかまえるのも、これに該当します。

 ただ、何も権限を持たない一般市民に逮捕を奨励しないのは、犯罪者というのは、何か危ないものを持っていたり、性格や人格自体が危ない場合もあるので、一般市民に危害が及ぶのを防ぐためとも言えます。

 また、緊急避難と言うのは、自分の身辺や自分自身に危害が及びそうな場合、それを回避した手段を罪に問わないというものです。
 例えば、暴走車に追われて一方通行を逆走し、柵を壊して私有地に侵入した場合などです。

 ちなみに、「正当防衛」は少しややこしい場合があります。
 相手の危険度に対して、自分の行動がそれを上回ってしまった時、「過剰防衛」に問われる可能性があるからです。
 例えば、カツアゲして来た素人の不良学生を、空手の心得がある者が殴って死なせた場合などです。
 相手がナイフなどの凶器を持っていた場合は、減刑の可能性がありますが、それでも無罪にならない事があります。
 また、凶器を持った相手に、自分も凶器を持って応戦した場合も、罪に問われる事があります。

 ただ、ビ-ル瓶を割って持った相手に、自転車をぶん投げた場合は、解りません。
 なぜなら、普通は自転車を凶器として使わないからです。

 っと、冗談はおいといて・・・。
 日本以外の諸外国、例えばアメリカなどは、銃を持った強盗を銃で撃ち殺した場合、大抵は罪に問われません。
 ただ、刑法で無罪でも、民法(民事)で有罪に問われたりします。
 実例として、警察官や警備員などは、正当な業務として犯人を銃で撃っても、犯人が死んだり重大な障害を負った場合、民事裁判で訴えられる事があります。

 ちなみに、フィクションの世界、例えば魔法が存在する世界では、魔法警察など、魔法に関する法律に基づいた治安組織や職業が存在したりします。
 例として、「ウィザードヴァリスターズ 弁魔士セシル」というアニメがあります。

 また、超能力がテーマの「東京ESP」や、異形生物がテーマの「東京グール」にも、特別な法律や、警察に専門部署があったりします。
 変わった所では、特撮番組「機動刑事ジバン」には、「犯罪組織バイオロン」を取り締まる為に、「対バイオロン法」というのが存在しますし、「特捜戦隊デカレンジャー」では、宇宙の彼方にある宇宙裁判所が、宇宙犯罪者に対してデリート(事実上の死刑判決)を下す事があります。

迷える狼さんの意見2014/12/02

 では、サッパーさんに続いて、もう1つ。

>『ドラえもん』ではのび太がしずかちゃんのお風呂に突入するシーンが頻繁にありますが、これは住居侵入罪と軽犯罪法違反、または迷惑防止条例違反になります。

 場合によっては、「強制わいせつ」の可能性もあります。

 雨男であるのび太のパパのせいで、ゴルフが雨で中止になりかけた時、晴れ男であるジャイアンを利用したものの途中で帰られてしまい、風呂に入っているしずかに、湯船ごと「どこでもドア」をかぶせ、ゴルフ場へ引っ張った事がありますが、下手をしたらしずかの全裸を不特定多数の目に晒す事になりかねません。

 また、しずかの入浴中にどこでもドアで飛び込み、ごまかす為に別の道具でしずかを言いくるめて、裸で空き地へ出した事もあります。

 また、「ひい木」を付けたジャイアンが、女の子のスカートを直に素手でめくって、スネ夫のせいにした事がありますし、「無敵砲台」を手に入れたスネ夫が、日課としてしずかのスカートめくりをしていた事があります(これに関しては後述)。

 これも、強制わいせつです。
(なお、のび太が悪意で同じ事をやった時には、「ドジバン(これを貼られると、何をやっても失敗する)」のせいで、スカートからハチが出て来て、しずかに感謝されました)。
 不可抗力もしばしばありますが、しずかに対する意図的なのび太のセクハラは、度を越しています。

 ちなみに、「オールマイティパス」を使用して、「西城 ひろみ(又は野口 秀樹)」の家へしずかを連れて上りこんだ事もあります。

 また、スネ夫が「にわか探偵」として雇われて、貴重な金貨の番を任された時、依頼者に「こんな所に忍び込める者が居るのかね?」と聞かれて、「1人だけ居ます。そいつはどこでもドアを持っていて・・・」と全部言い終わらないうちに、ドラえもんとのび太が、「失礼な事を言うな!」と、飛び出しています。
 スネ夫の言う通り、ドラえもんはその気になれば、日銀の金庫の中にでも入れます。

 ドラえもんの道具を使えば、世界中はおろか、宇宙のあらゆる場所が、時と場所を選ばず映像で見る事が出来ますし、どこへでも一瞬で移動する事が出来ます(タイムテレビは過去や未来を映せるし、映像が見られれば、タイムマシーンとどこでもドアで行けない場所は無いので)。

 未来警察が無い現代では、のぞきやストーキングは、やりたい放題です。
 ただ、1つだけ秘密道具でも出来無い事があります。
 それは、
「お金を増やす事。」
 です。

 「友情コントローラー」で、スネ夫にドラえもんを奪われた時、ドラえもんは「お金を増やせ」という、スネ夫の頼みを「秘密道具を使って、お金を増やすのは禁止されている」と言って断りました(実は、この時すでにドラえもんは、道具の制御から外れていましたが)。

 「秘密道具を使ってお金を増やす事」に対するセーフティーが機能していた為ですが、なぜこの条件のみが、現代でも有効だったのかは謎です。

 ちなみに、「秘密道具を使ってお金儲けをする事」には、セーフティーが無い模様です。
 ドラえもん自体が、「ドライライト(熱エネルギーを固めた物)」でお金儲けをした事があります(大儲けする前に失敗しましたが)。

 なお、「おすそわけ機(日本中の同じ物から、ほんの欠片をお裾分けしてもらい、1つの固体を作る。ドラえもんはこれを使って日本中からドラ焼きをお裾分けしてもらい、巨大なドラ焼きを作った)」で、のび太が「お金」と言った時には、巨大な1円玉が出来ました。

 さて、「無敵砲台」を手に入れたスネ夫は、町の支配者として暴君化(しずかのスカートめくりはおろか、老若男女を問わず威張り散らし、当たり散らした)していましたが、「司法機関は何をしていたのか?」と言う事になります。

 少なくとも、警察はスネ夫の身柄を拘束しようとするでしょうし、無敵砲台なんて物騒なものが東京のド真ん中にあれば、自衛隊も出動するはずです。
 最終的に、無敵砲台は未来デパートへと返品されたのですが、その後にスネ夫が逮捕(補導)された形跡はありません(ただし、町中の者に取り囲まれて睨まれており、その後どうなったかは定かではありません)。

 この時のスネ夫の罪名は、しずかへの「強制わいせつ」を始めとして、「無敵砲台の使用による、破壊活動防止法違反(同時に、町の実効支配などのテロ行為)」「無敵砲台の所持による銃刀法違反並びに、危険物所持による軽犯罪法違反」「無敵砲台の砲撃による傷害及び殺人未遂と脅迫と器物損壊」などが考えられます。
 大人なら、ぶっちゃけ死刑です。

 そして、ジャイアンの普段の行いについては、「暴行」「傷害」「殺人未遂」「脅迫」「窃盗」「詐欺」「強盗致傷」「チケットの押し売り」「器物損壊」「不法侵入」です。
 のび太を始めとした、近所の児童への理不尽な暴行は日常茶飯事ですし、金品を貸すのを拒否すると、殴った上で取り上げたり、借りると言って絶対に返しません。
 また、バットを持ってのび太を追い掛け回したり、本当にバットで殴った事もあります(頭へ直撃しましたが、のび太が「物質変換機」でバットを柔らかくしたので無事でした)。

 また。のび太の母親を騙したり、無断で野比家の庭やのび太の部屋へ入って秘密道具を盗んだ事もあるので、この罪状です。
 凶悪犯ではありますが、(結果的に)殺人のみしていないので、大人なら無期懲役ですね。

 次に、「エスパー魔美」の不良生徒「蛮野」です。
(なお、エスパー魔美は、すでに中学生なのと成人なので、以下の事の有罪は確定です。)

 ボクシング部の勧誘を断った生徒を闇討ちして、護身の為に入れと迫った事があります。
 また、改造拳銃を所持していた生徒(もちろん彼も問題だが)からそれを取り上げ、ベルトの前に刺してこれ見よがしに夜の繁華街を練り歩いて、それを奪われるという、とんでもない失態を演じた事があります。

罪名
 「暴行」「脅迫」「窃盗」「銃刀法違反」

 また、魔美はチビでメガネの先輩から一方的に言い寄られ、ストーカーまがいの事をされていますし、捏造(ねつぞう)映画を作られたり、超能力をバラされたくなければ、自分の前で裸になれと脅された事もあります(そいつの同級生も、映画の為に裸になれと迫りました)。

罪名
 「ストーカー禁止法違反(当時は存在せず)」「詐欺」「脅迫」

 ちなみにですが、大学生風の男に言い寄られ、襲われそうになる所をテレパシーで感知し、逃げた事があります。

罪名
 「強制わいせつ」「強姦未遂」「児童福祉法違反」

 そして、佐倉家の隣にはクレームババアが住んでいて、事あるごとに佐倉家に怒鳴り込んで来ます。その中には完全な言い掛かりもあり、嫌味を越えた侮辱も含まれます。

罪名
 「名誉毀損」「侮辱罪」

 ここまで見て来て、何を細かいと言われるかも知れませんが、あくまでも話の1つとして捉えていただければと思います。

塔田さんの意見2014/12/02

 『怪盗は芸術家だが、探偵はただの批評家』――正確には「犯人は創造的な芸術家だが、探偵は批評家にすぎぬのさ」ですが――という台詞は、怪盗キッドもしくは作者のオリジナルではなく、イギリスの文豪G・K・チェスタトンの推理小説『ブラウン神父の童心』に登場する有名な言葉が元ネタです。

 「青い十字架」という短編に、独創的な工夫とトリックで物を盗み出すフランボウという大泥棒が登場します。このフランボウを何とか捕まえようとパリ警察主任にして天下一の名探偵ヴァランタンという人物が登場し、件の台詞は彼がフランボウを追跡している最中に発せられます。つまり、怪盗キッドは確かに怪盗の立場からその台詞を述べていますが、本来は怪盗を追う探偵という立場の人間からの言葉なのですよ。 

 このヴァランタンという探偵は、自分の頭脳は大泥棒フランボウの頭脳にひけをとらないと言いながら、自分は不利な立場にいるということを重々承知している探偵です。つまり怪盗の方が有利で、探偵の方が不利だということを自虐を込めて言っている。自分の探偵という立場が怪盗に劣っているのは、あいつが芸術家で俺が批評家だからだ、ということを探偵自ら述べているわけですね。ですから、「評価に値するものではない」というよりも、この台詞自体がすでに怪盗への評価なのです。

 しかし、この台詞が誤用というわけでもありません。
 この台詞が怪盗キッドから発せられたのですから、彼を含む怪盗の「美学」を端的に表した台詞だと捉えるべきでしょう。他人のものを盗むことが誇らしいし、それが怪盗という生き方の基本的なステータスだからです。

 「何を言っても悪は悪に変わりはない」のは確かにそうなのですが、けれど、悪だからこそ生み出される芸術的な所作というものは確かにあります。規制対象になりかねない文学の中に美があったりするのと同じです。怪盗キッドや先ほど挙げたフランボウなどは「何を」というより「いかにして」盗むかというところに大変な力を入れている。
 大勢の目がある中どうやって盗むか。それを鮮やかに成功させる手腕というのは、悪であっても「美」に近いものがあって、それこそが「怪盗」が「芸術家」たる所以なのです。

 ちなみに、芸術家は職業というよりは肩書きですから、決して例えがおかしいとは思いません。怪盗も肩書き、批評家もまた肩書きです。

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