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  4. 韓国と日本のラノベ販売戦略の違いとは?公開日:2014/01/05

韓国と日本のラノベ販売戦略の違いとは?

 韓国では日本のライトノベルが人気です。
 と言っても単純に日本語を韓国語に翻訳して販売しているのではなく、韓国の事情に合わせて、装丁や販売戦略もカスタマイズされています。
 まとめると、その違いは以下の通りです(2014年1月段階)。

韓国と日本のラノベの違い

 韓国で発売されるライトノベルの初版には、こちらの写真のように表紙イラストが描かれたしおりが同封されているのが普通です。また、初版本にしか帯紙が付いていません。
韓国のラノベにつくオマケのしおり
 韓国では、本が発売されてから18ヶ月以上経つと、規制がなくなって、新品の本をどんな値段で売っても良くなるため、本が定価より大幅値引きされます。こういった事情から、18ヶ月待ってから本を買う人が多いです。
 このシステムは読者にとってはありがたいですが、出版社と書店は、ほとんど利益を出すことができなくなる、という問題を抱えています。
 このため、韓国の出版社は、初版本の売上を伸ばすために、初版にこのような特典を付けているのです。

 1000~1500円の価格帯で販売される限定版の場合は300pcsパズル、スポーツタオル、カレンダーなどが含まれます。日本のようにOVAがオマケに付くことは2014年1月の時点ではありません。
 アニメをつけると価格がとても高くてなってしまう上、輸入する過程で権利処理のための複雑な手続きがいるので難しいのだそうです。 

 最後に両国のライトノベルを比較して見ると、韓国版ライトノベルに使われる紙の質が日本版より高級であることが分かりました。
韓国版ラノベと日本版ラノベ
 韓国では小さくて軽い文庫本がほとんど売れない、という文化的背景が原因のようです。
 韓国人たちは本を中古で売ったり捨てたりせず、所蔵し続ける場合がほとんどであるため、より質の良い装本を求める傾向があります。
 日本のように、安い文庫で薄利多売はできない市場なのですね。

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