ライトノベル作法研究所
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  4. 障害公開日:2012/01/09

恋は障害が大きければ大きいほど燃える

 殺人すら起きるほど古くから反目しあう2つの名家、それぞれの家に生まれたピュアな青年と娘が恋に落ちたら……
 というのは、シェイクスピアの有名な作品『ロミオとジュリエット』です。
 悲恋を描いたこの作品は、世界中で親しまれ幾世代を越えて読まれています。
 劇団なんかでもよく題材として扱われる、まさに恋愛物語の大御所です。

 さて、この『ロミオとジュリエット』のおもしろさの秘密とはなんでしょうか?
 それは、決して結ばれない運命にある男女が、激しくお互いを求め、危険な密会を重ねるというところです。

 読んでいる方は、バレたらどうなっちゃうのだろう。絶対にバレないでもらいたい。
 恋を成就してもらいたいと、ドキドキしながら読み進めることになります。
 この緊張感がたまらなく、2人が幾たびの困難を乗り越えて愛を語り合うと、大きなカタルシス(抑圧心理の解放)を得ることができます。
 よっしゃー!やったー!ばんざーい!という感じです。
 結局この物語はバッドエンドで終わってしまうのですが、その純粋すぎるほど純粋な恋に、人は大きく感動し、涙します。
 この例を見てわかるように、

 恋は障害が大きければ大きいほど、より大きく燃え上がる。
 ……つまり、おもしろくなるのです。

 これこそ、恋愛物語作りにおける最重要ファクターです。
 世界中で根強い人気を得ている恋愛作品は、かならずコレを守っています。
 例えば『シンデレラ』なら、下級貴族と王族という身分の違いがありますし、『人魚姫』なら地上の人間と人魚という種族の隔たりが2人を引き裂く障害として機能しています。
 兄と妹が愛し合うようなタブーに肉薄する物語もライトノベルでは、MF文庫Jに『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』というストーレート過ぎるタイトルの作品があるくらい、ポピュラーな話です。
 恋愛要素を物語に組み込む場合、簡単に結ばせるようなことはせず、

 必ず恋の障害を作り出す。

 と良いです。そっちの方が、絶対に話がおもしろくなります。
 ラブコメなどは「2人が接近→イイ雰囲気流れる→でも寸止め」のコンボをしつこく繰り返し、徐々に恋の炎を燃え上がらせていきます。
 その際に生じるドキドキ感が恋愛物語の醍醐味なんですね。

 障害のパターンとしては、三角関係、親の不仲、人種の違い、身分の違い、宗教の違い、戦争による徴兵、血のつながり、遠距離恋愛、不治の病、どちらか一方が記憶喪失になる、呪いよってお互いの身体に触れられなくなる、など様々なことが考えられます。

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