ライトノベルの主人公といえば、10代の少年少女ですね。
なぜ、ライトノベルの主人公たちは、このように社会的に未成熟な若者たちなのでしょうか?
それには大きな理由があります。読者のメインターゲットが中高生の少年少女だからです。
自分と近い年齢の主人公の方が、読者は感情移入しやすいのです。
だから、主人公が10歳以下の幼い子供だったり、逆に中年や老人だったりする設定の作品はそれだけで大きなハンデを負います。
よほど実力のある筆者でも、このハンデは覆せないでしょう。
私の知る限り、最高齢のラノベ主人公は、1997年1月に刊行された雑賀礼史の『召喚教師リアルバウトハイスクール』の主人公、高校教師の南雲慶一郎で、29歳でした。おそらく、この辺りがラノベ主人公の年齢の上限で、30代の主人公というのは寡聞にして知りません。
30代ともなると、中高生が感情移入しにくいだけでなく、精神的にも肉体的にも成熟していて成長や変化の余地が小さく、成長要素を入れにくいというのが大きなマイナス要素です。
また、ヒロインも主人公の年齢に合わせて大人にしなくてはならないので、萌え要素を入れにくくなります。
幼い子供を主人公に据えるのも危険です。
彼(彼女)らは、知力、体力、行動力ともに未熟で、主人公として主体的に行動するのには向いていません。
そのため、どうしてもスケールの小さい話になってしまい、物語が盛り上がりにくくなります。
また幼いため、恋愛要素を絡めることもできません。
恋愛要素は物語を高度化、複雑化するための重要なエッセンスなので、これを主人公に絡められないことは大きなマイナスです。
さらに、大人や老人の内面を想像するのは資料となる素材が多いので案外簡単なのですが、幼い子供の内面を想像するのは非常に難しいです。
幼い子供は理性よりも感情に従って生きています。より自然に近い生き物なのです。
常識と理性を身につけてしまった私たちとは、明らかに異なる存在です。
だから、その内面を描写しようとしてもなかなかリアリティがあるもにはなりません。
幼い子供や大人を主人公にするのはやめましょう。
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