ライトノベル作法研究所
  1. トップ
  2. ライトノベルの書き方
  3. テーマ
  4. テーマは一つに絞る公開日:2013/09/16

テーマは一つに絞る

  榊一郎の代表作『スクラップド・プリンセス』の主人公シャノンは、全十三巻通して、妹を守るという動機のみに従って、迫り来る様々な敵と戦います。
 他の女性を好きになって、その人の幸せのために剣を振ったり、復讐のために敵を殺したり、友情のために自分を犠牲にしたりすることはありません。
 もし、そんなことをしたら、シャノンの妹への愛は嘘だったことになり、この作品のテーマは崩壊します。
 つまり、

 テーマとは、何を書いて何を書かないか決める基準でもある訳です。
 一つのテーマを決めたら、徹頭徹尾、それに沿ったストーリーを展開させましょう。

 兄妹愛がテーマだったら、主人公は友との熱い友情を大切にしても、友情の優先順位を妹を守ることより高くしてはいけなんですね。

 料理に例えると、最初に甘いシュークリームを作ると決めたら、どうしたらシュークリームとしての質を高めることができるか追究し、シュークリームとしてのおいしさを壊すような要素は排除しなければならないのです。
 一口においしい食べ物といっても、辛口カレーとシュークリームはぜんぜん味が違いますよね。
 シュークリームを食べたい人は、甘さを求めている訳です。
 最初は、甘い味だったのに、突然、ぴりっと辛い、カレーみたいな味に変わってきたら、なんじゃ、こりゃ? ということになります。
 これでは安心して食事を楽しめません。

 同様に、復讐をテーマにすると決めたら、最初から最後まで復讐に沿ったスートリー展開を、男女愛をテーマにすると決めたら最初から最後まで、恋愛を盛り上げるためのストーリー展開を行うのです。

 もし、復讐が目的なら、恋愛は、復讐を盛り上げるための脇役、隠し味にしなければならないのです。
 恋愛が目的なら、逆に、復讐が恋愛を盛り上げるための脇役、隠し味になります。

サイラスさんの意見2013/09/22

 このサイトに長い間いて、気づくことがあります。

 それは、テーマを一つに決めていないと、オリジナリティーやスランプの悩みを抱える率が凄く高いことです。

 オリジナティーやスランプに陥る方の質問文を読んでいると、その人の書きたい小説のテーマや目的が見えないケースが多いです。筆をスムーズに進めたいと考える、あるいは、筆が思った以上に進まない方は、もう一度、テーマを見直してください。
 そこで、テーマが絞りきれていないことがわかった場合、放置せずに、絞っておくと筆が思った以上進むし、プロットとかの欠点も早く見つけられるようになります。

次のページへ >> テーマを深めるには?

携帯版サイト・QRコード

QRコード

 当サイトはおもしろいライトノベルの書き方をみんなで考え、研究する場です。
 相談、質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。

意見を送る

『テーマは一つに絞る』に対して、意見を投稿されたい方はこちらのメールフォームよりどうぞ。

カスタム検索