ライトノベル作法研究所
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  4. 何度も同じ文章表現を使わない公開日:2013/08/14

何度も同じ文章表現を使わない

 例えば、同じ「怒る」という行動でもキャラの性格や、その場の状況、そこに至るまでの経緯によって、その様子や度合いは異なってきます。
 そのシーンに合わせた描写をしていれば自然と同じ表現は使わなくなります。

 しかし、キャラの様子が具体的にイメージできていなかったり、語彙が乏しいと何度も同じ表現で「怒る」様子を書くことになります。

 「彼は顔を真っ赤にして怒った」 「彼女は顔を真っ赤にして怒った」「彼は顔を真っ赤にして怒った」……
 うーん、どんなキャラでも顔を真っ赤にして怒るのだな、それ以外の態度は取らないの? 
 と、これでは読者に文章力の無さ、イメージの稚拙さを見透かされてしまいます。
 なにより、キャラの心情や行動を、正確に伝えることができません。

 あなたのキャラは、どんな顔で怒っていますか? どんな態度で怒っていますか?
 どうすれば、その感情を読者にうまく伝えることができますか?

 このことを常に考えるようにする癖をつけると同時に、同じ事柄を表す様々な表現方法を身につけましょう。
 例えば『怒る』という人間の感情を表す表現を、あなたはいくつ思いつきますか?

 20個以下では落第です。
 怒りは、人間の基本的な感情なので、長編小説の場合だと必然的に登場人物が怒るシーンが何度も出てくると思います。
 そんな時に状況に合わせた描写ができません。
 例として、『怒り』を表す言葉を並べてみます。

 怒る。 憤る。 激怒する。 赫怒する。 激昂する。 憤怒する。 憤激する。 憤慨する。 憤死する。 憤然と席を立つ。 憤懣やるかたない。 怒髪天を突く。 怒鳴る。 声を荒あげる。 目尻を吊り上げる。 眦を決する。 青筋を立てる。 頬を膨らます。 柳眉を逆立てる。 顔を紅潮させる。 怒気を漲らせる。 頭に血が上る。 拳を握りしめる。 地団駄を踏む。 顔が赤黒く染まる。 怒りに全身が震える。 怒り心頭に発す。 ティーカップを床に叩きつける。 デスクを叩く。 睨みつける。 立腹する。 気色ばむ。 ふくれる。 むくれる。 むかっ腹を立てる。 

 『怒り』を表す言葉は、こんなにもたくさんあります。
 これに比喩表現を加えれば、怒りを表す文章は工夫次第でいくらでも作れます。
 1つの動作や感情を表す方法を、なるべく多く身につけてください。

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