一般の人になじみの薄い専門用語は、使わない方が無難です。
その様な言葉を使う必要に迫られたら、他の言葉に変換するか、あるいは注釈を加えると良いでしょう。
専門用語を連発する文章が、どれだけわかりづらいか例を上げてみます。
作家の清水義範さんの著書『日本語必笑講座』 に出ていた一文がおもしろかったので、引用させていただきました。
始動させるにはまず、始動インテルスをイン・ザ・ムードにしなければならない。
そうではなく直接に命令ドームにキプロスすると、テレモムが文字連動してしまいコンパリン上に反逆する。
故に、カムカがシフトしているのを確認してから、マサチューセッツまでCHQアイラインをほどこするのが先決である。
しかる後に、GOインポとWENTモゲラを電磁界的幽閉作動基盤解放素子の上に、まんべんなく陳列すれば勝ったも同然である。
日本語必笑講座
どうでしょうか?
専門用語をやたら使って書かれた文章がいかにわかりにくいか、実感できると思います。
パソコンに触れたこともない人に、パソコンマニアが得意げにOSがどうだの、CPUがどうだの話すのと同じ事ですね。
門外漢にとっては、別の惑星の言葉にしか聞こえません。
例えば、銃撃戦をやるような物語を描こうとした場合、作中に357マグナム弾だの、九ミリパラベラム弾だの、ブルパップ式のアサルト・ライフルだの専門的な用語を使う場面が出てくると思います。
弾丸の方は、まあ、良いとして、ブルパップ式の銃なんて言われてもガンマニアや軍事オタクでもない限りわからいでしょう。
そういう場合は、ブルパップ式とは銃身を切りつめ、トリガー部をマガジンの前方に位置するようにした銃である。全身がコンパクトで取り回しが容易であるという利点がある、とストーリーを理解する上で必要な説明を入れます。
こうすれば専門知識のない人にも理解してもらえます。
ただし、作者の趣味丸出しで、1ページまるまる車や武器の解説に費やしたりすると、読者が置いてきぼりになるので、ほどほどに。
その分野に興味のない人にとって、長い説明は苦痛にしかなりません。
また、あらかじめ「こういう分野が好きな人が読むものだ」と割り切った作品の場合、読む側はいちいち説明を読まされては興が醒めてしまうことがあります。
まず、対象となる読者を想定し、適切と思える解説を入れることが求められます。
●補足
ガイウス・ユリウス・カエサル(共和制ローマ時代の政治家・軍人・著述家)の言葉。
「文章は、用いる言葉の選択で決まる。日常使われない言葉や仲間うちでしか通用しない表現は、船が暗礁を避けるのと同じで避けなければならない」
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