ライトノベル作法研究所
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  4. 創作を挫折させる8つの要素と対処法公開日:2013/08/03

創作を挫折させる8つの要素と対処法

1.批判への恐怖
・もし、批評でコテンパンにされたら、どしよう?
・以前、作品をさんざんにバカにされ、否定された!

●対処法
 失敗など当たり前。どんな天才でも、厳しい下積み期間や、挫折を経験しています。
 気にする必要は無いと開き直りましょう。

 例えば、漫画ドラゴンボールの作者、鳥山明は、修行時代、500ページものボツ原稿を量産していました。
 目の前で編集長に原稿をシュレッダーにかけられたこともあったそうです。
 しかも、それだけの努力を積んだのにデビュー作のアンケート結果は最下位でした。
 最初から、なんの障害もなく成功するなど、まず有り得ないので、批判は、おおらかに受け流しましょう。

2.才能に対する不安
・自分には才能がないのではないか? 努力しても成功しないなら虚しい。
・才能がない自分がいくら駄作を量産しても、意味がないのでは?

●対処法
 才能に対する不信が才能を殺します。
 自分には才能がないと決めつけてあきらめれば、すべての可能性は消えてしまいます。

 また、最初から才能を認められる方が珍しいです。
 フランスの画家ゴッホは、いまでこそ世界的に高い評価を得ていますが、生前に売れた絵は一枚だけでした。
 ゴッホは2000近くもの作品を仕上げていますが、名作とされる作品のほとんどは晩年の約2年半に描いたもので、評価されている作品数は実は意外と少ないのです。
 才能を開花させるまで、実に大量の作品を作らなくてはならなかったのですね。
 もし、彼が途中で自分の才能に見切りをつけていたら、ゴッホの名は歴史に残らなかったことでしょう。

 また、作品を発表すれば、誰か一人はファンになってくれる人が現れます。
 たった一人からでも共感を得られたら、それで成功なのです。
 100万人に支持されなくては小説を書く価値がない、などという考えは、自分を虚しくさせるだけなので捨てましょう。

3.良い作品を作るためのプレッシャー
・前作を超える作品を作らなければ、みんなに見捨てられるのじゃないか?
・世間に評価される名作以外は、この世に存在する価値がない。
・失敗は許されない。完璧な作品を仕上げねばならない。

●対処法
 結果より、小説を書くプロセスを楽しむようにしましょう。

 失敗など当たり前、失敗は名作を生み出す糧だと思って、結果に囚われないようにするのです。
 他人の評価や名声を得ることに囚われると、自分が何を本当に書きたいのかわからなくなります。
 そうなると、執筆は恐怖を伴った苦痛な作業と化し、一行も書けなくなります。
 スランプや挫折の最大の原因は、良い作品を作らなければ意味がない、というプレッシャーです。

4.好きなことをやることに対する罪悪感
・みんなが苦しい思いをして、嫌な仕事や勉強に打ち込んでいるのに、自分は好きなことをしていて、良いのだろうか?
・辛いことを一生懸命することが良いことであって、楽しいことに打ち込むのは悪いことだ。

●対処法
 人間は、意外と幸せになることに罪悪感を覚え、自分をいじめる方向に走ってしまう傾向を持っています。
 好きなことを回避して、苦痛に身を浸すことで、「俺はがんばっている」「私はみんなと同じよ」という安心感を得る心理があります。
 好きなことに邁進するためには、実はかなりの覚悟とエネルギーが必要です。
 好きなことを始めると、周りから奇異の目で見られたり、それをやめるように言われることも希ではありません。
 彼らは、あなたの好きではない、しかし世間的な評価の得られることを行うように勧めます。

 しかし、苦痛に耐え続けることで人間的な成長が得られるというのは、幻想に過ぎません。
 むしろ、逆で、他人に自分と同じような苦痛に耐えることを要求する狭量な人間になります。
 好きなことをしている人間を貶すのは、好きなことをしていない人間です。
 彼らの甘言に惑わされても、刺激の薄い、不満だけらの人生を歩むことになります。

 人間は、自分の好きなことを自由にやって良いのです。それでこそ、本当の成長と満足感が得られます。 

5.他人との競争心、嫉妬
・知り合いの●●さんは、新人賞を受賞したのに、自分はまったく芽が出ない。
・●●さんの作品は、たくさんのファンがついているのに、自分の作品には反響が全くない。くやしい。

●対処法
 ついつい比較対象にしてしまう他人の情報には意識的に触れないように努めましょう。

 競争心や嫉妬は、自分のやる気を奮い立たすどころか、自分にはあの人のような実力がない、という自信喪失につながります。
 他人と自分を比べても、メリットよりデメリットの方が大きいです。
 自分のペースで創作を楽しむようにしましょう。

6.自分をさらすことの怖さ
・こんなことを考えているなんて、他人に知られたら恥ずかしい。
・万人に認められるような価値のある自分にならなくてならない。欠点を暴かれたくない。
・自分をさらして、もし受け入れてもらえなかったら、どうしよう?

●対処法
 自分の心の内側を深く探求して、正直にさらけださねば、オリジナリティは生まれません。

 自分の恥を隠そう、人に良く見てもらい、と格好付けると、逆に人から賞賛されなくなるというパラドックスがあります。
 創作活動とは、自らの精神をさらす行為であり、内面を隠そうとしてはいけないのです。

 また、自分と波長の合う人は、百人に一人、いるかいないかの確率です。

 すべての人に拍手を持って迎え入れられるなど不可能であり、自分を正直に表現したところで、無視されたり、批判されたりする方が多くて当たり前だと考えておきましょう。
(どんなイケメンや美女でも、すべての異性から求愛されることなど有り得ないのと一緒です。
 人間には相性、合う合わないがあります)

7.社会的評価への不安
・小説家になりたいなど、とんでもない誇大妄想だ。
・小説を書いているなど、現実逃避的な女々しい行為だ。他人に知られたら恥ずかしい。

●対処法
 小説を書いている、または小説家を目指している、ということは信頼できる人に以外には黙っておきましょう。
 カミングアウトしても、賞賛されることは少なく、あまりメリットがありません。

8.作品が執筆途中でつまらなく感じてしまう
・このパートは退屈で、書いていてもつまらない。
・こんな作品、どうせ完成させたところで、たいしたものにはならない。

●対処法
 どうすれば、自分自身がおもしろいと感じるのか? 工夫してみましょう。
 書きたいシーンから書いてしまうのも手です。
 また、作品の評価は完成させてみなければわかりません。途中で捨ててしまうのはもったいないです。
 もしかすると、あなたのファンになってくれる人が現れるかも知れませんよ?

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