ライトノベル作法研究所
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  4. ワナビという蔑称への対処法公開日:2013/08/04

ワナビという蔑称への対処法

 小説を何年も書き続けているのに、まったく新人賞は通過せず、ネット上でも評価されない上、「ワナビ(小説家志望に対する蔑称)」「中二病」とか呼ばれて馬鹿にされると……死にたくなります。
「チクショー、オレがプロの物書きじゃないから馬鹿にされるだなぁ! 才能のある連中は上から見下してくれちゃってよー! プロがそんなに偉いのかよ!?」
 と叫びたくなります。
 でも、安心してください。

 プロになっても馬鹿にされるし、失敗するし、劣等感は永遠に続きます。

 物書きというのは、例外なく黒歴史(恥ずかしい過去)製造装置です。
 例え、プロ作家になって本を出版しても、売れなかった自著などというのは、小学生の頃に書いた作文みたいな物で、恥ずかしくて見られたもんじゃありません。
 あの時、ああすれば良かった、こうすればもっと売れたんじゃないか? タイトルが悪かったんだよチクショー! とか後悔ばかりが募ってきます。

 自信満々でプロットを提出したり、死力の限りを尽くして原稿を用意しても編集者さんから、「こんなんじゃ売れない。まったくダメです」「このように直して下さい」と駄目出しを受ければ、「今回の原稿は自信があったのに……オレは自分の得意分野ですら、まともにこなせないのか?」と、果てしなく落ち込みます。
 苦労して出した作品がAmazonのレビューでボロクソに酷評されていると……死にたくなります。
「売れている作家さんは上から見下してくれちゃってよー! 才能ある奴がそんなに偉いのかよ!?」
 と叫びたくなります。

 じゃあ、人気作家さんが幸せで得意の絶頂かというと、そんなことはありません。

 ミリオンセラーを記録し、映画化やアニメ化までされた『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の著者・岩崎夏海さんは、自身のブログ「ハックルベリーに会いに行く」の中で、はてなブックマーク上で誹謗中傷されていることに深く傷つき、抗議の声をあげています。

「だれが禿げラノベ厨のオ●ニーに金払うかボケ」

 というコメントが、岩崎さんの心をグサリと刺したようです。
 コレを目の当たりにして、頂点まで上り詰めても、ライトノベル作家という立場そのものが侮蔑の対象となるのだなぁ、と感じました。
 もちろん、ラノベ作家に限らず、有名になればどんな分野のプロであろうとも、誹謗中傷の的にされるものです。

 つまり何か社会にコミットしたり、発表したりすれば、立場はどうあれ、批判されたり馬鹿にされたりするのは宿命だということです。

 次のような名言があります。

 自分の心の中で正しいと信じていることをすればよろしい。
 しても悪口をいわれ、しなくても悪口を言われる。
 どちらにしても批判を逃れることはできない。
エレノア・ルーズベルト
 (第32代米国大統領フランクリン・ルーズベルトの夫人、国際連合アメリカ代表、婦人運動家)

 ワナビと馬鹿にされるのが嫌で、小説家志望を辞めようとすると、「なんで途中でやめるの?」「途中で物事を投げ出す半端物!」と、これまた軽蔑の視線を向けてくる人がいるものです。
 他人に気に入られるように行動しようと思っても、万人受けすることはできないので、必ずどこかから批判が飛んできます。
 なので、自分の正しいと信じる道を進むのが最良なのです。

 また、最初から、馬鹿にされるのは当たり前だと考えていれば、馬鹿にされても、あんまり腹は立たないし、モチベーションにも影響しません。
 馬鹿にされないように見返してやる! と考えて努力するのは良いのですが、上の段階に進んでも、やっぱり馬鹿にされるし、失敗するし、劣等感も消えないので、あんまり肩肘張らない方が良いです。

 もしあなたを不当に中傷するような人が寄ってきたら、スルーしておきましょう。
 努力している人間を見下すような人間はろくな者ではないので、相手にしたところで、有害でしかありません。

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