蟲森さんの意見、2005年
一つだけはっきりさせておいたほうがいいと思いますので、書き込みします。
そもそも自費出版というものは、すでに書かれているように「どうしても本を出したい」という人がやるものです。
これがなにを意味するのかについてはしっかりと理解しておいた方が賢明です。
すなわち、自費出版は「消費行為」であるということです。
原稿を自分で書いているため、「作家活動」をしているような錯覚に陥りがちですが、実際には「本を出したい」という欲望を満たすための「業者側の商品」というのが、自費出版事業の本質です。
だから自費出版の会社がその質や採算にこだわらず、とにかく本を作ることだけに特化した営業をするのはある意味で当然といえます。
今回はたまたま自費出版の話が持ち上がりましたが、人々の創作したいという欲望は社会的に肥大傾向にあり、それを支援するためのツールも進化していっています。
作家活動をしている、と思っていても実際には膨大な創作支援ツール、もしくは創作支援システムの単なる消費者にいつの間にかなっている、というのがこれから増えていくであろうと思われます。
送り手になろうとしながら逆にその欲望を支援する商品の受け手になる、という倒錯にはある程度自覚的になっていたほうがいいのではないでしょうか。
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