バットエンドについて
物語は読者に快感を与えるのが目的ですから、ハッピーエンドで終わらせるのが基本です。
敵対勢力に抑圧されてきた主人公の目的完遂の意志が遂げられ、すべてが丸くおさまった状態がハッピーエンドになります。
しかし、世の中に名作として残っている伝承・童話・昔話には、意外とバットエンドで終わっている物が数多くあります。
実はバッドエンドで終わると「この作品の意味は?」と、深くテーマを考えさせられ、「もし、ここで主人公たちが勝っていたら?」と、Ifの想像力を掻き立てられるため、長く印象に残る傾向があるのです。
例えば、アンデルセン童話の『マッチ売りの少女』『人魚姫』、シェークスピアの『ロミオとジュリエット』がこれに該当します。
また人間は悲劇の英雄「才能がありながら、悲劇で終わった人物の物語を好む」傾向があります。
ヨーロッパの伝説の中でも最高峰と言われる『アーサー王伝説』がこれに該当します。
アーサーは滅亡の危機に瀕していた故国を救ったのにも関わらず、部下に裏切られ、戦死してしまうのです。
ただし、無意味に主人公を死なせたり、最後まで盛り上げておいて、敵が勝利したりする物語は、お勧めできません。
1.意味のあるバッドエンド
2.意味のあるハッピーエンド
3.意味のないハッピーエンド
4.意味のないバッドエンド
人が「良い作品」として印象に残るのはこの順番だと言われています。
つまり、悲劇が人に強い印象を残すからと、たいした理由もなくバットエンドにしてしまうと、最低の駄作になってしまうという地雷を踏む訳です。
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