記憶のメカニズム

あなたは3歳以前のことを覚えているでしょうか?もし、覚えているとしたら、それは後に両親や他の家族から言われたことが元になって作り出された、ニセの記憶である可能性が高いです。

実は、脳は、事実を記憶するのではなく、記憶を作っているのです。

お母さんに「あなたは赤ちゃんだったころ、こうだったのよ」と言われると、言葉からその場面をイメージして、記憶として覚えてしまうのです。

人間の長期記憶には2つの種類があります。1つは、エピソード記憶です。おいしいモノを食べたり、恋人とどこかへ出かけたり、映画を観たり、といった体験の記憶です。このエピソード記憶は、脳の海馬という部分で作られます。
もう1つは、事実の記憶です。言葉の意味や、物の名前、といった記憶です。この記憶は、脳の側頭葉という部分で作られます。

実は、3歳にならない赤ん坊は、海馬と側頭葉を結ぶ回路が未発達なため、言葉として記憶を作り出すことができないのです。そのため、3歳以前の記憶は、非常に不確かであやふやなモノとなります。


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