睡眠時無呼吸症候群

「がぁがぁああああ!」という怪獣のうなり声のような大いびきをかき、夜中に何度も目が覚めてしまう方、ご家族にいらっしゃいませんか?ちゃんと眠っているハズなのに、昼間にとてつもない眠気に襲われている方、いらっしゃいませんか?
心当たりの方は、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があります。

「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中に呼吸ができなくなってしまう病気です

実は、睡眠時無呼吸症候群は、25〜50人に1人は認められるありふれた病気なのです。でも本人には眠気くらいしか自覚症状が現れないため、見過ごされやすいのですね。

人間の喉の筋肉は進化の副産物として、眠っているときにたるんで下に落ちやすくなっています。これによって気道がふさがれてしまい呼吸困難になってしまうのです。
空気が肺に入ってこないと、酸素を取り込もうと息を吸い込む激しい呼吸運動が起きます。この時、狭くなった気道の壁が振動するので、破壊的にうるさい「いびき」が起こるのですね。

酸素不足では、いくら眠っても疲れが取れず、昼間に猛烈な睡魔に襲われます。睡眠時無呼吸症候群が原因での交通事故などが、実際に何件も起こっています。
それだけでなく、無呼吸の頻度が高いと、あきらかに寿命を縮めることがわかっています。
1992年、アメリカの睡眠障害研究に対する委員会がアメリカ議会に提出した報告書では、脳卒中や心臓発作の年間死亡者数のうち38000件は、睡眠時無呼吸症候群が原因だと指摘しています。睡眠時無呼吸症候群は心臓に負担をかけ高血圧の原因にもなるのです。

この病気の原因は、肥満、もともと気道が細いという生まれつきの理由や、脂肪扁桃腺やリンパ線の腫れといったことがあげられます。
いずれにしても、病院で受診すれば治療できる病気ですから、日中にいつも強い眠気に襲われたり、爆音級のいびきをしていると指摘されたら、念のため病院で受診された方が良いでしょう。


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