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あなたの夢を、聞かせて――超大型新人による待望の新シリーズ、開幕!

ムシウタ


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 396
 おもしろいです! 53
 なかなか良いです 24
 ふつうです 11
 イマイチです 11
 おもしろくないです。 4
 買うと損します。 2

ジャンル現代ファンタジー
著者岩井 恭平
出版社:角川スニーカー文庫
発行年月:2003年05月
本体価格 571円 (税込 599 円)
アーモンドちぃこさん一押し!(男性・16歳) 結城一さん一押し!(男性・18歳)

■ 解説                               

「ねえ、あなたの夢を聞かせてくれない?」
 人の夢を喰う代わり、寄生主に超常の力を与える“虫”が出現して10年。
 薬屋大助は通学電車で少女・詩歌と出会い、強く惹かれあう。
 だが詩歌は“虫憑き”を収容する国の極秘施設からの逃亡者だった。
 特別環境保全事務局は最高のエージェントにして最強の虫憑き“かっこう”に出動を命じ、
 容赦なく詩歌を追い詰めようとする! 
 せつなく激しい想いが織りなす、夢みる者たちの聖夜の戦記。



■ アーモンドちぃこさんの書評                  

 この作品は“夢を思い描く人”と“虫”が主軸にあります。
 作者・岩井恭平さんの好きなもの(夢を思い描く人)と嫌いなもの(虫)を組み合わせた作品ですが、
 素敵に合わさっています。

 あなたの生き様に惚れました! ロンリーボーイ“かっこう”さん! 
(薬屋大助のほうが別冊「ムシウタ bug」では出番が多い気がしますが……、彼の紹介は不要!)

 最強の虫憑きである“かっこう”は、誰よりも残酷で冷血だが、誰よりも優しい。
 多くの虫憑きから夢を奪うが、本当の敵がその瞳に映っている。
 誰からも畏怖され、周りから拒絶され周りを拒絶し、一人で前へと突き進む。
 
 巻を重ねるごとに彼の思いが滲み出てきて、彼の理解者が増えていきます。

 一巻について・“かっこう”、薬屋大助、“ふゆほたる”、詩歌、
 この四つの名前がいろいろとややこしい関係になってます。
 この名前の関係が一巻の山場ですから、
 とあるネット書店の書籍紹介文にこのことについて触れてあったのを見て
 「暴露してるなぁ」と少し悲しくなりました。

 一巻で起きることは、後の出来事に大きく関わってくる重大事件です。
 “かっこう”がサラッと言った言葉や行動も、
 続編を読んでいくごとに「あぁ」と感慨深い感動詞が出ます。
  
 最大の魅力・登場人物が輝いてます。
 その人物の過去、今、“夢”、そして終焉、この四つの要素でその人物が支えられています。


 様々な種類の過去がある。辛い経験だけじゃない、楽しいこともある。
 いろんな形の今がある。
 自分の夢を叶えるために頑張る、
 社会から隔離された虫憑きの居場所を作ろうとする奮闘劇もある。
 たくさんの“夢”がある。誇りを持てる夢もあれば、愛することができない最低な夢もある。

 終焉は一つではない。
 最後に自分の夢に気づく哀れな結末もあれば、
 満足して死んでゆけるようなハッピーエンドだってある。
 
 この小説の中に一つの人生が完成している。
 そしてその人達はとても美しく、輝きを放っています。


 登場人物全員が何かのために身を尽くし頑張っています。その人たちの生き様を見てください。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 全員好きですがその中でも特に好きなのが二名。
 “かっこう”・理由はうえで述べたとおり、生き様に惚れました。
 
 獅子堂戌子・六巻夢導く旅人、で登場する風変わりな女の子です。
 輝かしい過去がある反面、不本意な今を過ごしている。 
 彼女は過去を何度も思い返しますが、まさに世界のため今を生きます。
 彼女の“夢”、終焉を知るとさらに愛情が深まります。
 
 ムシウタには「萌え」が存在しません。「美少女」という表現もわずかです。
 なんというか、登場人物に真面目です。そんなところも好きです。



この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 一巻は「はぁ?」と思います。都合のいいようにできている気がします。
 
 しかし、二巻、三巻、と巻を重ねるごとにいい作品になっていると思います。
 一巻は我慢してください。



■ 結城一さんの書評                       

 自分の夢を、そして´ふゆほたる´との約束を守るため、
 特環に所属しひたすら´虫憑き´を狩り続ける´かっこう´。
 ´虫憑き´の居場所を造るため、特環と戦う´レイディー・バード´。
 そしてかつて´かっこう´により´欠落者´にされ、
 薬屋大助との出会いで突然意識を取り戻した最強の´虫憑き´、´ふゆほたる´。
 
 とりあえず一巻における主要キャラはこの三人ですが、
 話が進むにつれどんどんキャラクターが増えます(しかも後になればなるほど個性的になっていく)。
 それと一巻のあの展開はなかなか面白かったです。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 ´かっこう´とハルキヨです。
 ´かっこう´のひた向きに夢を追い続ける姿も格好いいですし、ハルキヨの
「諦めるくらいなら、生きてんじゃねえ! ちっとばかしつれーことがあったくらいで、
 諦めてんじゃねーよ! 誰に断って生きるのをやめてんだ! それがてめーの本気なのか?
 本気出して生きてんのか? ああ? 一分一秒、髪の毛一本、手え抜いて生きるんじゃねーよ!」
 という台詞には滅茶苦茶痺れました。
 でも本編のハルキヨと短編のハルキヨって微妙なキャラが違うような……。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 1〜4巻までは1話完結型で、各巻ごとに登場キャラががらりと変わるのが、
 人によっては欠点と取れるかもしれません。

 それとこれは欠点ではなく注意なのですが、一巻を楽しく読もうと思うのでしたら、
 絶対に読む前に他の巻には目を通さないで下さい。

 それをやると冗談抜きで楽しみが半減します。


■ 一言感想コメント                       

・薬屋大助の自分の思いを貫く強さ。守りたいもののために悪役を演じられる所。優しいところが好き。
2012/04/30

・先の読めない展開に、ドキドキします。特に8巻は、伏線が見事。
 キャラでは、かっこうが好き。外と内でのギャップ。基本ボロボロなのも燃える。
2012/03/14

・内容が深い。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
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 それは、さまよう獣たちが取り戻す、最高で最悪のロスト・メモリーズ。

ムシウタ 8


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 53
 おもしろいです! 3
 なかなか良いです 3
 ふつうです 0
 イマイチです 2
 おもしろくないです。 1
 買うと損します。 3

ジャンル現代ファンタジー
著者岩井 恭平
出版社: 出版社:角川スニーカー文庫
発行年月: 2007年03月
本体価格 629円 (税込 660 円)
reiさん一押し!(男性・22歳)

■ 解説                               

 “大喰い”との激戦により、自らの虫を暴走させてしまった
 “かっこう”こと薬屋大助は隔離施設を破壊、負傷しながらも脱出する。
 二人の少女が営む“便利屋きらり”に保護された大助だが、
 街は未知の“同化型の虫憑き”誕生を察知した特環・殲滅班の監視下にあった。
 さらにその街からは奇妙なおまじない“コアトルヘッド”のブームが全国に広がりつつあり―
 それは、さまよう獣たちが取り戻す、最高で最悪のロスト・メモリーズ。


■ この作品について、熱く語ってください!            

 シリーズ内において一番面白い!

 というよりも、これしか面白くないかも……
 まあ、最後まで読んでみてください。

 基本設定などの説明は随所でなされているので、8巻だけ読んでも楽しめると思います。


■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 ラウです。
 教師という役柄なんですが、よく内面が描かれていて、
 ああ、そうかもしれないな、といった想像における共感が得られます。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 特殊な状況設定が為されていること、
 キャラの口調の不自然さの二点が読みづらさを助長しています。


 元々のキャラ数や、ファンタジーといったジャンルを考えれば至極当然なのですが……


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


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すべての夢の始まり“bug”シリーズ起動!

ムシウタbug


ジャンル現代ファンタジー
著者岩井 恭平
出版社:角川スニーカー文庫
発行年月: 2004年08月
本体価格 533円 (税込 560 円)
谷坂さん一押し!(男性・17歳)

■ 解説                               

 一之黒亜梨子の前にその“虫”が現れたのは、親友の花城摩理がこの世を去った直後だった。
 触角が四本ある銀色のモルフォ蝶は、なぜか亜梨子から離れようとせず、
 時に異形の長槍と化してまで亜梨子を守ろうとする。いったいなぜ?
 亜梨子は“虫憑き”を監視する極秘機関“特別環境保全事務局”から送り込まれてきた
 少年・薬屋大助とともに、その答えを探し始める!
 輝く銀槍が永遠に刻む、それは最高で最悪のガール・ミーツ・ガール。


■ この作品について、熱く語ってください!            

 『ムシウタ』の二年前の世界を描く短編集です。

 本編と比べてあっさりした構成で、シリアスで重たい雰囲気が常に付きまとう本編とよりも、
 ずっと気負わずに楽しめる作品ではないかと思います。

 各キャラの魅力を前面に押し出し、本編の補完に止まらずに、
 ギャグにバトルにとにかく読んでいて楽しめる作品でした。


 個人的には本編ではあまり見せ場のないキャラが各所で、
 活躍してくれるところがとてもうれしかったですね。
 
 ムシウタはとにかくキャラが死んだり、欠落者になる などでとにかく途中退場することが多いので、
(取り憑いている虫を殺されてしまうと宿主である“虫憑き”は感情を失った人形のようになってしまう)
 本編より時系列が前にあるこの番外編ですくわれている人も多いのではないでしょうか。
 私はすくわれました、いろいろと。

 それでいて本編の“らしさ”も失われていないところがさすがで、
 『夢』についてそれぞれの人物がそれぞれの考え方をもって行動し、
 おたがいぶつかり合いながらも前へ前へとすすんでいく姿には本編同様の強い感動があります。


 2009年にこのムシウタbugは完結したワケですが、最終話を読んだとき、
 これを大きな伏線としてムシウタ本編が続いていくのかと思うと本当に楽しみで、
 読んでよかったなあと改めて思いました。
 間違いなく良作です!


■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 とにかく登場人物は多いので一人を選ぶのは難しいですが、
 あえて言うならやはりbug主人公でもある一之黒亜梨子ですね。

 とある理由で虫憑きと一般人の中間的な位置に立たされた彼女は、
 その微妙な境遇に悩み苦しみつつも、最終的には自分なりの結論に辿り着き、
 不器用ながらもひたむきにそのゴールへと進んでいく姿が本当に勇ましく、
 最後まで本気で応援できたキャラでした。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 番外編なのでやはり結局は本編ありきの作品であること。

 各話で“虫”などについてはさらっと説明はされるのですが、
 それだけではいくらなんでも不十分ではないかと思います。
 キャラについても突拍子もなく本編のキャラが出てきたりして、
 番外編だけでは設定についていけないかも……。
 
 また各所に本編と番外編をつなぐ伏線が仕込まれており、
 やはりこれも両方を読んでいないと楽しめないと思われます。
 
 というわけで本編番外編全てを最大限に楽しむためには“適切な読み順”なるものが存在します。
 できることなら本編、番外編の全単行本を刊行順によむのがオススメです!


 とりあえず本編1巻だけは何より最初に読んでください。
 他を先に読むと1巻の致命的なネタバレがあるので……。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
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 『一押しのラノベ募集係』 『一言感想係』 よりお願いします。
その小説、105円で売られているかも……

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