TenHieさん一押し!(男性・21歳)
「オレは死ぬ前に一度くらい、女の子とえっちしてみたかったんだよおおおッ!!」
そんな強い未練を糧に普通の高校生・不二由真は不慮の死からゾンビとして蘇った。
彼を蘇らせたのは善い屍霊術師・シロネクロの美少女、高峰雪路。
彼女は秘宝“死者の書”を悪い屍霊術師・クロネクロに狙われ、巻き添えで由真が死んでしまったことを教える。
そして、由真を守るために「一緒に暮らしなさい」と命じるのだった。
その言葉に喜ぶ由真だったが、欲望を満たすと成仏してしまうためえっちな行為は禁止と知って悶絶する。
女の子との楽しい共同生活のはずが、さらなる大波乱に巻き込まれてしまい!?
第17回電撃小説大賞“大賞”受賞作。
第17回電撃小説大賞の、大賞受賞作とのこと。
導入はよく言えば王道、悪く言えばありきたり。読み始めは「これが大賞?」
というのが正直な感想だったのですが、
「男を破壊する威力・・・・・・男破威(おっぱい)だ!」
「世の暗雲を打ち破る帝王・・・・・・この御方こそが破暗帝(パンティ)なのか!」
読み終わって「これは大賞!」と断言している自分がいました。
※若干ネタばれエリア
冒頭で主人公、不二由真が死亡しゾンビとなって復活。
『性欲』を楔に現世へ留まっているため満たされると昇天してしまう一方で、妄想により身体を回復できる……という状況が果たしてどんな展開に繋がってゆくのかと思えば、
腹を斬られ、背中を斬られ、血飛沫が舞い、激痛が走る。
しかし周囲に散乱する持参したエロ本が視界に映り、瞬時に傷が回復する。
打ち放たれた銃弾で蜂の巣にされ、槍が自らの腹を貫く。
高峰のおっぱい! ソファイアのおっぱい! 瞬時に傷が回復する。
目を見張りました。作品を通してバトルモノといえるほど戦闘シーンが多くあるのに、そのほぼ全てがこんな調子です。
かつてない表情筋の動かし方で笑いつつも終盤へと差し掛かった頃、しかしある女の子の消滅をきっかけとして物語は大きく変貌することとなります。
頭悪いけど、性欲強いけど、かわいい女の子一筋だけども。
だからこそ、責任を全て抱えて苦しんでいる一人の女の子を助けるために。
恐怖心を一喝し、由真は真っすぐ突撃していく。
目の前にある、男破威(おっぱい)に向かって。
※ネタばれエリア終了
「馬鹿」な男が見せる「バカ」な笑いと「ばか」な魅力!
思春期全開の語り手で送る、そんな面白さが光る良作。
男の子なら(女の子もぜひ)一度は手にとって読んでみてはいかがでしょうか?
お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
万里王が結構いいキャラしてたと思います。
悪役ですが、妹思いのいいヤツです。
この作品の欠点、残念なところはどこですか?
好き嫌いがはっきり分かれる作品かもしれません。
このテの話にアレルギーある方には向かないかもしれないです。
・いまいち絵師に恵まれなかった作品。