謎のDさん(男性・25歳) TenHieさん(男性・21歳)一押し!
民俗学者を目指して都市伝説を調べている高校生・八坂出雲。
「ムラサキカガミ」の研究をしながら誕生日を迎えた彼のもとに、伝説と同じ怪奇現象が発生!そして出現したのは『都市伝鬼』ムラサキカガミを名乗る少女だった。都市伝説を愛する出雲は、彼女たち都市伝鬼を一冊の本に編纂することになるが…それを聞きつけた伝鬼たちが、続々と出雲の前にやってきた!
愛らしくも血みどろの和装童女から凶暴な武器を構えたお姉さん、超高速で追いかける少女に生首まで…次々と怪奇現象に襲われて、恐がりな出雲はどうなる!?
少し怖くて、とっても可愛い都市伝鬼たち山盛りで贈る、ほんわか怪奇譚。第18回電撃小説大賞“金賞”受賞。
とにかくキャラの個性が豊かです!
それぞれがかわいらしい容姿、性格を持ちながらも、実は恐ろしい都市伝鬼というギャップがまた面白いです。
それから会話のテンポ、センスが良く、くすくす笑いながら読み進めることができます。
お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
ムラサキカガミです。
古風で、寛容な性格という最近のライトノベルでは少ないヒロインで、家事万能という点も含めて主人公が羨ましくなるキャラクターです。
現に主人公もムラサキカガミにかなりの好意を向けています。
この作品の欠点、残念なところはどこですか?
王道のハーレムノベルですね。
後は第19回大賞作品エスケヱプスピヰドの影に隠れてしまったことです。この作品もかなりの人気作になりそうな予感がするので残念です。
第18回電撃小説大賞、金賞受賞作とのこと。
主人公は民俗学者を志す高校生で、その熱意は大学の研究室にまで足しげく通うほど。彼はある日(というか4月1日、ついでに誕生日)、都市伝説に関するレポートの提出に追われていたところを、『ムラサキカガミ』に襲われます。二十歳になる誕生日に鏡の前に立つと、鏡が紫に変色して中から現れた少女に殺されるという都市伝説。噂をすれば何とやら、その少女がまさに目の前に現れて主人公は絶体絶命――
「俺は、まだ――――十六歳だああっ!」
「…………なに?」
という感じの、良く言えば和気藹々、悪く言えばグダグダな出会いから始まる本作品。
このように、主人公は都市伝説の編纂者として『伝鬼』たちと世にもおっそろし~い出会いを繰り広げていくことになります。
お約束というか、出てくる伝鬼はみんな可愛い女の子で、……というか『斧男』まで美少女なのはどういうことなの? 面白いからいいけど!
しかしそこは金賞受賞作。
都市伝説が曖昧なのもうまい形で説明をつけ、その他にも細かい所で配慮の行き届いた設定があり、世界観は盤石です。
そんな本作だからこそ、いわゆる「何でもアリ」が面白い。
次巻ではどんな都市伝説が出てくるのか、今から楽しみでしょうがありません。
そして何より、出てくる女の子が『面白可愛い』!
都市伝説がどう編纂されるかは主人公次第。なので伝鬼の皆さんは主人公を少しでも驚かせようと頑張るのですが、しかし彼にも耐性がついてくるのでなかなか驚いてくれない。驚いてくれなくてやさぐれる子も出てくる。これが面白可愛い。
都市伝説は編纂されることでより確かな実体を得ます。なので主人公が手帳を下手にいじると伝鬼に被害がダイレクト。背中が痒くなったり歯のかみ合わせを忘れたり髪が跳ねたり。あたふたする伝鬼が面白可愛い。
最近のライトノベルにありがちなパロディやお笑い的な面白さに頼らない、キャラクターと世界観を余すことなく活かした『面白可愛さ』が本作一番の魅力だと思います。
どこか恐くて、どこか可愛くて、どこか面白い。そんな個性溢れる伝鬼っ娘たちが、ほら。あなたの後ろにも――。
お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
伝鬼および妖怪全員(キリッ
強いて挙げるならやはり『ムラサキカガミ』のサキちゃんですね。古風な語り口と、甲斐甲斐しいところが大好きです!
この作品の欠点、残念なところはどこですか?
伝鬼たちが主人公の家に居候し始めて、生活費が主人公のコンビニバイト代だけで何とかなるものか? と。ま、ライトノベルでこういう点を言及するのはタブーですが。
作品全体を通して一貫した目的があるわけではなく、キャラ見せ小説としての色合いが強いです。これでずっとやっていくのはちょい厳しいかもしれません。