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 さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場! 第5回角川学園小説大賞奨励賞受賞

氷菓


 ○読者投票結果
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ジャンルミステリー
著者米澤 穂信
初版発行 2001年 11月
角川書店(角川スニーカー文庫)
価格(第1巻)457円 (税込:480円)
エターナルさん(男性・15歳) 達郎さん(男性・16歳)一押し!

■ 解説                               


 いつのまにか密室になった教室。
 毎週必ず借り出される本。 
 あるはずの文集をないと言い張る少年。
 そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。
 何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、
 なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、
 日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。

 さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!
 第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。


■ エターナルさんの書評                     

 「学園ミステリー」のはずなのに殺人事件も起こらない不思議なミステリーです。

 いつの間にか密室になってしまった部室。
 なぜか毎週金曜日に々本を借りていく人々の正体。
 そして33年前の神山高校であった事件の真相とは?
 
 ヒロイン千反田えるの好奇心を引き金に、福部里志の情報収集能力、
 伊原摩耶香のするどい観察眼と、
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければならないことなら手短に」
 をモットーとする主人公折木奉太郎のずば抜けた推理力。
 
 全てが完璧に合わさって、謎が解けていく様子がとっても快感です。
 途中でさりげなく出てきた小道具が実は大きな鍵を握っていたり、と
 そういった細かい伏線に思わず歓声を上げてしまうほど感動しました。

 
 人生でこんなに同じ本を読み返した経験はない程、読み返してしまう超傑作です!!


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
  断然奉太郎です。
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければならないことなら手短に」
 なんて言いながら見事な推理を展開していく奉太郎はかっこよすぎです。
 でも、里志の、時々挟まれるこじゃれた台詞も実は好きだったりします。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 この作品が好きすぎて欠点なんか見あたりません。
 強いて言えば、古典部シリーズ以外の学園ミステリーを読む気が失せてしまうことです(笑)



■ 達郎さんの書評                        

 第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門
 奨励賞受賞作です。


 この小説を簡単に言うならば、本作の紹介にも書いてある、
 「さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ」でしょう。そう、青春ミステリです。
 この「氷菓」ではミステリーにもかかわらず死体がでてきません。
 それどころか事件など起こりもしないのです。
 それではなぜこの作品をミステリーと呼ぶのか。
 この作品は、無駄なことを決してしない省エネ精神抜群の主人公、
 折木奉太郎が日常のちょっとした謎を解いていくという話です。

 無駄なことはしないのに謎を解くという矛盾したストーリーが上手いと思います。

 日常のちょっとした謎というのは、
 例えば、毎週金曜日の昼に貸し出され放課後になると、
 返却されているだれも読まないような本の謎みたいな感じです。
 そのような謎解きが伏線となり、最後の大きな謎「氷菓」につながっていきます。

 日常のちょっとした謎というのが面白く、
 最後まであきることなく読むことができました。


 キャラがよくたっており、構成も良く練られています。
 文化祭でだすためのミステリー映画が完成せず、だれも結末を知らない状態で、
 結末を探し出すという「氷菓」の続編、「愚者のエンドロール」も最高です。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 基本的にキャラが全体的に立っていて、全員好きなんですけど、
 あえて言うならば福部里志。

 
 彼のモットーをこよなく愛します。
「ジョークは即興に限る、禍根を残せばうそになる」
 と、
「データベースは結論を出せない」
 いいなー、こういう人。

 奉太郎も結構気に入っています。
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければならないことなら手短に」
 常識人としてはいいことではないのだけど、なぜか惹かれす。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

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豪華客船で怪現象? 世界の混沌を描くゴシック・ホラー。

所長のオススメ、ぴよ! 所長もおすすめ! 

GOSICK―ゴシック


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 186
 おもしろいです! 66
 なかなか良いです 28
 ふつうです 9
 イマイチです 11
 おもしろくないです。 1
 買うと損します。 4

ジャンルミステリー
著者桜庭一樹
出版社:富士見書房(富士見ミステリー文庫)
発行年月: 2003年 12月
本体価格:600円 (税込:630円)

ロストマンさん(男性・17歳) ウルさん(男性・17歳)一押し!

■ 解説                               
 
 聖マルグリット学園の図書館塔の上の上、緑に覆われたその部屋で、
 妖精のような少女―ヴィクトリカは待っている。
 自らの退屈を満たしてくれるような、世界の混沌を――。
 その少女は語るのだ。パイプをくゆらせながら。
 「混沌の欠片を再構成しよう」そして、たちどころにそのどんな謎をも暴く……
 いや、〈言語化〉してしまうのだ……という。
 西欧の小国・ソヴュールに留学した少年・久城一弥。
 彼はふとしたことから知り合った少女・ヴィクトリカとともに、郊外に住む占い師殺人の謎に挑む。
 しかし、それはある大きな謎の欠片でしかなかった。
 囚われの姫と、彼女を護る死に神が、幽霊の現われる呪われた船の謎に挑む。
 白と黒の物語の幕が今、開きます。


■ ロストマンさんの書評                     

 最高です!ここまで良いミステリー小説は読んだことがありませえんでした!
 僕は本は好きなのですが正直ミステリーというのはあまり好きではありませんでした。
 何故かというと少しありきたりな雰囲気があるからです。

 しかしこの本は本当にすごい!
 ミステリーがあまり好きではない僕も最後まで興奮を絶やすことなく読めました!


 「次は何があるんだろう?」とか「どんな展開が待ってるのだろう?」
 と興奮なしでは読めない小説です!
 さらにここから下はネタバレになるかもしれませんが、
 巻を重ねるごとにどんどん心を分かちあっていく久城とヴィクトリカが何ともたまりません!
 ヴィクトリカは口では何を言っていても久城のことを信頼していて、
 久城はヴィクトリカのことを信じて疑わないということがあります。
 これから二人の関係がとても楽しみであり、それがとても青春を感じさせるいいものでした。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 久城とヴィクトリカです。
 理由は上で述べたとおり二人の関係がこれからどうなっていくのかがとても楽しみです。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 欠点……・そうですねぇ……
 何となくグレヴィール警部の部下が両方とも馬鹿全開っていうのがちょっと……



■ ウルさんの書評                        

 ヴィクトリカ最高っ!とついつい叫びたくなるこの作品、
 ライトノベルなのに『本格ミステリー』といってもなんら差し支えないほどのミステリー度です。


 殺人のトリックや不可解な事件を、
 小さく美しい金色の少女”ヴィクトリカ”と真面目な帝国軍人の三男”久条一弥”が、
 やいのやいの喧嘩しながら解き明かしていくわけですが、その時のやり取りがもう最高に面白い!
 
 灰色狼という特殊な血を体に流すヴィクトリカは天才少女で、
 他人(特に久条)を見下しているわけです。
 しかし、いままで恐れられて隔離されていたヴィクトリカに久条がしつこく絡んでいく中で、
 徐々に心の中に暖かい物が生まれていくのです。
 
 もちろんミステリーパートもしっかりと作られていて、
 最初の笑えるやり取りの中に事件の鍵となる伏線が潜んでいたりすることもあります。
 他の推理物のように、キーアイテムが最後の最後
 「実はこんなものが見つかりまして・・・」というように出てくることはなく、
 文章中、それもかなり最初の方で出てくる道具や言動などが事件のトリックを解く鍵になったりして、
 思わず「これかー」と唸ってしまうこともしばしば。
 かと思えば、堅苦しいミステリーパートの合間にはニヤリとしてしまう会話や、
 萌え死んでしまいそうなヴィクトリカの仕草なんかが挟まれていて、
 全体的なバランスもバッチリです。

 最初から最後まで休憩を入れずに読める、
 というかむしろ休憩を入れずに一気に読んでしまいたくなる物語がそこにはあるのです。


 ね?だんだん読みたくなってきたでしょ?

 読みたくなってきたあなたは今すぐ書店に走りましょう!
 ページをめくれば、そこには少し昔のヨーロッパ、
 ソヴュール王国で繰り広げられる、灰色狼と謎の魔術師を巡る物語が待っているのです。
 ちょっと冷たくてほんのり暖かい。そんなライトなミステリーは、いかがですか?


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 グレヴィール警部。
 ミステリーにおいて、かなりギャグ色が濃いキャラクター。
 
 ハンサムでファッションセンスも申し分ないこの男。
 ただ残念なのは流線型にぐりゅんと前に突き出たドリル型の金髪頭。
 実はこの髪型には秘密があるのですが、それは読んでからのお楽しみ。
 重い殺人事件の中でピリリと心地よい笑いを供給してくれるナイスポーズな彼を、
 私ウルはこれからも応援していきます。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 文章に欠点は見られませんが、あえて言うならキャラクター設定に少し。
 警部の部下が両方馬鹿なのは嫌だ。


■ 所長からの一言                        

 これほどおもしろい小説に出会ったのはひさしぶりです。
 ミステリー色の薄い萌え小説として、一部批判を受けているようですが、
 これは萌とミステリーの見事な融合だと思います。
 灰色狼の血を引くヴィクトリカが最高にかわいいです(笑)。
 もう、彼女のファンサイトでも立ち上げて、
 ファンクラブ会員ナンバー1番なろうかと、トチ狂ったことさえあります。
 
 一応ミステリーなので、一度読んで犯人とトリックが分かってしまうと、
 再読のおもしろさが、かなり落ちてしまうのがネックです。 


■ 一言感想コメント                       

・ヴィクトリカは頭がいい上にちゃんと人間らしい、そんな魅力を感じさせてくれるキャラです!!

・ヴィクトリカが良い味を出している。常識に疎い、といったぎこちない点が読者を惹きつけており、過去に「闇」を抱えている暗い一面もあるので、先入観を持ちながら共感できたりもする。
 安易に決められた設定だけでは無い所も他には無い魅力を感じる。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
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