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ぼくは、死体が見てみたい……

GOTH


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 149
 おもしろいです! 27
 なかなか良いです。 10
 ふつうです。 3
 イマイチです。 0
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 1

ジャンルミステリー
著者乙一
出版社:角川書店
発行年月:2002年07月
本体価格 1,500円 (税込 1,575 円)
音丸さん(男性・15歳) 小鳥遊さん(男性・18歳)一押し!

■ 解説                               

 森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。
 学校の図書館で僕らは、次の土曜日の午後、
 まだ発見されていない被害者の死体を見物に行くことを決めた……。
 触れれば切れるようなセンシティヴ・ミステリー。


■ 音丸さんの書評                        

 とにかく構成が良い!

 つかみどころのない、どこか異常な登場人物(特に主人公)が巻き起こす、
 どんでん返しの連続したストーリー。これがこの作品の肝だと思います。

 
 二十代でこんなものが書けてしまう作者は、本当に、すごい。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 野夜。
 無口。
 女子高生。
 ヒロイン。
 美少女。
 萌。
 以上。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 話の展開がグロいので、そういうのが苦手な人にはオススメできないかな……。



■ 小鳥遊さんの書評                       

  数ある乙一作品の中で最高傑作とも言っていい、知る人ぞ知る名作です。
 主人公『僕』の淡々とした一人称文、乙一得意の残酷描写。

 しかし特筆すべきはやはり、読者の予想を大きく裏切るそのトリックです。

 ここからは多少ネタバレになります。
 とにかくトリックの嵐です。叙述トリックというやつでしょうか。
 とにかく、思い込ませて思い込ませて、最後に予想を裏切るお約束のどんでん返し、
 というパターンですが、しかしそのトリックの質が非常に高い。

 最大のネタバレをすれば、これは映像のない小説でしか出来ないトリック、と言えるでしょう。

 なかなかにグロテスクかつ残酷すぎる描写が多いので、それなりに人を選ぶ作品ですが、
 好きな人にはたまらないであろう設定です。見ておいて損はないと思います。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 主人公の『僕』も捨てがたいですが、あえて選ぶならヒロインの森野夜。
 主人公と同じ『GOTH』でありながら、しかし主人公とはまったく違うタイプの少女。
 取り付く島もないように冷めていながらも、実はところどころで抜けている天然な彼女には、
 何だか言い表しがたい『萌え』が伺えます。

 とにかく登場人物は変態です。設定も変態です。

 こんな人間たちを描く作者は、誰よりも変態なんだと思います。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 この作品は登場人物の変わらない短編集なのですが、

 とにかく全ての物語にその叙述トリックが使われているので、
 二話三話あたりから展開が予測できてしまうところですね(それでも騙されます)。


 それを除けば、他に目立つ欠点はないと思います。


■ 一言感想コメント                       

・どんでん返しが素晴らしかった。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


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“戯言遣い・いーちゃん”の眼前に広げられる戦慄の“情景”

サイコロジカル


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 87
 おもしろいです! 21
 なかなか良いです。 4
 ふつうです。 6
 イマイチです。 1
 おもしろくないです。 2
 買うと損します。 1

ジャンルミステリー
著者西尾 維新
出版社:講談社ノベルス(講談社)
発行年月:2002年11月
本体価格 840円 (税込 882 円)

夜月 彰さん一押し!

■ 解説                               

 死線の蒼(玖渚友)、――絶体絶命!

「きみは玖渚友(くさなぎとも)のことが本当は嫌いなんじゃないのかな?」
 天才工学師・玖渚友のかつての「仲間(チーム)」、
 兎吊木垓輔(うつりぎがいすけ)が囚われる謎めいた研究所――
 堕落三昧(マッドデモン)斜道卿壱郎研究施設。
 友に引き連れられ、兎吊木を救出に向かう「ぼく」こと
 “戯言遣い・いーちゃん”の眼前に広げられる戦慄の“情景”。
 しかしその「終わり」は、さらなる「始まり」の前触れに過ぎなかった――!
 絶好調、西尾維新の<戯言シリーズ>。こんな新青春エンタを待っていた!!


■ この作品について、熱く語ってください!            

 第二十三回メフィスト賞を受賞した作家『西尾維新』。
 処女作『クビキリサイクル』は真っ直ぐな(?)ミステリでしたが、
 最終刊『ネコソギラジカル』では少年ジャンプみたいなお話に………
 でもこの作品には驚かされてしまいました。

 本書は第二の真相とも言える『どんでん返し』がある作品なんですが、
 百八十度ひっくり返してくれました。そりゃあもう気持ちの良いくらい。
 あの伏線の大胆な張り方には驚くだけです。


 以上の理由故に、この作品は『戯言シリーズ』の中で一番のおすすめです。


■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 いーちゃんも捨てがたいけど、ここは『兎吊木垓輔』を。
 私は彼を古典トリックの神様と呼びます(笑)。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 西尾維新の作品には『天才』が多く登場するのですが、
 (サイクルに登場した五人とか、『仲間』の九人とか、十三階段とか)、
 九割以上『天才』を描けていない点です。
 たぶんですけど、氏が真の天才キャラを描けたのは『兎吊木垓輔』だけだと思います。

 『天才』を書くのは簡単だけど、『天才』を描くのは難しい。
 改めて感じさせてくれた『戯言シリーズ』でした。



■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
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 二人の少女の小さな小さな物語。渾身の青春暗黒ミステリー。

所長のオススメ、ぴよ! 2006年度ライトノベルBESTランキング第3位(書籍・このライトノベルがすごい!)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 133
 おもしろいです! 37
 なかなか良いです。 21
 ふつうです。 7
 イマイチです。 5
 おもしろくないです。 1
 買うと損します。 3

ジャンルミステリー
著者桜庭 一樹
出版社:富士見ミステリー文庫
サイズ:文庫 / 206p
発行年月: 2004年 11月
本体価格:500円 (税込:525円)
イトウさん一押し!(男性)

■ 解説                               

 大人になんてなりたくなかった。
 傲慢で、自分勝手な理屈を振りかざして、くだらない言い訳を繰り返す。
 そして、見え透いた安い論理で子供を丸め込もうとする。
 でも、早く大人になりたかった。
 自分はあまりにも弱く、みじめで戦う手段を持たなかった。
 このままでは、この小さな町で息が詰まって死んでしまうと分かっていた。
 実弾が、欲しかった。
 どこにも、行く場所がなく、そしてどこかへ逃げたいと思っていた。
 そんな13歳の二人の少女が出会った。
 山田なぎさ――片田舎に暮らし、早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。
 海野藻屑――自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な転校生の女の子。
 二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。
 全ては生きるために、生き残っていくために――。
 これは、そんな二人の小さな小さな物語。渾身の青春暗黒ミステリー。


■ この作品について、熱く語ってください!            

 変わったキャラクターが全く違和感がなく、
 むしろこの子はこんなことがあるからこうなんだ。と、頷けます。

 一人一人のキャラクターにはそれぞれどうしようもなく困っている所があり、
 それが作品にリアリティーを生み出しています。

 ここから先は一部ネタバレが入りますが、
 海野藻屑(うみのもずく)という親に虐待されている女のコがいます。
 そのコは自分のことを「ぼく」と言ったりしているいわば変人なんですが、
 何故か感情移入が出来て不思議でした。
 
 この本読んで色々面白い知識を得たのでなんか得した気分です(笑)。


■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 やっぱり海野藻屑です。外見も可愛いし。
 (イラストがそう思わせているのかも知れない……)


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 うーん。これといってないのですが、
 強いて言うなら物語にあってもなくてもいいような「無駄」があったことでしょうか。


■ 一言感想コメント                       

・海野藻屑が好き。一人称「あたし」の文体。ミステリ的なところが良い。
 ページ数の短さに反比例して内容が濃い。

・キャラクターがどれも異質で、非凡なのにアッサリ感情移入ができるところ。
 情景描写も研ぎ澄まされていて、隙がなく洗練された印象を受けました。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
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