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楽園の魔女たち
『魔術師見習い大募集』 公認魔術師エイザード―かれの呼び掛けに集まったのは、いずれ劣らぬ変人揃い。 すべての学問に秀でたサラ、プライドが高く語学に精通しているダナティア、 剣の腕にかけてはピカ一のファリス、想像力豊かなマリアの女性四人。 それぞれの思惑を胸に、騎士兼料理人のナハトールと使い魔のごくちゃん共ども、 虹の谷の“楽園”で修行に励むこととなるのだが……。
冷静沈着鉄面皮のサラ。 お人よしで美少年顔のフェリス(女)。 見た目、精神年齢ともに12歳ほど(実年齢16歳・人妻)マリア。 唯我独尊ダナティア。 ぬらりひょんのエイザード。 筋骨隆々おさんどん(男)ナハトール。 顔は二枚目性格は三枚目、古風な騎士アシャ。 キャラが個性的なのに、どのキャラも生かしきれています。 それぞれのキャラの成長、考えの変化、過去からの脱出など、深いところまで書かれています。 この作品の基本はギャグです。 そのギャグのテンポがよくて、何度でも読みたくなる作品です。 それぞれのキャラの掛け合いが面白いです。
黙っていれば二枚目なのに、口を開くと三枚目。 言葉遣いは古風で、魔術師向きな古代の体質をしているらしいです。 そのくせエイザードのことを妖術師呼ばわりをして、追い出そうとしている。 エイザードとの掛け合いのシーンが好きです。 3いらずと呼ばれているところもいいです。 医者いらず(病気にならないから)、嫁いらず(炊事洗濯自分でできるから)、 猫いらず(大声でねずみが逃げていくから)。 『支部長どん』とよばれ、彼の性格や人柄などが村の中で愛されていることがわかります。 以下ネタばれ その証拠に、都に帰るとわかったときの村人たちのうろたえぶりがすごいです。
全然気にならないレベルですし、ギャグとしてスルーできますが、 本当に嫌いな人にはお勧めできません。 あと、最後のほうがギャグじゃないところでしょうか。 ラストエピソードでは魔法もほとんど出てこなくなりますし。
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楽園まで
雪が降り続ける世界。 普通の人と目の色が異なるオッド・アイの少女ハルカと弟のユキジは、 異能を持つために悪魔と呼ばれ、教会に追われていた。 ハルカは心を失った双子の弟ユキジの手を引いて「楽園」を探す。 旅の最中に出会った青年ウォーテンは二人が悪魔であることを知っても態度を変えなかった……。 一方、悪魔を狩る役目を担う「狩人」の青年ルギは、教会に疑問を抱き始めていた。 ハルカとユキジは、「楽園」の在り処を知るが、「狩人」たちに追い詰められて……。 ――お願い。なにも望まないから、なにも奪わないで。 第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞受賞作。
けれど、これを読んで思うのは「されど、小説は現実より遥かに美しい」と……。 友風子さんのイラストと、張間ミカの文章が、しんみりとしていて、 それでいて清廉な雰囲気を醸し出していました。 そして、帯びに載っていた台詞、 ――お願い。 なにも望まないから、 なにも奪わないで。 これを見た瞬間、手を伸ばさずにはいられませんでした。 是非とも御一読下さい。
彼女の笑みや考えに、人の根源にある恐さのようなものを見た気がして、妙に印象に残りました。
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