戻る 目次へ戻る 次へ

 ビタースイートな青春学園ミステリー、好評シリーズ第3弾!

“文学少女”と繋がれた愚者


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 50
 おもしろいです! 4
 なかなか良いです 1
 ふつうです 0
 イマイチです 1
 おもしろくないです。 2
 買うと損します。 0

ジャンル学園
著者野村 美月
出版社:ファミ通文庫
発行年月: 2007年01月
本体価格 600円 (税込 630 円)

カルガワさん(19歳・男性) 紅葉さん(15歳)一押し!

■ 解説                               

「ああっ、この本ページが足りないわ!」
 ある日遠子が図書館から借りてきた本は、切り裂かれ、ページが欠けていた―。
 物語を食べちゃうくらい深く愛する“文学少女”が、これに黙っているわけもない。
 暴走する遠子に巻き込まれた挙句、
 何故か文化祭で劇までやるハメになる心葉と級友の芥川だったが…。
 垣間見たクラスメイトの心の闇。追いつめられ募る狂気。
 過去に縛られ立ちすくむ魂を、“文学少女”は解き放てるのか―?
 大好評シリーズ第3弾。


■ カルガワさんの書評                      

 今までの、欠点と思しきところが全部吹っ飛ばされて、
 前回までからすれば予想できない展開が待つ、
 しかし怒涛ではない急展開が用意された革命的展開の今巻。


 これから手に取る方におすすめすることはまず、この感想を読まないことです。

 とりあえず、読んだ後の感想は、速く続きが読みたい の一点に尽きであろう今巻。
 今までの作風をふまえた上、前回しんみりとしたかイメージが強く出ていたこともあって、
 いつものようになにか残るものがある読了感を味わい終わると……
 誰もが準備し気持ちを完全に終了に置き換えていた所で、
 闇討ちのような最後の数ページの衝撃。これで次が読みたいと思わない人はいないでしょう。

 今までの巻がしんみりある程度予想ができた結末、
 しかし後に残るものが多かったイメージに対して今巻はまさに不意打ちと衝撃に満ちている。


 今巻前半と終盤、本を閉じれば物語が終ってしまうのか、
 そう思っているのならあまりにも味気が無い、と、遠子さんは語る姿が目立ちます。
 今巻はこの言葉の通り、作中所々、以前に
 「前回で解決したはずの、というかこっちがそう思っていた」キャラが、
 しかし根本的にはまだ何か終っていないことの一端を突然匂わせます。
 
 そこがまた不意と不安の隙間ついてきて唖然とする、というか正直ビックリします。
 そしてそのことは今巻ではあきらかに解決しているとはいえません。
 最後の衝撃もそれにしかり、彼らはまだなにか隠していることが、
 秘めていることがたくさんあるのだと気付かされる描写が多く存在し目立ちます。
 
 じらされるというか焦らされるというか、
 前巻までとはあきらかに読み終えたあとの心臓の鼓動というか心持が違うことだと思います。
 
 今巻はそんな多くの衝撃と伏線がてんこ盛りで、
 とても読了感にしっとりと浸っている暇なんか無いです。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 やっと主人公が少し成長しまたよ。心葉君。
 だがしかし、読み終わった人なら透けて見える彼の将来の暗雲が、
 またこちらをやきもきとさせる憎い展開です。

 こっちから先はネタバレですが。

 せっかく他人にかかわり、友達になろうとしていた行動の矢先に、
 その友人が彼にとってもっとも大事な秘密を隠していることになろうとは。
 読んでいる者としては、この先確実になにか争いごとになることが透けて見えるこの急展開。
 いかん、本当に先が気になるの一言に尽きますなこの巻は。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 前記したとおり、既存に目立った欠点の粗方が払拭されている
(先輩の本を食することでのコンプレックスが強く出ていたりと、
 設定の放置ぶりもここらへんで目立たなくなります)
 ので特に自分的には目立ったところは見当たりません。

 がこれこそ仕方ないことだとは思いますが、今までになく後味の悪いというか。
 次巻の展開と伏線がドドンの予定されすぎて、どうもしっくりおさまらない、
 そんなものを残してここで終わりんな〜という良い焦らし方の終り方は、
 きっと嫌いな人は嫌いじゃないかな、今までの色より少しばかり離れすぎている感は否めません。
 
 特に今までのイメージが好きで読み続けていた人にとっては、
 ちょっとどうなのかなと疑問には残る終り方だとは思いました。




■ 紅葉さんの書評                        

 井上心葉の属する文芸部は、ある日切られたページのある本を見つける。
 自称“文学少女”の天野遠子は切られている事に怒り犯人を捕まえる事を決めた。
 そして、天野遠子の提案でなぜか文芸部は文化祭で劇をする事に――!

 “文学少女”シリーズ第三作目です。
 今作では心葉のクラスメイト、芥川一詩にスポットが当てられます。
 彼に隠された謎、秘められた過去。文化祭の劇を通して明かされていきます。
 最後は予想しなかったラストが待ち受けています。

 見所としては、やはり天野遠子先輩の語りです。

 本を食べ物に例えて美味しそうに語る彼女は本当に可憐で素敵だと思います。
 クライマックスにも彼女は物語を読み解き、それを静かに語ります。
 やはりそこはとても神秘的で、他にはない面白さを含んでいます。

 この作品は、所々にあるキャラクターの一人称で語られる部分があります。
 本来は心葉の一人称なのですが、そこだけはあるキャラの一人称で語られるのです。
 その部分はそのキャラの心の葛藤だったり、重要な伏線を含んでいる場合があります。
 私も読み終わった後、そのキャラが誰なのかはっきりして納得しました。


 第一作から読み始めた人にとっては、最後は本当に衝撃的です。
 いや、まさか――と思うほどです。それ位、すごい真実が明かされています。

 恋に悩む人。作中にあるような激動の恋はそこまで現実にあるかわかりません。
 あなたも“文学少女”と共に、物語を読み解いて見ませんか。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 天野遠子先輩と、井上心葉です。
 天野遠子先輩はそれはもう可愛くて仕方がありません。
 それでいて物語を語り、読み解いた物語を語る場面は非常に可憐です。
 きっと彼女を嫌いだという人は、この作品を読む人の中にいないと思います。

 井上心葉は不幸な少年です。
 不幸から立ち直る事が出来ず、友達を作ることや誰かとの密接な関係を避けてました。
 それでも今作により前向きになっていきなんか格好良くなっています。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


-Mini Vote-
『“文学少女”と繋がれた愚者』のご注文はこちらから >>>

“文学少女”が、何と突然の休部宣言!?

“文学少女”と穢名の天使


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 25
 おもしろいです! 0
 なかなか良いです 1
 ふつうです 0
 イマイチです 0
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 0

ジャンル学園
著者野村 美月
出版社:ファミ通文庫
発行年月: 2007年05月
本体価格 600円 (税込 630 円)

エンデューロさん一押し!(男性・16歳)

■ 解説                               

 文芸部部長、天野遠子。物語を食べちゃうくらい愛している
 この“文学少女”が、何と突然の休部宣言!?
 その理由に呆れ返りつつも一抹の寂しさを覚える心葉。
 一方では、音楽教師の毬谷の手伝いで、ななせと一緒に放課後を過ごすことになったりと、
 平和な日々が過ぎていくが……。
 クリスマス間近の街からひとりの少女が姿を消した。
 必死で行方を追うななせと心葉の前に、やがて心葉自身の鏡写しのような、
 ひとりの"天使"が姿を現す――。
 大好評シリーズ第4弾!


■ この作品について、熱く語ってください!            

 “文学少女”シリーズ第四弾です。
 今作では、主人公井上心葉に想いを寄せる琴吹ななせが重要な役柄を担っています。
 彼女の親友、水戸夕歌の失踪により物語は動き出すことになるのです。

 “文学少女”シリーズは、実在する文学作品を元にストーリーが展開されます。

 キャラは違ってもキャラ同士の関係や構図が、実在の文学作品と似ているのです。
 このお話は、有名な「オペラ座の怪人」をベースに話が進んでいきます。


 実在の文学作品と、小説内の物語の紡ぎだす見事な調和に驚かされます。


 著者の描くキャラの葛藤や交錯する想いに胸が締め付けられました。
 失踪した友人を探すななせの不安や、それを支える心葉の葛藤。
 消えてしまった友人が、どうなったのか真実を知ることを心葉は拒みます。
 真実を知ることが正しいとは限らないのに、と。

 しかし、ななせの友人を想う勇気に心葉は立ち上がり真実を探り出します。
 そして行き詰って、どうしようもない時――現れたのは“文学少女”だった。

 彼女の想像によって、暴きだされた真実は切なく哀しい。
 クライマックスは本当に感動しました。

 ぜひ、読んで頂きたいなと思います。


■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 井上心葉です。
 この小説は一人称小説で彼視点で進むのですが、結構共感できました。
 彼の優しさや、時折見せる涙もとても印象があります。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 これは仕方ないのですが、受験のため遠子先輩の登場が少ない所です。
 まあそれでも、十分おもしろいのであまり気にはなりませんでしたが。



■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


-Mini Vote-
『“文学少女”と穢名の天使』のご注文はこちらから >>>

あなたの知っている隠れた名作を教えてください
 
 一押しのライトノベルのレビューを大募集中! 投稿してくださる方は、

 『一押しのラノベ募集係』 『一言感想係』 よりお願いします。
その小説、105円で売られているかも……

戻る トップへ戻る 次へ