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はじめに
版元(出版社)が自社の費用で出版物を刊行するのが、ふつうの出版。商業出版です。 一方、自費出版とは、読んで字のごとく、 著者が自分で費用を負担して本を出版することを言います。 自分史などの他に、小説やエッセイ、詩、俳句、短歌など、 創作表現としての自費出版が盛んであり、 自費出版を請け負う出版社も数多く存在します。 おっ、それなら自分の本を作って、世の中に発表することができるじゃないか!? これって新人賞に受かるより簡単に作家デビューできるってこと!? と思った方は、ご注意を。 もし、あなたが自費出版を考えているなら、まずはこちらのコンテンツを読んで、 自費出版がいかなるものだか熟知して欲しいと思います。 ▲ページの先頭へ |
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自費出版の実態
この情報は、村松恒平氏によるメールマガジン『[プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール』 『通算191号「自費出版社の実態」』2006/03/08の内容を、村松氏の許可を得て転載したものです。 村松氏は、20年以上のキャリアを持つプロの編集者兼ライターです。 サイト『村松恒平 文章が上達する学校』や、メールマガジン、 出版している本は、どれも非常に役立つので、興味がある方ぜひご一読ください。 ●Yさんからのメール 自費出版専門の×××という出版社をご存知ですか? 村松先生の著書を読んでいましたので、そういう類の出版社はかなり警戒していました。 昨年に初めて書いた長編を無謀ながら**社の新人文学賞に応募しました。 予想 通り一次で落ちましたが、それを読んだ友人の一人が×××のことを私に話してくれました。 先生の著書のおかげでかなり警戒していたから逆に安心なのと、 あとは本を出すということは意外と採算がとれないものだということも、 先生の著書から教えて頂いたので、怖いもの見たさ? もあり行ってみました! 私はもともと問い合わせの段階で『文学賞で落ちた作品です』と話してありました。 約束の時間に行くと、入り口の女性に「ジュースとコーヒーと紅茶どれがいいですか?」と言われ、 飲みながら待っているとプロデューサーなる人が現れました。 挨拶をしてから原稿を手渡すと最初の5枚ぐらい読んで、 「文章もしっかりしていますし、すごいですね。 最近は書きたくても書けない人が多いのでまとまった分量を書き終える人は意外と少ないんですよ」 と言われました。 速読? かと思いましたが、すみずみまで読んでいないのかもしれませんし、 出版社のみなさんは早いのかもしれませんが、このコメントはとってつけた感がありました。 すでに読書家の友人数人から感想やダメだしをもらっていたので、 簡単には浮かれたりしませんでした。 「これなら会議にかければいい線いけると思います」 と始まり、やはり向こうから自己負担の金額の説明がありました。 「Yさんはもっといろんな人に読んでもらいたいと思いませんか?書店流通ならそれが可能ですよ」 と続きました。 そこで今度は私の方から、 「自己負担があるということは、 もし一冊も売れなくても御社はそんなに損害はないんじゃないんですか?」 と聞いてみました。そしたら、こうです。 ・本というものは原稿からそのまま本になるのではなく、まず編集者のチェックが入ります。 これは今たくさん本を売っている有名な作家さんでもそうです。 それから本の表紙のデザインをする人、帯のキャッチコピーを考える人、 そして本を本屋に持ちこみ営業をかける人の人件費などなど、こんなにもかかるんです。 ・当社はいったん出版したら、絶対に絶版しません。 出版社が本を出すとその本は資産とみなされ、 倉庫に本をかかえているだけで税金がかかるんです。 ・×××という名前をつけて出版する以上、あまりひどい作品は、 いくら個人負担額を大幅に増やしても書店流通スタイルにしないで、 ISBNコードも×××の名前もない自費出版でしか本にしません。 ・もし初版で実績があれば、二作目は自己負担額なしで出すことも十分にあります。 と説明がありました。そして後日審査結果が届きました。 ○文庫A6版 144ページ 定価650円(税別) 自己負担:\1,510,000(税別) ○B6版 144ページ 定価1,200円(税別) 自己負担: \1,700,000(税別) ・発行部数500部(内50部は著者納品) ・印税 増版部数×定価×7% 増版時よりお支払い ・この自己負担額は制作費だけになります。流通・広告費は当社で負担します。 ……さらにこの下には分割支払いの目安までのっていました!!! これをもらってからいろいろな疑問が浮かんできました。 ・広告費と言っているが、二年間地下鉄通勤をしているのに車両内でやたら見かける ×××の広告は文学賞告知と出版説明会ばかり。なぜ新刊の案内のような広告はないのか? ・営業マンの人件費の話まで出たのに、本当に本屋まで営業をかけてくれるのであれば、 500部はあまりに少なすぎないか? ・私の探し方が下手かもしれないが、三省堂やジュンク堂などの大型書店にいつも行っても ×××の本はめったに見かけないので、本屋流通にはあまり力を入れているとは思えない。 ・×××の本だけがつまっている××××××という直営書店は、 名古屋一の繁華街(渋谷のような)にあるにもかかわらず、客がいない。 ここの近くの会社に勤めている友人も毎日前を通っているが平日も人がいないとのこと。 ・審査結果のお手紙と一緒に出版見本として送られきたの文庫とB6の新書を読んでみたものの、 二冊とも読破できないぐらいおもしろくないと私は感じた。 プロデューサーの方のお話は出版業界として本当のところもあると思いますが、 やっぱりな……という感じがします。 俳句を書きためたおじいさんは貯金をくずしてしまうんだろうな、と考えました。 字を書くことが好きな人であればあるほど、本は特別です。 私も本屋や図書館という空間にいるだけで、癒されると感じます。 そういう人の心をくすぐっているのでは?と思いました。 ●村松氏の回答 ×××の実情がわかってとっても参考になりました(笑)。 もう大きい会社だし、情報もある程度回っているので、 慎重に嘘にならないように話しているはずです。 しかし、本を出したい人はそれをつなげて過大な期待を抱きます。 150万はきちんとていねいな本作りをすれば、めちゃ高くはありません。 しかし、編集者をこき使い、安いデザイナーを使い、印刷屋も叩けば、 低コストで、かなりの利益を出せるでしょう。 一冊も売れなくても利益が上がる構造です。 大手の自費出版社は、大きい書店の棚を売り上げ保証のような形で買い上げています。 書店は売れないと知っていて場所貸しでお金を取っています。 そういう間接費はかかっていますね。 絶版はないと書いていますが、ここでは倉庫代が書かれていません。 たぶん著者側の負担です。400冊売れ残ると、年間数万円かかります。 だから著者のほ うで絶版を決断することになります。 本を出しても売れないことは間違いないです。 幻想産業です。僕の本を読んでいてよかった(笑)。 転載許可をくださった村松恒平氏に心より感謝いたします。(所長より) ▲ページの先頭へ |
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共同出版
出版社に依頼して、本を自分の費用で出版してもらうことを自費出版と言います。 自費出版は、通常の出版に比べて作者にとっての負担が大きく、見返りが小さいのが特徴です。 本の流通にかかるお金を作者が自分で支払うため、 出版社としてはリスクが無く、基本的にどんな作品でも本にしてくれます。 しかし、通常の本が編集者や校正の厳しいチェックを受けるのに比べて、 内容が吟味されることがないため、 まずほとんどの作品が商業流通に耐えれるレベルではありません。 しかも、宣伝やバックアップもされず、それらは通常の書店に並ぶことさえないのです。 つまり、せっかく自腹を切ったのに、まったく本が売れないという結果に陥ります(涙)。 そのため自費出版をするくらないら、 何年かかってもいいから新人賞を受賞するべきだというのが定説です。 私も自費出版など考えず、新人賞を目指すことをオススメします。 しかし、この自費出版の世界に、共同出版(協力出版)という新しい形態が生まれました。 作者だけにリスクを背負わせるのではなく、 作者と出版社がリスクを分け合うことによって出版を可能にしようとするものです。 さらに全国の有力書店と提携、出版された本は必ず一定期間、書店の棚に並びます。 その上、インターネット上の大手ネット書店での販売もなされます。 もし、内容が良ければ、プロ作家の作品と同じように売れる可能性があるわけですね。 ただ、自費出版に比べて作者に有利になっているとはいえ、 共同出版の実態も自費出版と実はあまり変わりありません。 寄せられた情報を元に、この共同出版の光と闇の部分についてお話ししたいと思います。 自費・共同出版を扱う出版社は、通常の出版社とは違う 自費・共同出版を行っている出版社は、通常の出版社とは利潤の仕組みが違います。 通常の出版社は本を売ることで利益を得ます。 本の製本代、流通作業の他、作者にも原稿料や印税を払うのですから、 できた本が売れなければ赤字です。 だから作品を見る目も厳しくなります。 新人賞で選ばれる作品が、ほのごくわずかなのもこのためです。 一方、自費・共同出版を行っている出版社は、読者ではなく作者をお客さんにしています。 作者からお金をもらって、本を出版することによって利益を生み出しているのです。 客商売ですから、お客さんに逃げられては困ります。 そのため、原稿に対して欠点をあげつらうような批評はしません。 作者に気持ちよく本を出してもらうために、自然と甘い営業トークになります。 とにかく本を作ればお金になるということから、 中には原稿をろくに審査もせず、いい加減な編集をする出版社や、 釣った魚は逃がさないとばかりに、一度接触してきた人に対して、 共同出版をしつこく薦める電話をしてくる出版社もあるようです。 ただ、共同出版を行っている出版社のすべてが、 顧客満足度外視の金儲けしか頭にない悪徳業者というわけではありません。 中にはちゃんと本が売れるように書店に営業してくれる担当者や、 原稿にしっかりとした批評をつけて、作品の完成度を高めてくれる会社もあるようです。 出版社や担当者によって、サービスの質がだいぶ違ってくるというのが事実です。 文芸社が自費・共同出版では大手です。 他にも小さな出版社があります。 共同出版にかかる費用などもまちまちです。 もし本気で共同出版をするのであれば、 費用やサービスが一番良いのはどこなのか、事前に入念に調べる必要があります。 ▲ページの先頭へ 共同出版のリスクについて 情報提供・Triple-Iさん。2005年4月 『共同出版』の記事について、 項目を挙げた事自体に異議があるので、そのことについて話そうと思います。 とは言っても、僕のほうも聞きかじりな知識が多いので、 明確なソースを出す事は出来ないのですが……。 共同出版はボランティアではなく、出版社が利益を得るためのビジネスです。 著者の利益よりも、当然、出版社の利益が優先されます。 以前、「作家でごはん!」さんで、 共同出版などを推し進める出版社の「選考方法」の実体が、 内部告発的に書き込まれたことがあります(本当に内部告発なのかはわかりませんが)。 それによりますと、 『どんな作品にも形式通り(フォーマット通り)のヨイショした批評しかつけない』 『基本的に(一般的な新人賞のような)選考はしていない。 三次選考くらいならば、日本語が書いてあれば通過できる』 『一日80本の原稿を流れ作業的に「処理」しなくてはならない』 という事らしいです。 詳しくはこちら(作家でごはん! 創作意見室過去ログ) 他にも「作家でごはん!」さんの過去ログを「協力出版」「共同出版」「自費出版」などで検索すると、 こういった話題は十分(知りたい情報をキャッチできるくらいに)出てきます。 他にも、「JANJAN」というサイトでは、こんな話題も出ています。 (文芸社「協力出版」で著者に請求する制作費は正当か?) (文芸社商法のさらなる疑惑) これによると、著作権者の支払う制作費は実費ではなく、 出版社の利益が加算されているということです。 つまり本が売れなくても、自費出版同様、出版社にはリスクがなく、 一方的に儲けられる仕組みになっているらしいです。 実力がともなわずに本を出しても、結局売れずに作者だけが損をするということになります。 僕にはこれらの情報を、正当なものか判断する事は出来ませんが、 こういった黒い噂が付きまとっているのも事実です。 上記の記事の中では、裁判沙汰になった事例も記述されています。 お金や名声などのリターンは考えない、とにかく本を出したいという人でないと、 自費出版同様、共同出版はオススメできません。 僕は共同出版や自費出版などが、すべて悪いとは思ってはいません。 これらがアマチュアの物書きにとって、1つの救いの手、光明になっていることは事実です。 ただ、自分の会社の宣伝に美辞麗句を立て並べ、 「本を作る(作らせる)」事にしか意識が向いていないような出版社があるのは、 ごまかしようの無い事実です。 基本的には、自費出版や共同出版の類というのは「作家になる」という目的とは離れた、 「どうしても本を出したい」という人がやるもの、という風に考えています。 この点のところを勘違いしないで欲しいな、と思っています。 ▲ページの先頭へ 危ういビジネスモデル かつては新風舎・碧天舎という会社も自費出版業界では大手に名を連ねていましたが、 経営が悪化し倒産しています。 その際、出版代金を前払いしたものの、 出版してもらえなかった著者が千人以上現れ、大問題になりました。 新風舎は共同出版事業によって出版点数が伸び、 2005年度には出版点数業界ナンバーワンになるほどでした。 しかし、出版される作品が多くなるに従って、著者とのトラブルも増え、 暴露本などの書籍やインターネット等でも、 「悪徳商法だ」と批判されるようになったのが原因で業績が急激に悪化していきました。 このため碧天舎は2006年に、新風舎は2008年に倒産する結果となりました。 ▲ページの先頭へ 共同出版についての意見 団塊女子さんの体験談 2011年12月9日 自費出版の実態を知らなかった私でしたが、がん体験から医師の無知、大学病院職員は医者のぬくもりで生きている腹立たしさ。 抗がん剤を拒否して2つのがんを自力で治したのは、カルテ開示と、治る患者の体験を書いた医師のエッセイによるものでした。 同じ病で治ると治らないに分かれる。 治った私が訴えようと文章にしていました。 包装紙に使われていた新聞紙で知り、新風舎にその文章を送りました。 「当然没よ」と思っていましたら、出しましょうと手紙が来ました。 舞い上がってしまって150万払って。500冊(うち著者分50冊) 完成したらたったB6判で108ページ。 クリエーターOOOの会社でホームページが作られて、こちらの会社にもお金が使われたらしい。 20店舗に平積みの報告。書店に行ってみました。 しかし、3か月後倒産、絶版となる。 その後弁護士を通じて、文芸社から再販の意志の有無の手紙が来ました。 文芸社は89万、800冊(うち著者分50冊)と提示。 加筆したいと言ったらOKで契約。 サブタイトルを変更して完成はB6判168ページ。 「これは、初めてと同じだ、本当なら200万」と言われた時は契約済みでした。 趣味の写真集を出したいと思いました。 A4判、フルカラー100ページ。 A4は棚が無いと言い出しました(契約書店の棚のサイズ) ジャンルに関係なく、自費出版系の棚にずらーと並べるのではねー。 初めて、他にも自費出版社は無いものかとweb検索するようになりました。 フルカラー写真とイラスト300枚、どこでも500万くらい。 予算は100万。 1000冊も作っても売れ残ると社会のごみだと思っていました。 探し当てた会社。 前金なし、校正完成後契約、支払い。契約書に裁判項目無し。 表紙デザインも自身で、イラストもスキャニングして送り、チラシのキャッチフレーズも自分でやらせてくれ無料でした。 350冊作って300冊流通。一年間に205冊売れました。 アマゾンのカーリルで検索。 カーリルに契約のない図書館でも、自分名で検索すると新着図書として発表されていました。 6カ月毎に締め切って、販売冊数×定価の50%+税、振り込まれましたので、調子に乗って120ページの続編を出しました。(520冊、500冊流通)。 この時は流通は500冊と星雲社が言ってるとのことでした。現在は400冊だそうです。 すると、続が、前を呼んだりして、夏休みには女子大の図書館も増えたり。 双方で現在100余冊図書館に入っています。 マスコミや図書館に献本は一切しません。 現在もネット書店と大手書店のジャンルの棚にあります。 元は取れなくても、グルメやブランド好き、海外旅行好きと同じ趣味だと思っています。 図書館が購入は何よりの喜びで「貸し出し中」など、ひとりほくそ笑む。お笑いください。 道端でアマゾンで見たと買ってくれた人。 私家版の趣味は有りません。 売上金くれない会社はネコババ自費出版社と思っています。 蟲森さんの意見 一つだけはっきりさせておいたほうがいいと思いますので、書き込みします。 そもそも自費出版というものは、 すでに書かれているように「どうしても本を出したい」という人がやるものです。 これがなにを意味するのかについてはしっかりと理解しておいた方が賢明です。 すなわち、自費出版は「消費行為」であるということです。 原稿を自分で書いているため、「作家活動」をしているような錯覚に陥りがちですが、 実際には「本を出したい」という欲望を満たすための「業者側の商品」というのが、 自費出版事業の本質です。 だから自費出版の会社がその質や採算にこだわらず、 とにかく本を作ることだけに特化した営業をするのはある意味で当然といえます。 今回はたまたま自費出版の話が持ち上がりましたが、 人々の創作したいという欲望は社会的に肥大傾向にあり、 それを支援するためのツールも進化していっています。 作家活動をしている、と思っていても実際には膨大な創作支援ツール、 もしくは創作支援システムの単なる消費者にいつの間にかなっている、 というのがこれから増えていくであろうと思われます。 送り手になろうとしながら逆にその欲望を支援する商品の受け手になる、 という倒錯にはある程度自覚的になっていたほうがいいのではないでしょうか。 矢治さんの意見 自費出版社に関する情報、とても勉強になりました。 最近は自費出版社からのベストセラーも出ていると雑誌などで大々的に宣伝されてますが、 あれが果たして来るべき世の流れなのか、 自費出版社が客を集めるために作り出したものなのか、その動向自体が気になっていましたから。 しかしながら、製本までに100万から200万かかるとして、 それが一冊千円で書店に流通するとなれば、 最低でも一万部から二万部は売れなければ元は取れないわけです。 新人賞受賞と札の付いた一般の本でさえその部数は厳しい現状があるのに、 共同出版でこのラインを超えている本がどれだけあるか……。 私の行く図書館にも自費出版社から出ている本が置いてあります。 確かに書店流通コードが付いていますが、50ページに満たない本の価格が690円だったり、 読者を考えた値段設定をしているとは思えないものがたくさんあります。 しかも、大手から出ている物で。 本を出すだけではなく、その先の読者を求めるなら、例え編集者や出版社が相手でも、 作者は自分の作品を守らなくてはならないと思います。 自費出版、商業出版、関係なしに。 もし、共同出版を考えている方がいらっしゃるのなら、 その部分をしっかり考えてからにして欲しいと、老婆心ながら申し上げておきます。 また、共同出版の上に企画出版という自費出版社が全額を負担して出版するシステムがあります。 最近は自費出版社でも新人賞を行っているようです。 でも、これに受賞しても企画出版ではなく、 共同出版を薦めてお金を取ろうとするのが常套手段です。 もし、自費出版社の新人賞を受賞したら、 「改稿なら何度でも受け付ける。そのかわり、企画出版で出してくれ」 と言ってみるのも手かもしれません。 読者にいいものを提供するためには苦しみ抜いて改稿するのは当たり前のことだし、 それで相手が「じゃ、出しません」というなら、 変な出版社に引っかからないで済んだというだけの話ですから。 紫逢瑠依さんの体験談 2004年 初めましてペンネーム紫逢瑠依(しおう るい)と申します 本日、たまたまこのHPに行き当たりまして小説のノウハウ等面白く拝見しておりました。 そのあと自費出版について書かれていたことが興味が合ったので読ませていただきました。 実は私も2004年ごろの話になるでしょうか? 「文芸社」さんから連絡をいただきました。 詳しく覚えていないのですが、当時はHPも軌道に乗りあちこちから色々なお誘いもいただきましたし、 自分でも作品の宣伝のために投稿などもしていました。 きっとその中に文芸社さんの関連のサイトもあったのだと思います。 ちなみに、倒産した「碧天舎」からも連絡があったように思います。 ネットで見つけて私の作品を読んだと言っていました。 私は本が好きで本屋通いもかなりしていましたので、 「本」が、決していい商売になるとは思っていませんでした。 出版業界の不況も聞いていましたし、本屋へ行けば薄い本ばかり、活字離れが激しい今、 いったい誰が読むのかと自分で書く身でありながら、読む身でもある私は思っていたものです。 文庫も500円以上、ハードカバーなどご飯よりも本が好きな私でも手に取りにくい価格です。 面白い保証がなかったらお金など出したくないですものね(笑) ただ「文芸社」さんは封書で割と丁寧に私の作品の批評など書いてきてくださって、 きちんと読んでくださったのが分かりました。 私が気にしていた(いずれ直した方がいいと思っていた)部分をちゃんと指摘して、 ここはおかしいですと言ってくれたので、全て目を通してくださったのが分かりました。 嬉しかったです。でも私の原稿はおそらく二万字ほどある長編も長編。 今時の若い子などちょっとやそっとで手に取る物ではないと分かっていました。 (折しも携帯小説真っ盛りでした) お金が掛かることも十分承知していたので放っておくと、電話がありました。 私は訪問販売と同じ対応で接しました。 作品を買い上げてくれるのでなければ(出版費用を出していただくという意味です)、 自費出版と変わらないので、そんな散財をする気はないとハッキリ言いました。 私の作品は長いこと=今の風潮にあっていない 字数が多い=見積もりよりもさらに高額になる これらをはっきり伝えました。 あちらでは、よくご存じですね……と笑いながら、 それでも現在の出版業界の実情など30分ほど話してくれました。 誠実な対応だったと今でも思っています。 ただそれはその方がはじめから誠実だったのか、 それとも私が実情を把握していて引っかけられない?と思ったからなのかはわかりません。 最後に「とても魅力的な作品なのでどこかで出すなら、絶対にうちに声をかけてください」 「どうでもいい作品を営業にかけるほどうちも暇ではないんですよ、 いい作品だからと思ったから営業したいんです」 という言葉たちにはお世辞と思いながら、今でもそれを思い出していい気分にさせてもらっています。 その反面私は心の中で「いい作品で営業はしたいけど、出版費用は出すほどではないのよね」 と皮肉も忘れませんが…… 以上が私の共作出版のお誘いの経験です。 その後、オンラインの作品提供の場でお誘いをもらい有料携帯サイトにて作品を掲載しています。 (同人活動のようなものでしょうか) 少しではありますがDLの料金もいただき、担当様にも社長様にもよくしていただいて、 のんびりと活動をしています。 まとめ 共同出版のメリット 一定期間、書店に本が並ぶ。 出版コードが付くので、ネット書店でも取り扱ってもらえる。 プロの作品と肩を並べることができる。 共同出版のデメリット 本が売れるという保証はない。 本が売れようと売れまいと、出版社にとっては利益となり、 大量の共同出版を請け負っているため、場合によって編集がずさんなものになる可能性がある。 自費出版同様に自己負担がかかる。 ▲ページの先頭へ 共同出版をされたハデスさんの紹介 ここでは、所長の友人のハデスさんが、 文芸社から共同出版によって本を出されたので紹介させていただきます。 (2005年11月より販売) 皆さん、こんにちは。ハデスです。 今更ハンドルネームで名乗りましても、あまり意味がないような気もしますが……一応です。 この度はうっぴー様のご厚意のもと、 こちらのサイトで私の本の紹介と、共同出版について語らせていただくこととなりました。 ありがとうございます。 本の宣伝用イラストを描いてくれた、イラストレーターのかごのとり様にも感謝しております。 共同出版というのは自費出版と同様に相応の費用がかかるのですが、 書店流通をするということが大きく違います。 通常の自費出版ですと、出版コードというものがつかないらしく、 これがないと書店様にて注文を取るとか、大手のネット書店での販売などが困難なのだそうです。 とりあえず普通の書籍様と肩を並べることになりますので、それなりの審査が必要です。 わたしは当初甘く見ておりまして、費用がかかるんだから楽にできるのだろうな〜、 などと思っておりました。 いや、ほんと甘かったです。 審査自体は通り、一応は書店流通にも耐えうるという評価をいただけたのですが…… 誤字脱字修正、表記統一、描写の変更など色々手間がかかりました。 三度ほど出版社様にも出向き、他にも仮原稿を郵送したり、メールでやりとりしたり。 開始から発売に至るまで半年近くかかりました。 一冊の本を作るというのは大変なんだな〜としみじみ思いました。 慣れない正装で出版社様に出向く時など、 『おお、本当に作家みたいだな〜』などと感慨深かったです。 でもまあ、平気でそのついで秋葉原の電気街巡りとかやってましたけどね。 出版されて何よりも嬉しかったことは、親や親戚、友人の皆さんが祝福してくれたことです。 作者当人は未だに実感が薄かったりするのですが……何か周囲の方が盛り上がってます。 でも、案外そんなものかもしれません。 ただ、困ったことは折角だから直筆でサインをしてほしいとの言葉がちらほらあることです。 そんなもの誰も欲しがるわけないと思っておりまして、 今まで一度たりともそんな練習をしたことありません。 すぐ身近で本を出されるというのは周囲にとっても、それなりに凄いことらしいのです。 しかも知人だったり友人だったり、更にその作品を読んでいたりすると感慨もひとしおだそうです。 新人賞の世界は現在大変厳しいもので、本当に運の要素も高いそうです。 新人賞のみに長年固執して、結果埋もれてしまう作品も少ないと実際に業界の方から聞きました。 一方共同出版という形で世に出て、評価を受ける作品も現に存在しています。 わたしもそれに続けましたら、大変喜ばしいのですが……。 世に本を出したい。 そのために新人賞を目指すのは素晴らしいことであり、わたしも応援いたします。 ただ、それ以外にも方法があるんだな〜ということを、 頭の片隅に置いておいてもよいかもしれません。 興味を持たれましたら、文芸社様のサイトを覗いてみてください。 それでは、失礼いたします。 ハデスさんの共同出版作品紹介 |
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