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  4. 小説における笑いのエッセンスとは?公開日:2013/04/25

小説における笑いのエッセンスとは?

 ケッタコルツァ!さんの質問 2013年04月22日

 私は今色々と物語を書いているのですが、あまり物語に笑いが無いのでは無いかと思い、こうして話題として出させていただきました。
 笑いと言うだけでも難しいですが…。漫画や漫才などでは視覚や雰囲気、言葉調子などでわかりますが、それを小説で解説を入れつつやると言うのは無粋な気がして…。
 言葉遊びとか、掛け合いだとするとどういう物にしますか?
 勿論他の笑いについても教えていただくとさらに嬉しいです!

●答え●

純金さんの意見2013/04/18

 純金と申します。
 えー、ラノベを文学と呼ぶのは少々抵抗があるので小説の笑いとして解釈させて頂きますが、ぶっちゃけどんなものもこんなものも、色々なコメディ作品に触れて勉強してくださいとしか言えません。

 笑いなんていうのは、そもそも一発ギャグとかダジャレでもない限り、シチュエーションありきでしかないものです。

 例えば、ここぞというときに「何でだよ!」というツッコミで大受けしたからと言って、いきなり舞台に出てきて「何でだよ!」と叫んだ所で誰も笑ってなんかくれません。スベリ笑いすら生まれないでしょうね。

 とにかく、色々なものから吸収して、自分なりにギャグを作ってみる。それしかないと思います。

茉莉花さんの意見2013/04/18

 はじめまして。
 茉莉花と申します。

>それを小説で解説を入れつつやると言うのは無粋

 まさしく「無粋」(笑)
 解説されてもねぇ……と思ってしまいます。

 これだけでは何なので(というより、あまりいい例が提示できないので)掌編の間にいろいろ笑えるのがありますよ、と誘導しておきます。

smanさんの意見2013/04/18

 漫才にしても、ボケだけで笑えることは皆無です。
 ボケ役がピンで出て笑えることは多々ありますが、その場合はボケに対し観客や視聴者がそれぞれ心の中でツッコミを入れているんです。
 ツッコミがない=観客にさえボケの突っ込みどころがわからない。こう考えると、そんなギャグは笑えませんよね。
 究極的には漫才師のツッコミ役というのは必要ないんです。それは観客がやれば良いことなので。
 じゃあなぜツッコミ役がいるのかと言うと、ツッコミ役は観客が「突っ込める」ように誘導してやる、ボケを上手く解説してやるために必要なんだと私は考えています。
 なので、観客の「ツッコミ」を代弁するだけのツッコミ役はボケ殺し以下の下手糞です。それこそ素人でもできるって事ですし、だからこそボケよりツッコミのほうが難しいわけで。

 これを小説に当てはめると、読者が突っ込めるように書けば良いということになり、「ツッコミ役」は必ずしも必要ではなく(小説の場合は特に、地の文があるため)、そして「読者のツッコミ」そのものを書いてはいけない。ということになります。

 漫才、芸人の場合は雰囲気や言葉調子があると書かれていますが、小説でもテンポや間というのは表現できます。それで言うと確かに解説なんぞはテンポを崩すだけですが、あえて崩すことで笑いを誘う技術もあります。
 例えば、読者に「いやいや知ってるよw」とか「しつけえwこの作者どんだけだよw」とか思わせる、要するに最初に書いた通り、読者にツッコミを誘う方法ですね。
 くどいだけになるか、笑いを誘えるか。まあそんなのは芸人だってウケるかスベるかがあるわけで、このあたりは作者のセンスや知識次第かと思います。

 私はギャグやコメディ以外に、少し考えなければわからないようなユーモアを盛り込むことが多々あります。
 ちょっと前に書いた小説(コメディ作品ではない)の一部を数行にまとめてみます。

「彼のことが心配?」
「別に。雨が降ってきたなって、外を見てただけよ」
「ああ、そういえば彼は傘を持ってなかったね」
「何の話よ」
「雨の話。すぐやめばいいんだけどね」
 友人は含み笑い。そっぽを向いた彼女の視線の先には連日の雨模様。
「……まったく、鬱陶しい」
「しばらく続くらしいよ」
 軽く答えた友人に、振り向いた彼女の視線がじとりと刺さった。

 「鬱陶しい」の意味するところがどこか、って感じの流れなんだけれど、わかりますかね。
 この場合、特筆しておかしな会話ではないと思うのだけど、会話に対して最後に彼女が友人を睨みつけています。何も考えず読んでいた読者はここで「なんでいきなり睨みつけた?」とひっかかりを感じ、少し考えて状況を理解すると、そこで「ああなるほど」と軽いカタルシスを得る。
 ……とまあ、私が想定する読者の場合は、という条件付きの解説ですが。

 笑いが起こるようなギャグだけでなく、クスリとするような、あるいは読者が感心するようなユーモアも必要だと思います。
 個人の感性によりますが、アメリカのドラマや映画なんかはこういうユーモアにあふれてますね。

 まあでも、技術は経験を後押しするだけなので、執筆中にこんなこと考えるものではありません。
 私も、単に気に入ったシーンを振り返って意味付けしてるだけです。

井戸中カエルさんの意見2013/04/19

 こんにちは。
 笑いのエッセンスとは何ぞや? というのは、なかなかに深いテーマで、とてもじゃないが本質論に立脚した物言いなどできようもありませんが、

 笑いが「ギャップ感」と関連することは標準的な解釈として認められていますね。

 漫画・漫才における視覚情報や発話のスピード、トーンの上下などの音声情報が笑いを後押ししているのは事実ですが、これらは補助的な装置。それがないからといって小説が笑いを作り出すことができないわけではありません。映像の動きや音声のイントネーションを地の文で自然に説明するのは難儀ですが、不可能ってほどでもないと思います。

 まず、純金さんの論説をパクリます。
 シチュエーションでギャップを出す。たとえば、しめやかな中にも緊張感を伴った静かな法事の風景。かしこまっていると、前に座った親戚のおばちゃんが足がしびれたのか、もぞもぞしている。吹き出しそうになりながら隣を見ると従兄も肩を震わせて笑いをこらえている。そして子どもたちは互いを笑わせようとつつき合い、爆笑へのチキンレースが始まる。
 なんかベタな例ですねえw

 要するに、大真面目な舞台装置を用意して、そこに不真面目をぶちこむ。古典的手法です。

 実例で言うと、私の場合は夢と現実のギャップみたいなのを使いました。
 偉大な魔王を目指し、裸一貫、現世で修行する一匹の悪魔。しかし現実は厳しく、時給750円の低収入が災いして生活すらままならない。バイト先でキレてしまい、クビになるというオチ。笑われました。作者もろともw

 会話、掛け合いについてはsman様のご提案をイタダキです。
 一見、何気ないやり取りに見えるけど、「その状況でその会話はないでしょ」と読者に突っ込んでもらう形式も良くあります。

「その質問に答えるの、今じゃなきゃダメ?」
 ミスターインクレディブルのギャグの中で一番好きなセリフです。
 ご覧になっていないと分かりませんね。うーん。では、こういう感じでしょうか。

 崖っぷちから張り出した木の枝にパラシュートが引っ掛かって宙ぶらりんになっている兵士。
 小さな女の子が崖の上からその様子を見ています。
 兵士が少女に話しかけます。
「お譲ちゃん、そんなところで遊んでいたら危ないよ」

 どうもうまい例が思いつきません。ごめんなさい。
 ただ、突っ込みを地の文で書くのは難易度が高いのは確かです。メタなギャグを狙うなら別ですが(私はやっちまいましたがw)。突っ込みを書くのであればセリフに書くのが無難かもしれません。

「ところで、今このやり取りをしてる場合じゃない気がする」
「僕もそんな気がする」

 手順としては、最初、読者にどのように情況を受け入れてもらうか、次に、どのように予想を裏切るか、という組み立て方になるのかな。文章の順番はその通りでなくても良く、情況の提示はsmanさんがおっしゃっているように後でも良い訳です。

 あと、茉莉花さんのご意見にも便乗。
 掌編の間で、そろそろ高得点になりそうな気配の良作コメディもあることですし。読んで参考になさるのも良いですが、一度参加なさることをおすすめします。みなさん、ビッシビシ鍛えてくださいますよw

 他人のふんどしでばかり相撲を取っていては怒られるな。
 ええと、これは自分の技量を超える領域なので申し上げるのは憚られるのですが。
 ユーモアやギャグは「目新しさ」、「独創性」が武器になります。過去に経験した面白さを焼きなおすのと、オリジナルの可笑しさを書くのでは、作者のモチベーションも何気に違ってきます。義務感で書くのではなく、書きたいという気持ちで書く。書いている自分が面白くなければ、読者も面白いと言ってくれません。少なくとも私の場合はそうです。

 何かの一助になれば幸いです。

小鳥遊夜々さんの意見2013/04/19

 真剣なお悩みですね、苦悩されているのでしたら、及ばずながら私が力になりましょう。なれると良いのですけど。

 こんにちは、小鳥遊夜々です。
 物語の中でのお笑いですね、読者さんがとても楽しんでいただけたらというお気持ち、よく分かります。
 笑うと言うよりも、笑顔になることをお考えになってはいかがでしょうか。思わずくすりと笑ってしまうようなことから、始めるのが宜しいかと思います。

 ですから、ほんの少しでも笑って頂ける些細な出来事、そのようなことを調査してみるのです。ご自身の体験談でなくても、もちろんそうであっても構いません。そのようなささやかな繰り返しが笑いに繋がるのではないでしょうか。なんでも最初から高望みをするのは難しいことです。

 それでは失礼しますね。

ちきさんの意見2013/04/20

 同じ問題を抱えていたちきです。

 文章で笑いをとるなら、セリフのテンポが大切です。

 その辺をうまくやっていたのが『バカとテストと召喚獣』 です。

 劇団のTEAM NACSの大泉(たしか大泉だったような……)という人がいます。「水曜でどうでしょう」でも有名な役者です。

 その人が笑をと勉強するために落語を聞いたそうです。

 言葉遊びや笑いは、私が家で話すときのそのままを使っています。
 あとは、ボケ役と突っ込み役を作ります。

 笑いを入れなくて物語は成立します。ハードボイルドです。ラノベでもハードボイルドはあります。私が見つけたハードボイルドものは『僕の学校の暗殺部』 です。

 本物のハードボイルドものでした。

トータスさんの意見2013/04/21

 初めまして、トータスと申します。

 以前、似た様な事を質問した際は、私は貶されましたね。
 面白くも無いと・・・けんもほろろでした。

 私は二次ですが、つい最近、画面に向かって吹いたとのコメントを頂きました。
 まぁ、実際に自分の身に起きた事を文章化して見ただけだった訳ですが、受けた模様です。

 他にも、主人公が幼い事を利用して、舌っ足らずな為に登場人物の名前を言い間違いさせてみたりもしました。
 それもまた受けた様で、面白かったと。

 とあるむかぁしのテレビ番組を組み込んで見たりも・・・
 それが出来そうな場面があったモノで、組み込んで見ました。
 続編を求められているのですが、中々に進みません。

 上手く説明する事は私には難しいので、兎に角、解説は余り入れずに連想して貰う事にして見ています。
 上手く連想して貰えれば上手く行くのですが、そうでないと苦情があ! 一杯来ました。

 連想させられるかどうかは、その人の知識量などにもよる訳ですが、上手く当て嵌められるか次第かな?
 相手が若いと通用しない場合が多々・・・流石に年齢差があり過ぎたかと思う事も。

 私はノリとテンポで書き進めています。
 ハ-メルンで同じハンドルネームで公開しておりますので、参考になればどうぞ。

てんさんの意見2013/04/26

 自分は大真面目に書いた話がコメディに分類されました。

 うちの姉は、面白い小説=笑える小説だと言い切ります。
 そんな姉に、どんな話が面白いかと聞いたところ、
「やってはいけないことをしている、というのが、一番笑える」
 との答えが返ってきました。

 そんなこと、したらいかんやろ!
 そんなんなったらダメやろ!

 という、非常識さが笑えるそうです。
 話の全体でそれをやると、小説のジャンルそのものが、コメディやギャグになってしまいますが、ふとした会話に、軽くおかしな言い回しを含む、登場人物に天然ボケな動きをする人がいる、などで、笑いを組み込むことはできると思います。
 笑いのツボは人それぞれなので、すべての人がウケるかは難しいですが…。

 自分は回りにちょっと変な友人がいるので、その人を参考にしています。
 あいつやったら、こんなとき…こんなアホなことするなあ…
 こういうボケかましてきて、笑ったなー…などと。

m2さんの意見2013/04/27

 とても興味深い話題です。
 笑いのエッセンスを挙げるとすると、ギャグ・ユーモア・アイロニー・シュールが代表的でしょうか。
 ギャグやユーモアはバラエティ番組などで馴染み深いので会話劇では使いやすいと思います。それについては他の皆様が詳しく書かれているので触れないようにします。
 あとは「直球表題ロボットアニメ」を見るとか。

●アイロニー
 政治批判やブラックユーモアなどシニカルな話題は実際には笑いと云えないかもですが、嫌味なキャラに言わせるとキャラの強調に効果を発揮しますし、作者の本音みたいなモノを書くことができます。

●シュール
 いわゆる不条理というヤツですが、何を持って不条理とするかで作品の質が大きく変わる素材だと思っています。
 例えば、ゴ○ゴ13、機動戦士ガン○ム、北○の拳などの一時代の象徴みたいな作品は決め台詞が定番になりすぎていて、ギャグのように感じてしまいます。
 真剣に書いてあるからこそ笑える。キャラが真剣に言っているからこそおかしい。それを利用しキャラを構築すると笑いに深みがでるのではないでしょうか。ただ一部の人を蔑んでいるように書くことは生理的に嫌がれるかもしれないので使い所が難しいとは感じます。

 定番ではヲタや腐女子の生態的なモノは多くの作家さんが取り上げています。作者本人がそういった経験をもとに自虐的に書いているのでしょう。たまに「うわっマジひくわ~」と感想がもれそうになります。もしかすると今の主流はこの路線かもしれないですね。

 シリアスでもハードボイルドでもキャラのちょっとしたユーモアで深みのある台詞が生まれその作品が好きになったりします。
 私はどんな作品でも、洒落っ気の感じ無い作品は凡作に感じてしまいますし、逆に自作を書く時はいかにクスリとさせるか?が命題になりますので、小説に限らず物語には笑いの要素は不可欠だと思います。

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