アイルー君メラルー君さんの質問 2014年06月01日
小説を書いている時、読者の視点に立って考える、というのが基本だと思っていますが、この難しさに悩んでいます。
投稿した小説についたコメントを読むと、どんでん返しに失敗していたり。
残るものが無いといわれたり。
かと思うと自信の無かった話が好評だったりします。
これらは読者の視点で客観視できていないのが原因だと分析しています。
が、読者視点はどうやったら獲得できるんでしょう?
例えば、投稿室でよく活躍されてる方が、たまに滑った話を書くことがありますよね。(申し訳ありません。僕なんかは滑りまくりですが・・・)
また、プロの短編集なんかでもダダ滑りの話を見かけることがあります。
そういうのを見ると、一体どれだけ険しい道なんだろう、と思うことがあります。
とにかく感想を貰って分析すればいいのかな、と思っていますが、実際はどうやったら読者の視点に立てるんでしょうか。
レスよろしくお願いします。
●答え●
手に入れるというか、作者視点というフィルターを除去ないし分離すること、です。
よほど奇怪な人生を歩んでいない限り、誰でも最初は読者視点しか持っていませんし、これが失われることはありません。
が、創作に携わるとそこにフィルターが掛かります。特に自作に対しては、外すことが困難なレベルのものが、何層にも 重なって掛かってしまいます。
読者視点というものは誰でも持っている――
まずは、このことをしっかりと自覚してから、解決方法を考えてみるといいかも知れませんね。
自分の小説を読者の視点に立って見直すには、一つは冷静であること、もう一つは自分の感性を磨くことが重要だと思います。
冷静であるとは、いわゆる客観視を行う状態のことです。自分の小説を書いたときの主観をできる限り排し、あたかも自分自身が読者となって自分の小説を見直すことです。
飛車丸さまのご指摘と同じですね。作者視点のフィルターを取り外すことです。
方法の一つとして、数日あけて読み返すというようなクールダウンが挙げられると思います。
推敲の際に意識的に行っていれば、だんだんと身に付いてくることかなとは思います。
次に、感性を磨くことについてです。
仮に、自分の小説を、自分が読者となって読み返したとしましょう。
その際に抱く感想は、自分の感じたものに他ならず、他人の抱く感想を、自分が抱くことはできません。
十人中八人が気付く欠点があったとして、自分がその八人に入っていなければ、いくら自分の小説を冷静に読み返しても、その欠点には気付かないわけです。
ですから、自分の感性を広げる必要があります。
そのためにはどうするか。他の方の小説を読むのです。
他の方の小説を読み、その小説に送られた他の方の感想を読み、自分の抱いた感想と比較する。こうすることで、自分の感覚の立ち位置がなんとなく分かりますし、自分にはない感性に触れることもできます。
また、他の方の小説に批判を書けば、その批判を自分の小説にも適用して自分の小説を推敲することもできます。
小説だけでなく、感想も全て読まなければなりませんから、ちょっと大変かもしれませんが、得られるものは少なくはありません。
>とにかく感想を貰って分析すればいいのかな、と思っていますが、実際はどうやったら読者の視点に立てるんでしょうか。
自分の小説を分析することも大切ですが、他の方の小説を分析することで見えてくることもあります。
私見を述べてみました。お役に立てれば幸いです。
言ってしまえば、プロでもアマチュアでも、すべての書き手にとって読者の視点に立って考えることは不可能です。
書き手の脳内には、まず「物語」があり、それをテキストに変換する作業が「小説を書く」ということです。そして読者は、そのテキストを脳内で「物語」として再変換するわけです。書き手と読者の間には、「物語」が事前に脳内にあるか、まったくないかという決定的な隔たりがあって、この溝は埋めることはできないからです。
誤解がないように補足しておきますが、この場合の「物語」というのは、その時、作者が書こうとしている「物語」という意味ですよ。他の作者が書いた物語を読む時は、その人は「書き手」ではなく「読者」です。
自分がこれから書こうとしている作品について、読者がどう感じるかを本当の意味で知ることは不可能。そういう意味で言っています。そこは、ご理解ください。
で、ですね。
じゃあ、どうすればいいかと言うと。
4年余り前からこのサイトに作品を投稿し続けている者の実感として。
作品を誰かに読んでもらい、感想をもらい、その感想の中で「最も不本意に感じる意見」を真剣に検討することです。
肝心なのは、その不本意な感想に対し「わかってないなぁ」とは絶対に思わないこと。その人の読解力の高い低いは関係ないんですね。自分が書いた作品がそう受け取られたという事実だけが重要なんです。
このことが理解できていれば、ある程度、効果があると思います。
ちなみに。
読者視点に立つのは難しいと言いましたが、「書き手が読者に歩み寄る」ということならできると思いますよ。
単に書きたいことを書くだけではなく、どう書けば読者に伝わるのか考える。
当たり前のようですが、そういうことを意識するだけでもけっこう違ってくると思います。
文章を平易でわかりやすくすることも必要ですし、時系列や視点を整えることも読みやすさに貢献します。そういうことは必要ない、面白ければいいんだと言う人をたまに見かけますが。そういうことを言う人が、じゃあどう書けば面白くなるのかちゃんと考えているのかどうか疑問です。自分が面白ければ読んだ人も面白いだろうと思っているとしたら、それこそ読者視点について考えていないということですよね?
> 小説を書いている時、読者の視点に立って考える、というのが基本だと思っていますが、この難しさに悩んでいます。
恐らくその悩み、解消される日はきません。
モノを書き続ける以上、それは悩み続けるべきものです。
> これらは読者の視点で客観視できていないのが原因だと分析しています。
> が、読者視点はどうやったら獲得できるんでしょう?
獲得する、しないという性質のものではありません。
常にその視点に立とうとするか、しないか意識、姿勢の問題です。
従いまして、あなたはそれを常に意識されているなら、もうそれで良いと思います。
> 例えば、投稿室でよく活躍されてる方が、たまに滑った話を書くことがありますよね。(申し訳ありません。僕なんかは滑りまくりですが・・・)
> また、プロの短編集なんかでもダダ滑りの話を見かけることがあります。
> そういうのを見ると、一体どれだけ険しい道なんだろう、と思うことがあります。
この例ですと、さも、読者視点に立っていないから(獲得していないから)失敗するという論理ですが、果たしてそうでしょうか。
常連の投稿者にしろ、プロ作家にしろ、何かしら「挑戦」や「課題」を掲げて書かれている可能性もあります。
そうした作品でなら、失敗も大いに価値あるものです。
> 投稿した小説についたコメントを読むと、
> どんでん返しに失敗していたり。
> 残るものが無いといわれたり。
> かと思うと自信の無かった話が好評だったりします。
それでいいじゃないですか。
読者の好むジャンルや、経験で感じられる評価や感想は大いに変わってきます。
あなたの読者さんが、いつも同じ人ならまた前提がいろいろ変りそうですが、様々なコメントをもらい、「そう感じる人もいるのか」と受け止めておけば良いと思います。
> とにかく感想を貰って分析すればいいのかな、と思っていますが、実際はどうやったら読者の視点に立てるんでしょうか。
読者視点を手に入れるという発想を捨てることを提案します。
前置きが長くなりましたが、具体的なプロセスをお求めだと思いますので、それを以下に記します。
作品ごとに、「挑戦」や「課題」を設定し、評価されていますでしょうか。
されていないようでしたら、そのプロセスを取り入れてはいかがかと思います。
具体的な手順の一例は、、、
1.挑戦や課題には、キャラ、ストーリー、構成、文章、伏線などにおいて的を絞って始めます。
2.コメントをもらい、自己評価。コメントでそのまま評価してもらっても良いでしょう。
3.慣れてきて、ある程度、目標達成してきた実感が得られたら、二つ、三つと範囲を広げます。
そんなことはやっているよ。
そう言われる可能性もありそうですが……。
発端の悩みについて、はじめから悩むべきものなのだ、と思えば、多少は気が楽になるのではないかなと思う次第です。
どれだけ客観的になったつもりでも、所詮は主観。解決方法は存在しない。
しかし、限りなくそこに近づくことは出来る。
簡単だ。読みたいものを書けばいい。これが最善だ。書きたいものを書こうとするから、ひとりよがりな作品になるのだ。
こんばんは、読者の目を知る方法は二つあります。
【一つ目……たくさんの感想を貰う】
どんでん返しに失敗しています、残るものが無いです、という感想は要求レベルが高いので。
初めのうちはあまり参考になりません。
「ここはこんな内容が読みたかったです」
「ここの説明はおかしくないですか?」
「ここでのキャラの台詞には違和感を感じます」
「このキャラは好きになれませんでした」
という細かい内容の感想を集めること。
そして集めた感想の共通項を調べ、多くの読者に指摘された部分だけを改善すること。
この方法で気をつけることは。
一人の読者の感想だけを鵜呑みにしてはいけないことです。読者が指摘する箇所すべて直せば、特定の読者の意見を反映した作品になってしまいます。それを防ぐためにできるだけ多くの読者から感想を集め。
感想の内容も重箱の隅をつついてくれるような、細かいものが望ましいです。
感想は批判ではなく、ヒントです。
あわなければ無視すればいいんです。選択肢は常に作者にあります。
これを繰り返せば読者の目がどこに向いているのか、どこが問題としてあげられるのかが分かるようになりますが。
自分一人では行えないので、自分も重箱の隅をつつくような感想を書く、仲間あるいはグループを作ることが望ましいです。
【二つ目……たくさんの感想を書く】
読者は繊細です。
普通の読者は面白いか、つまらないかしか判断できませんが。
そこに至るまでは、速くそして正確に様々な疑問や情報を整理して答えを導きだしています。
はじめのうちは作品を読んでも、面白いかつまらないかしか分かりません。
理由は分からないけどここから急に面白くなったな。ここからつまらなくなったな、と。
その理由を考えることが、『読者の目を理解する』ことに繋がります。
読んでいて面白いと感じた箇所、つまらないと感じた箇所を記憶して、必ずその理由を探します。
そして答えあわせのように、他の方はどこが面白いと感じたのか、感じなかったのか、その理由も確認しましょう。
これを繰り返し少し経つと、面白い、つまらないの理由が少しだけ分かってきます。
このキャラクターの台詞がいまいち。ここはこういう展開が見たかったな。
この書き方は上手いから真似しよう。
さらにそれが進むと。
ストーリーが甘い。起承転結に問題がある。この台詞はレベルが高いぞ。
そうやって、たくさんの小説を読んで感想を書きます。
プロの名作ばかりを読むか、ネット小説ばかりを読むか、どちらかを集中して読むことが望ましいです。
名作を光、駄作を闇とするならば。
どちらかを集中して読むことで、反対側の作品を読んだ時により敏感に反応することができます。
この方法の一番の問題は”書き続けている”ことが大前提です。
研究すること、批評することは諸刃の剣です。
書かないのにやるべきではなく。書く>読むのバランスが崩れると破綻し、スランプあるいは伸び悩みの原因になります。
読者の目を知ることができれば、作品を書いている最中に考えることができるようになります。
「ここをこう書けば、読者にきっとこう指摘されるから、改善方法としてこう書こう」
「ここはいまいち盛り上がらない、理由はなんだろう?」
「ここの説明は雰囲気だけが伝わればいいから、一行でいいな」
たくさんの感想を書く方法は相手を選ばないので、一人でもやり続けることができますが。
すぐに成果はでないのと、書き続けていないとやるべきではありません。
こちらは遠回りですが、そのぶん自信にも繋がりますし、最初も最後も人に左右されません。
賞に送った場合の評価シートは、作品の問題点に優先順位をつけ。
難解で今のレベルでは理解できないだろうな、と思う内容でも容赦なく書かれます。
参考にはなりますが、本当に役にたつのはもっとずっと後になってからです。
良いストーリーを作るためには、読者の目を知っておくことが必要になります。
ストーリーがある程度作れるようになると。
どんでん返しに失敗しています、残るものが無いですという問題は自然解決します。
そのときは感想の内容が、僕にはあわなかったけどきっと好きな人もいると思います、に変化します。
評価シートは容赦なく、『読者を意識していません』とつっこんでくると思いますが、ネットの感想であれば……。
何かのお役にたてば幸いです。
答えは有って無い様なモノ、とも捉えられます。
先ず第一の読者は筆者である、アナタ自身である事をお忘れなく。
筆者で在り、読者でもあります。
一人の読者に対して書くのであれば、その読者に対しての視点が必要ですが、幅広くの人に対しての視点で有れば、よりよいと思えるモノを目指すべきでしょう。
不特定多数の読者視点を手に入れたいのであれば、多くの人が良いと感じるモノを数多く、幅広く目を通すべきでしょう。
その過程で自分らしい作品を見つめ直すべきかな?
多くの物語に触れる事で、自分はどう思い、他の方はどう感じたのかを比較検討する事でもあるかと思われます。
先ずは己を顧みる事。
自信の有る無しに関わらず、これは私自身が面白いから、でも構わないと考えるべきでしょう。
一々他人の目を気にしていたらきりが有りません。
ですが、気にもなってしまいます。
他人は他人、自分は自分、と考え自分の作品で自分の読者を掴む、これが一番かな?
自分の作品を見てくれる、気にしてくれる読者の視点を目にする事が大事かと。
私はこの様に考えてみた次第です。
参考までにどうぞ。