ライトノベル作法研究所
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  4. 現代人は移り気になっている公開日:2014/07/17

現代人は移り気になっている

 りじゅさんの質問 2014年07月12日

 どうもお初にお目にかかります。りじゅと申します。
 さて、この項で書かれている冒頭で設定をクドクド書かないのお話は納得できるものでした。私はもとより知り合いもみんな共通意見です。
 でもでも、そういえば私の好きなラノベの一つに銀河英雄伝説と言う物語があるのですが、これってそう言えば冒頭の何十ページかはひたすら設定をズラーっと書かれているんです。
 しかしだからと言って無名なわけではありません。知る人ぞ知る稀有な作品だと思うんです。
 ってことは、作風如何によっては冒頭にクドい設定もアリなのではないかと考えが及んだのですが、いかがでしょうか?
 補足の指輪物語も最初から有名だったわけではなく、今現在は有名なのではないでしょうか。

●答え●

 冒頭に設定を書き連ねるやり方は、銀河英雄伝説が刊行された1980年代では通用したでしょうが、現代では通用しません。
 テレビ、ゲーム、漫画、インターネット、スマフォといった、娯楽コンテンツが世の中に大量にあふれた結果、人々の嗜好や行動に変化が起こりました。

 人々は移り気になり、集中して小説を読んでくれなくなったのです。
 小説を読んでいて、ちょっとでも退屈したら、スマフォアプリを起動して遊んだり、ニコニコ動画を見に行ったりしてしまいます。

 指輪物語が日本にやってきた1972年、銀河英雄伝説が刊行された1982年の頃は、ネットやスマフォ、テレビゲームもなく、娯楽コンテンツが圧倒的に少なかったので、数少ない娯楽小説を人々は必死に読みました。
 だから、早く本題に入らず、冒頭で設定の解説をクドクド続けても読者は付いてきたのですが、今、これをやると、読者は退屈して逃げていく可能性が強いです。他に無料で楽しいコンテンツがいくらでも溢れているので、退屈な小説を無理して読んだりはしないのです。

 なので、どんなに工夫しても冒頭で何十ページも設定をズラ~と並べた小説は、現代ではウケません。昭和の昔とは状況が違うのです。
(指輪物語や銀河英雄伝説は、すでに名作としての地位を確立しているので、我慢して読もうという気になる)

 設定の説明とは、読者にとって退屈でツマラナイものです。誰もお勉強がしたくてライトノベルを読んでいる訳ではないので、理解しなくてはいけない情報が増えると、嫌になってしまうのです。
 ラノベで学園物が主流になったのは、学園物なら異世界ファンタジーと違って、設定の解説が最小限度で済むというのが理由の一つです。 

 読者は説明を読みたくないのに、作者は自分の作品世界を解説したくて、ついクドクド設定を披露してしまうところに悲劇が生まれます。ここはグッと我慢しましょう。

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