ライトノベル作法研究所
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  4. 「てにをは」の使い方公開日:2014/06/13

「てにをは」の使い方

 「てにをは」とは、助詞の古い呼び名です。
 昔、漢文を読む際、漢字の周囲に点を打ち、その位置で読み方を示す方法があり、左下から順に四隅をテニヲハとあてたことに由来します。
 元来は、助詞だけでなく、助動詞、接尾語など、補助的な働きをするものの総称でした。
 明治の辞書・言海は語法指南(文法解説)のページに品詞名として掲げ、本文で「行きて見る」「馬に乗る」「花を見る」「風は吹く」と例を挙げています。

 要するに、「は」「を」「が」「も」「に」など、語句と他の語句との関係を示したり、文章に一定の意味を加えたりする言葉が、「てにをは」と呼ばれます。

 「てにをは」の使い方を誤ると、文章のつじつまが合わなくなったり、 ニュアンスが異なってくるので要注意です。

●例
「彼帰ってきたら、教えてください」
「彼帰ってきたら、教えてください」

 上の文では、彼一人が発言者の用のある対象です。
 が、下の文では、彼だけでなく他の人にも用があるというニュアンスが生まれます。
 この程度の「てにをは」の使い分けなら、誰でも無意識のうちに正確にこなしているでしょう。

 ただ、「てにをは」の中で、使い分けが難しいのが「が」と「は」です。
 ここでは、この二つに絞って解説します。

 「が」は好きなこと、能力、希望などに使います。また「は」より新しい情報に使います。
 「は」は、比較したり区別したりする場合に使います。

●例
 私は本を読むこと好きです。
 私は本を読むこと好きです。

 上の例文を比較してみましょう。
 「本を読むことは好きです」と書いた場合、複数ある好きなモノの1つとして好きだというニュアンスになります。
 「が」を使った場合の方が、好きだという感情が強く伝わります。

●例2
 私は一冊の本を30分で速読することできます。
 私は一冊の本を30分で速読することできます。

 「は」を使った場合、速読することはできるが、他の何かができない。
 あるいは、本を30分以下の短時間で速読することはできないような印象を与えます。
 「が」を使った文章に比べて、自信が無いような感じになります。

●例3
 会社にやってきた。
 彼会社にやってきた。

 「が」を使った場合は、彼がたったいま会社にやってきたような意味になります。
 一方、「は」を使った場合は、彼が会社にやってきたのは、少し前のような意味になります。
 また、「が」は彼を見ている人が語っていて、 「は」は誰かが回想しているように聞こえます。

●例4
「私鈴木です」
「私鈴木です」

 「が」は未知のこと、「は」は既知のことに対して使うという慣習もあります。

 初対面の人に会った場合、「私が鈴木です」と言うのが正解です(相手と会う予定である場合)。
 すでに面識のある相手に会った場合は、「私は鈴木です」と言います。

●例5
 昔々あるところに、おじいさんとおばあさんいました。
 おじいさん山に芝刈りに、おばあさん川に洗濯に行きました。

 日本昔話の桃太郎の冒頭です。
 おじいさんとおばあさんが、初登場した時には「が」が、使われています。これは二人が未知の人物だからです。
 二人が読者にとって既知の人物になった二行目は、「は」が使われています。

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