熱中症の治療

熱射病では、「体温が正常になるまでに要した時間が長いほど死亡率が増加した」という報告があります。

つまり、できる限り早く体温を下げるようにするということです。体温を下げるのに一番手っ取り早いのは、ホースで直接水をかける、あるいは全身を水に浸けてしまう事です。

ただ、このとき注意しなければならないのは、決して、氷水やあまりに冷たすぎる水を使用してはいけない、ということです。
氷水や冷水を使用すると、体の表面の血管が収縮してしまいます。すると、かえって体の奥に熱が篭ってしまい、逆に体温の下降を妨げることになるからです。

熱痙攣と熱疲労の処置は共通で、塩分と水分を補給することです。

大量の汗をかくと水分だけでなく塩分まで身体から失われてしまいます。この時、水だけガバガバ飲むと、血中塩分濃度が低下してしまうことになるのです。体は血中塩分を一定値より薄くしないため、余分な水分は尿や汗として排泄する働きがあります。そのため、塩分を同時に吸収しなくてはダメなのですね。
ただし、塩をそのまま舐めたりするのではなく、少量の塩を溶かした食塩水を飲んだりした方が良いです。

水分の補給には0.1〜0.2%程度の食塩と5%程度の糖分を含んだものが適当です。

自衛隊では、行軍中に熱中症にならないように、塩分を含んだ特性飴玉を持っていきます。


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