1)一人称では、語り手が見ていないものは書けない。
この原則を認めるなら、
2)一人称では、語り手が考えないことは書けない。
これも同様に言えるはずです。だから、一人称の地の文は語り手の性格を少なくともまったく意識しないで書いてはいけません。
ただ。
実際に小説を書いてみると、そう杓子定規に決めてかかっても上手くいかないと実感すると思います。
そこで、一人称・三人称を横断する地の文のテクニックというやつが出てくるんですね。
しかし、そこまで踏み込むとけっこう難しい創作論になってくるので、基本としては、
3)一人称の地の文は語り手の性格を反映する。
4)ただし、口調まで一致させる必要はない。
5)このキャラがそんなことは言わないだろう、と感じるようなことは避ける。
くらいに押さえておくのが、いいんじゃないかと。