これは、「方向性」という具体的な何かが存在するわけではないので、作者それぞれな部分が大きいかと思います。
というのも、そもそも「方向性」についてどういう認識で言ってるのか、という時点で議論がすれ違うことも多いからですね。
ここでは大雑把な「どういう話なのか?」という、その物語の目標、目的、そういうのを指して「方向性」と答えてみたいと思います。
まず、基本的には「方向性」はどんなタイミングで決めても問題なく、やりやすさで言っても、やはり人それぞれとしか言いようがないでしょう。
ただ、ここでは「どういう話なのか?」を指して「方向性」と答えますから、物語が決まってりゃ、つまり「どういう話なのか」が決まってりゃ自動的に方向性は定まってるハズです。
逆に、方向性を決めてから、と言っても「どういう話なのか?」を決めてからと言ってるも同然なので、これも方向性を決めたと同時に自動的に物語はできてるハズです。
でも、何に悩んでるのかはなんとなくわかります。
たぶん、「方向性」を「次の作品は学園でドタバタするコメディを書こう!」とか、ものすごい漠然と考えてるんじゃないかなと思います。
こう考えると、確かに方向性を決めただけで物語ができるわけはないでしょう。
でも、もっと具体的な方向性を考えたらどうか?
例えば、「主人公が誤解からヒロインに追い掛け回される話を書こう!」という方向性を決めたなら、もうこの時点で物語の概要ができてますよね。
主人公の誤解がキーになるなら、この誤解で物語をころがして、ヒロインに追い掛け回され、誤解が解けたところで話は終わり。
で、
「主人公が誤解からヒロインに追い掛け回される話」という一文を、「方向性」と言えば「方向性から考える」と答えるし、この一文は「物語だ」と言えば「物語から考える」と答えます。
どういう方法にしろ、私の場合は、一番最初にこういう「物語を凝縮した一行の文」を作ることから始まります。
その一文が作れるなら、方向性から頭を捻って「学園コメディだから主人公とヒロインが何かする話がいいな、どんな風にしよう?」と考えることもあるし、物語性から「追われる話がいいか、協力する話がいいか、どうしようかな?」と考えることもあります。