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タイトル:異世界の食文化について(改)の返信の返信 投稿者: 大野知人

 世界史好きの俺からすると、むしろ『史実を学んだうえでぶち壊せ!』というくらいの気持ちだったのですが。

 ラノベじゃないけど、『精霊の守り人』とか良いんじゃないかな。

 それから、現実の食文化の歴史を参考にする際、注意すべき点が一つ。言っちゃなんだが、西洋人の(主に庶民の)食文化でオリジナルなものはほぼほぼクソなので、連中の食文化の大半は『植民地から学んだもの』か『保存食の発展形』のどちらかです。『いつどこが植民地になって伝播したか』『飢饉の際発明された保存食であった』みたいなのは、時代が左右してもあまり違和感がありません。

 ただ逆に、『異世界食堂』みたいな外食産業について言えば地域差こそある物の、『そもそも自炊はしない、町のどこかにある食堂みたいなところで食べる』のが普通だった時代もあります。
 そういう時代の場合、根本的に『美味しい』という価値基準が無かったことすらありました。要は、『食えるか、食えないか』なわけですね。

 ただ冒頭にも書いたように、基本的には『史実をあまり気にせず、自由に創造して書く』事をした方が良いと思っているので……。
 そうですね、案としては。
 
 北欧地域の港湾部などでは、『不凍港』という言葉もある通り、基本的に『冬は水が凍っていて、船が使えない/破氷船が必要』な地域がしばしばあります。
 そう言った地域、特に貿易港であれば、『海鮮が充実している(全地域・時代)』『越冬のために様々な乾物・保存食文化がある(全地域・時代)』『貴族などが使う高級食材の余り物(不良品)が下町に流れる事がある(古代ギリシャ帝国時代には)』『輸出の都合で、かなりの量の野菜が通過する・市場に下りる(ルネサンス期後半より)』『酢が手に入る(船乗りが飲まなかった酒が安酒として売り払われるが、酢になって居る者も多かった/大航海時代)』『柑橘類がある(壊血病の事が知られると、買われるようになった/1700年代後半)』などと条件がそろっていました。まあ、1300~1700年代後半の情報をごっちゃにした設定ですが、かなり参考になるはずです。

 また、食文化などでも(主に大航海時代以降ですが)船乗りたちは色々な地域の食文化を見ていたため、色々なものを食す文化がありました。
『ブラッドソーセージ』(ソーセージの亜種。畜血を混ぜた安価な物。ちなみに、ソーセージより歴史が古いという説もある)
『ブラッドプディング(上の亜種。腸詰にせず、プディング型に入れて焼いたもの。多くは穀物を混ぜ、ハンバーグにも近い形になることがあった)』
『アサード』(アルゼンチンやウルグアイの料理。デカい肉を長時間かけて焼く。本来は牧童の食文化で生まれた物。チミチョリという唐辛子のソースで食う)
『その他、放牧民族の食事』(西洋人あるあるですが、放牧民族潰してはその文化を吸収してくので、時折ワイルドな物を食ってたりします)
『ラム肉・マトン』(毛を刈るための羊が年を取った場合、彼らの肉を食うことはありました。夭逝した子羊も)
『シルクロード経由で来た中華食各種』(当時は世界地図なんざ知らない人が大半なんで、『港町? 遠くに繋がってるんでしょ。中華料理、有るよね?』みたいな人が居たり、『道を知らない』事をダシに『偽の中華料理』を売ってる奴も居ました)
『揚げ物』(古代ローマには実在したとされるが、その後どういう経緯をたどったか明らかでない。今一般的に知られているそれはシルクロード経由で中国から伝わった、というのも一説である)
『キノコ食』(こちらも定かとは言えないが、説として『中国の漢方として伝わった後、中華料理のキノコ食も伝わった』という物がある)

 などなど。『侵略先の文化を吸収した』『貿易で伝わって来た/来たものが魔改造された』などは日本人にはかなり分かりやすい感覚ですよね。
 所謂、『ヨーロッパ』と呼ばれる地域では水の汚さや、『酢』に向いている作物が少なかったこと、胡椒やワサビ・ショウガなどの保存に向く野菜が少なかったせいもあって食文化の発展は非常に緩慢でした。
 一方で、パンやソーセージ・干し肉に代表される保存食文化の発展は著しく、彼らの食文化は『吸収した他国の文化』と『保存食の文化』を混ぜ合わせることで、昨今のような発展を遂げることになります。

 なんとなくわかって来たと思いますが、『もし、侵略・貿易した先が何処々々だったら』というIFを作るだけで、結構『それっぽい食文化の歴史』を考えることが出来ます。

 また、これは世界史を逸脱する内容ではあるのですが、食文化というのはその土地の動植物に影響を受けます。動植物というのは植生、つまり気候区分の影響を受けるわけで、『地形と食文化』というのはかなり密接な関係に会ったりします。
 そう言ったところから攻めてみるのも良いかも知れませんよ。

 また、別方向に世界史を逸脱すれば、宗教もまた食文化に影響を与えます。『宗教も世界史じゃないか』と思うかもしれませんが、この場合の宗教というのは『政経と文学』でありまして、『為政者が何をしたいか』『神話に何が登場するか』という事が、食文化に影響を与えます。十字教圏のワインなんかは好例ですね。『為政者が清貧を説く時に、飴と鞭の『飴』としてミサなどでワインを配った』という話もあるし、そもそもキリストにまつわる『聖書の中でも有名な部分』にワインが登場しなければ、ここまで文化として発展しなかったでしょう。

 いやあ、愉快ですよね、実に。
 まあ、まとめちまえば『全ての物事は互いに関わり合っていて、食文化もそれに含まれる』ってだけなんですが。一度世界史をちゃんと勉強するのも良いかも知れません。絶対、面白い作品になります。

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