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タイトル:文章が説明的になってしまうの返信 投稿者: あざらし

あまくささんが完結に素晴らしい解答を書いてくださってますので、お勧め作品を交えてご紹介いたします。

説明をするとどうしてダメなのか?
これは説明をすればするほど、エンターテインメントから遠ざかるからです。
端的にいえば読者が楽しくない。

とはいえ物語を楽しむのに必要な説明はあります。
伝わらないと肝心の物語を楽しむこともできません。
説明しなければならないのに、説明するほど読者の心が離れていくというジレンマです。
これが『書いた文章が理屈っぽい、説明的、』という感想になっていると思います。

両立させるには、説明を楽しませることです。
必要な説明は物語、エピソードで伝えることを意識してみてください。

お手本は山のようにあります。
具体的には、読んだことがないのにタイトルは知っている、という作品です。
その中でも流行廃りではなく、時間の荒波にもまれて生き残った作品の方が参考になることが多いと思います。

一例を。
【ブラックジャック 試し読み】で検索を。言わずと知れた漫画の神様、手塚治虫氏の代表作の一本ですね。
サブタイトル【報復】の全集版がヒットすると思います。
そして第一話を読んでみてください。

『医師免許を持っていないが、名医である。』
という、物語を楽しむ肝の部分がエピソードを通して伝わりますよね。
そして世界的に見ても卓越した名医だというのが、『イタリアの大富豪が訪ねてくる、他の医師では駄目だという』『日本中の医師を動かせる医師会連盟のトップが最後のよりどころとして頼る』という点からも強烈に伝わります。
また、『高額な報酬を求める(自分の命をかけて患者を治す報酬)』ブラックジャックの性格『権威に従属しない』『ユーモアを解する』『信念に基づき行動し、決して揺らがない』も伝わりますよね。
強烈なオチですが、『報酬が医師免許だったから断った。悔い改め、ブラックジャックの価値観に従っていたらどうだっただろう?』という疑問も浮かびます。
(ちなみに連載順の第一話は【医者はどこだ!】です。エピソードによって伝えるという基本の手法はあたりまえですが同様。こちらも見事ですので機会があればどうぞ。全集版の第一話に【報復】を持ってきたのは編集者のセンス。作品に対する理解と愛情の技だと思います】

手習い、本歌取りとして、本作を小説に起こしてみてください。
エピソードを通して説明するという意味が練習を通して身につくと思います。

何作かお勧め作を。
映画【黒澤明監督:用心棒】
超一級のエンタメ作品です。
年間100本は映画を観ますが、これほど隙のない映画はありません。
全て説明はエピソードを通しての真の意味が詰まってます。
エンタメ技術全般の教材としてもお勧めです。

ラノベ【賀東招二著:甘城ブリリアントパーク】
自然な流れに説明を流し込む手腕は流石に大ベテランです。
楽しんで読んでいるうちに情報が伝わります。
小説的な説明の仕方を学べると思います。

一般小説【瀬名秀明著:パラサイト・イヴ】
小説での説明、それもSFのかなりややこしい部分をナチュラルにやってのけてます。超絶技巧をそれと感じさせない。デビュー作というのが信じられない。
物語を読ませる力、推進力もピカイチです。
映画化もされてますが、間違っても映画で観たら駄目な作品筆頭。
作者に興味が湧いたら【のび太と鉄人兵団】をどうぞ。タイトル通り【ドラえもん】ですが、瀬名秀明氏の技が光りまくってます。

漫画【梶原一騎原作 ちばてつや画:あしたのジョー】
いわずと知れた名作漫画。
注目は、ちばてつや氏のコマ割り。超絶テクニックはそれと気づかせないから超絶ということがよくわかる。
単純には大きなコマを使っているヶ所が”読者の”読みたいシーンに連動させてます。
直接的ではないにしろ、小説にも当てはめることができます。

ちょっと昔の作品が多くなりましたが、それだけ基本的かつ大切なことだと理解ください。各ジャンルで(個人的に)最も主題に沿った作品をあげたつもりですので、ご了承を。
ではでは執筆頑張ってください。
応援いたします。

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