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タイトル:文章が要約のようになってしまうの返信 投稿者: 大野知人

 なんとなく通った事ある道な気がするので、少し感覚的に書くけれど。

 単純に言えば、『わかりにくさ』をきちんと作る事なんだと思うよ。
 
 文章の分かりやすさって言うのは、言ってしまえば『共通認識を突き詰める』って事なんだよ。『分かりやすい単語』『分かりやすい順序』『慣用的で通じやすい表現』――そういうのを選りすぐって丁寧に並べた物が『分かりやすい文章』。またの名を『要約的な文章』です。平坦な精神状態、もっと言えば冷静な時に読みやすい文章ですね。

 でも実際のところ、小説という形をとるのであればだけれど。読者に対して求められるのは『冷静さ』だけではありません。キャラクターへの感情移入や、景色・物の美しさへの感嘆、登場人物というフィルタを掛けて見ることによる『自分の意識とは少し違う世界の見え方』みたいな物。

 ここら辺、人生経験積んだりひたすら人間観察しないと習得しづらい物もあるんだけど……。要するに『分かりやすい単語』選びや『分かりやすい文法』を避けることによって、文章に籠められる感情にグラデーションが出来る。それが『要約的じゃない文章』ってことじゃないのかな?

 ま、つったってどうしたらいいかわかんねぇよと思うだろうから、具体的なアドバイス。短い文章をたくさん作って、そこに修飾語(形容詞や副詞や助詞や助動詞ね)を付けなさい。
 で、勢いが大事な所は修飾語少なめに、感情描写ちゃんとやりたいシーンには修飾語多めで。バランスは分かんないと思うから、一回やってみて後からそれを推敲すればいい。

例:
要約的な文章
 『新聞紙片手に商店街の肉屋で買って来た肉まんを齧り、梅昆布茶を啜る。』
沢山の短い文章
 『新聞紙を読む。商店街で肉まんを買って来た。梅昆布茶を入れ、それを呑む』
修飾語を入れる
 『新聞紙を膝に乗せ、パラパラとめくる。そういえば商店街で肉まんを買っていたのだった。思い出しがてら、梅昆布茶を入れる。肉まんをひと齧りして、香り高い梅昆布茶を啜る』
ちょっと寂しいので、モノローグと台詞を追加。
 『新聞紙を膝に乗せ、パラパラとめくる。「一面の記事は……。通り魔!? 物騒だねぇ。あ、そう言えば!」商店街で肉まんを買っていたのだった。「なら……うん。やっぱ梅昆布茶かな」思い出しがてら、梅昆布茶を入れる。合わないと思うかもしれないが、これが何とも美味いのだ。肉まんをひと齧りして、香り高い梅昆布茶を啜る。「クゥー。ま、塩分過多で怒られそうではあるけどな……」』
 
 と、まあこんな感じ。だいたい5倍弱って所だな。
 基本的に『大したことない』ように見えるものを細かく書きだすのがコツ。
 4個以上の名詞が出てくる文章は、形を変えると2つの文章に分けることが出来るものが多いから、そこら辺もコツ。
 あとは、倒置法を使うとかね。

 例:
 元『目玉が三つもある上に頭からは角も生えている。間違いなく、それは怪物だった』
 倒置『ギョロリと見渡す三つの血走った眼球。頭からは天を突きささんとばかりに角が生えている。ああ、間違いない。アニメや漫画で見るような怪物が、そこに立っていた』
 ってな感じ。

 ま、基本的には『不必要に細かく書き込む』って所だ。塩梅に関しては、完全に練習しないとどうにもならない。ガンバ!

 以上、参考になれば幸いです。

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